開けてビックリ…図書館事業費の市負担分が一挙に5億円増の13・4億円に~市側はこの数字を詳(つまび)らかにせず!!!???

  • 開けてビックリ…図書館事業費の市負担分が一挙に5億円増の13・4億円に~市側はこの数字を詳(つまび)らかにせず!!!???

 

 「55億円の総事業費に占める市負担分、つまり私たち納税者に直接、かかわる部分は…」―。新花巻図書館の「設計状況」についての市民説明会(10月13日、14日、19日、20日)で相次いだのが、この素朴な質問だった。市側はその都度「市民に負担がかからないよう財源確保に努めたい」と答えるに止まった。よほど、表には出したくない数字だったのだろう。今回の計画見直しでは蔵書数(30万冊減)や床板面積(300平方メートル減)などが縮小されたのに対し、概算事業費は逆に当初の39・9億円(約40億円)から55億円に膨れ上がった。市側がこれまで説明してきた財源のスキーム(国庫補助と合併特例債)に沿って、その内訳のシミュレーションを以下に示す。

 

 

●39・9億円~国庫補助(15億円)、合併特例債の交付税措置(16・9億円)、市の実質負担(8・4億円)。「ざっと40億円もの大事業がわずか、8億円余りの市負担でできる。国の補助制度を上手に活用した成果だ」と上田東一・前市長は胸を張った。さて、「55億円」を電卓に入力してみた。開けてビックリ、玉手箱…

 

●55億円~国庫補助(15億円)、合併特例債の交付税措置(26・6億円)、市の実質負担(13・4億円)。つまり、全体で15億円増のうち、三分の一の5億円が市の実質負担分(市民の税負担)として、上乗せされる可能性があるということである。

 

 

 市側は概算事業費の増額(55億円)を1,37倍に「抑制した」と強調するが、逆に市の実質負担分(13・4億円)が当初の8・4億円に比べて、1,6倍も「増える可能性がある」ということについては、どう説明するのか。さらに、今回の説明資料には「整備にあたり、国の補助金を活用」と明記されている。ところが、令和8年度分の補助金(「都市構造再編集中支援事業費補助金」)は約4・4億円の要望額に対し、約1・6億円の交付に止まっている。今後も減額傾向は続くとみられているが、今回の市民説明会の場でもこうした肝心な「数値」は伏せられたままだった。

 

 “5億円”事件をふと、思い出した。2024(令和6)年3月22日、花巻市議会で開催された議員説明会は物々しい雰囲気に包まれていた。入り口には職員が立ちはだかり、私たち傍聴希望者だけではなく、マスコミ関係者の入場も阻(はば)まれた。前代未聞の「非公開」のこの場では、総合花巻病院への5億円の財政支援についての案件が説明されていた。2年前にオープンした同病院に対し、市側は当初約20億円の補助金を提供したが、経営難からさらに5億円の追加支援を要請され、直後に開かれた市議会臨時会で即決された。

 

 「市民の皆さん、花巻病院の案件で議会のライブ中継が始まっています。すごい内容になっています。病院の経営状態に無関心ではいられない内容です」、「税金の“私物化”ではないでしょうか。民間の病院に多額の税金をつぎ込むことにはもう少し、慎重であるべきでは」…。議会中継を見たある市民はさっそく、X(旧ツイッタ‐)にこう書き込んだ。当事者であるベテラン議員も「議会の当日にいきなり、議案が提出されても精査する時間すらない」「まるで、”ガス抜き”みたいな雰囲気だった」と不満をぶちまけた。

 

 「5億円」という同額の数値は単なる偶然だとしても、私はそれをひた隠しにする行政の姿勢に同根の”病癖”(びょうへき)を感じた。地元紙の岩手日報はこうした手法を手厳しく批判した。「後顧の憂(うれ)いを断つ」という意味で、以下に転載する。

 

 「…急転直下の臨時議会前、内容が告知されないまま開かれた市議会議員説明会は非公開。密室で議論がほぼ尽くされたのか、その後の議会は淡々とした説明になった。24年度は長年懸案とされてきた新図書館建設候補地の選考について、重要局面を迎える。今回の市当局の対応は、市政課題への姿勢に疑問を残した。財源を生かした大胆な政策は必要だが、市民への説明責任を怠ってはならない」(2024年3月29日付)

 

 私は当時、非公開になった議員説明会での説明資料と会議録の写しなどの文書開示請求をしたが、結果はいずれも「非開示」と「不存在」。あの時からわずか2年余り…今度は10月5日開催の議員説明会における会議録の録音記録の開示請求(10月20日付当ブログ「追記―1」参照)をしたが、これまた「不存在」だった。新花巻図書館にかかわる予算審議はこれから、本格化する。“5億円”事件の教訓を無駄にしないためにも、当局と議会とが互いに監視し合うという「二元代表制」の確立と、さらにその制度を監視するという“市民の眼”が試されることになる。

 

 

 

 

 

(写真は新図書館の「設計」に関する説明資料から)

 

 

 

《追記ー1》~スクラップ・アンド・ビルドの徹底

 

 「1人の市民」を名乗る方から、以下のような長文のコメントが寄せられた。早くも「13・4億円」ショックの到来か。HPの記事を一読して、私も「これは納税者たる市民への宣戦布告ではないか」と憤(いきどお)りを感じた!!??

 

※

 

 市のHPに公表された「令和9年度予算編成方針について」では本市の財政について、「財政の硬直が進んでいる。公債費は図書館整備事業等の大型事業開始に伴う市債の発行や近年の金利上昇の影響に伴い増加していく見通しである」と記し、新花巻図書館の事業費が55億円へ増加することで、更に借金返済が苦しくなることを含意している。一方で、「スクラップ・アンド・ビルドの徹底」として、「コスト意識を持って既存の各種施策についても徹底的な見直しを行い」と記載していることから、市民に直結する各種事業を徹底的に見直す姿勢が示されている。高額な新図書館など大型事業のおかげで市民生活を支える普通の事業が削減されることが懸念されている。

 

 なお、「スクラップ・アンド・ビルドの徹底」のところには「なぜその事業が必要なのか、経費の必要性について責任を持って市民に説明できるよう」とあるが、新図書館整備の説明会の様子からはそのような説明責任は窺い知ることができない。ダブルスタンダードという他ないように思える。

 

 

 

《追記―2》~プロパガンダとは!?

 

 「Gemini」を名乗る方から、次のようなコメントが届いた。「なるほど」と納得した。

 「プロパガンダ(Propaganda)とは、特定の思想・世論・意識・行動へ誘導する意図を持って行われる宣伝活動の総称です。主に政治的・宗教的な目的で大衆を操作・説得するために用いられ、情報の一部を誇張・歪曲したり、都合の悪い事実を隠蔽したりする特徴があります。(例:新花巻図書館の事業費が55億円に増加しても市は1.37倍に抑制したと広報。でも、市の負担(市民の負担)が1.6倍になるということは広報しない)」

 

 

 

 

 

 

 

「宮沢賢治」はどこへ行った…「Ihatov Library」の夢、無惨~あぁ、「貧すれば、鈍(どん)する」~行政への信頼性が失墜!!??

  • 「宮沢賢治」はどこへ行った…「Ihatov Library」の夢、無惨~あぁ、「貧すれば、鈍(どん)する」~行政への信頼性が失墜!!??

 

 「図書館問題が10年以上にわたって、迷走を重ねた背景にはそもそも『図書館とは何ぞや』という理念がなかったからではなかったか」―。新図書館の設計状況の見直しに関する最終回の市民説明会で、私は総括的な問いかけをした。さて、プレイボール後の第1球目は「宮沢賢治はどこへ行った」。私自身がその実現に夢を持ち続けてきた執念の“一球入魂”である。

 

 「特に宮沢賢治に関する資料については、今後出版される資料はもちろん、未所蔵で購入可能な資料は古本も含め積極的に収集。宮沢賢治専用のスペースを設けることを検討します」―。「新花巻図書館整備基本計画」(令和7年5月19日)にはこう明記されている。ところが、今回の設計見直しの資料にはそのスペースが見当たらないではないか。「賢治の世界観が分かるような具体的なイメージを示してほしい」と求めると、市川清志・元生涯学習部長はこんな風に答えた。

 

 「2階のティーンズエリアに若い世代が『賢治』を感じるような、例えば『銀河鉄道の夜』をイメージできる空間を設けたり、随所に“賢治色”を散りばめたい」。食い足りないと思った私はさらに問うた。「賢治に特化した図書館をつくることができるのは花巻だけ。アフガンでテロの凶弾に倒れた医師の故中村哲さん(享年73歳)の愛読書は『セロ弾きのゴーシュ』で、遺作のタイトルはズバリ『わたしは「セロ弾きのゴーシュ』。賢治の影響を受けて、人生の岐路を決めた著名人はキラ星のごとくにいる。このように、賢治という巨木から枝分かれしていった“賢治人脈図”のようなものを展示してはどうか」―。二人の問答はさらに、以下のように迷走した。

 

 「その種の企画展示は考えてみたい…」(市川元部長)、「現在、イーハトーブ館で『世界で読まれる賢治文学―翻訳からみる受容の拡がり』(2027年2月15日まで)という企画が行われている。賢治作品の翻訳数は日本一とも言われる。インバウンドを喚起するためにも一切合財を収蔵する考えはないか」(私)、「できるだけ…」(市川元部長)。少し、イラっとした私は第2球目を投じた。今回、計画見直しの中で新しく登場したコンセプト「新たな/あかり/ともす/広場」―についてである。

 

 「大変失礼な言い方だが、このコンセプトにはまったく、心が響かなかった。その没個性に驚いた。これはどのような経緯で作られたのか」(私)、「基本・実施設計を委託する際、その選定副委員長だった吉成信夫さん(みんなの森 ぎふメディアコスモス・元総合プロデユーサー)から助言をいただき、我々図書館問題にかかわる職員で考えた」(市川元部長)、「当市の図書館事始めは14年前、市民有志が結集した『花巻図書館整備市民懇話会』が発した『知の泉/豊かな時間(とき)/出会いの広場』という言葉に凝縮されているのではないか。こっちに変えるつもりはないか。ぜひ、そうしてほしい」(私)、「あれはキャッチフレーズで、コンセプトとは言えない。ご意見として承るが、変えるつもりはない」(市川元部長)…

 

 「又三郎シャフト」―。吉成さんら選定委員会(6人)によって、設計業務の受託業者に選ばれたのが今回、設計の見直しをした「昭和設計・tデ・山田紗子建築設計事務所共同企業体」だった。公開プロポーザルの際、新図書館の空調ダクトに賢治を冠して、こう命名していたのをふと、思い出した。先が思いやられるとその時は正直、そう思った。同共同企業体がいま、目指しているのが図書館と利用者を結ぶ「市民ライブラリアン」構想。こっちは必ず、実現するとのことだったので、少し肩の荷が下りた。

 

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

 「日ハ君臨シ/カガヤキハ/白金ノアメ/ソソギタリ/ワレラハ黒キ/ツチニ俯シ/マコトノクサノ/タネマケリ」(「花巻農学校精神歌」)―。いまから104年前、当時稗貫農学校(現花巻農業高校)の教師だった賢治は校歌を持たなかった生徒たちにこの歌を贈った。降り注ぐ陽光の下、大地に這いつくばるようにして「マコトノクサノタネ」の一粒一粒を蒔(ま)く産土(うぶすな)の光景が目に浮かぶ。「どっどど/どどうど/どどうど/どどう/青いくるみも吹きとばせ…」。風の又三郎(賢治作品)が歌うあの呪文のような旋律が頭上をす~っと、通り過ぎたみたいだ。「図書館はやっぱり、精神歌が産声をあげたここ(現花巻病院跡地)しかない。風の神たちを駅前のハコモノ図書館の空気の通り道に利用するなんて。それだげは止めでけれじゃ…。こんな声が銀河の彼方から降ってきた」

 

 ちなみに、アイヌ語では「風」のことを「reraーkamuy」(風の神)と呼び、夕方に突然風が吹き止む「夕凪」(ゆうなぎ)ことを、「rera(風が)onuman(夕方に)ipe(食事する)」と表現する。「風だって、吹きまくっていたのでは腹も減るべじゃ」ー。アイヌ古老のこの言葉が頭にこびりついている。そう、アイヌにとっても賢治にとっても「風」は「神さま」そのものなのである。恵みを与えてくれたと思ったら、台風を引き連れてくるー「おっかない」存在としての…

 

 

 

 

(写真は市議4人を含め、総勢15人が参加した石鳥谷会場=10月20日午後、石鳥谷町八幡の市石鳥谷総合支所で)

 

 

 

《追記ー1》~開示請求文書は不存在!

 

 10月5日に開催された新花巻図書館の「設計状況」にかかる議員説明会について、その録音記録の開示を16日付で請求していたが、21日に「不存在」の連絡があった。「当該録音記録については、担当者の会議録作成時における確認用資料として録音していたものであり、会議録の作成及び10/16市HPへの公開が完了したことから削除しております」という理由が書かれていた。

 

 説明会を傍聴した私は以下の理由から、その証拠となる録音記録(電子媒体)の開示請求をしていたが、その経緯を次に再掲する。「懸案の『喫茶・飲食』スペースについて、私はその際の蛭田健次・建設部長の発言メモを元に『今回、見直しされた基本計画(図)の中にその存在を明示する記述がないこと』―を問題視した(13日付当ブログ参照)。ところが、この日(16日)公表された会議録には建設部局トップの「蛭田」発言そのものがそっくり、削除されていた」―。当今、霞が関界隈でも「予算カット」問題をめぐって、証拠メモの存否が話題になっているが、おそらくどちらもウソであろう。

 

 

 

《追記ー2》~片や、“見切り発車”のオンパレード!!

 

 このほど開催された新花巻図書館の「設計状況」にかかる市民説明会が紛糾を見せる中、受託業者の「昭和設計・tデ・山田紗子建築設計事務所共同企業体」が10月22日に開催される第28回図書館総合展(運営委員会主催、パシフィコ横浜)で事例発表することが分かった。同共同企業体はすでに建築・デザイン雑誌「GAJAPAN」が主催する「設計プロセス展」(9月26日~12月20日)にも出品している。“外堀”が着々と埋め尽くされつつある。

 

 

 

《追記―3》~素朴な疑問

 

 「誤政道」を名乗る方から、以下のようなコメントが届いた。「滅茶苦茶(めちゃくちゃ)でごじゃりまするがな」―。大正・昭和期の漫才師で喜劇俳優、花菱アチャコのギャグが口から飛び出した。それにしても、こっちもいい歳(とし)だなぁ…


 

 「録音記録は『削除』したから結果として『不存在』になったわけだけど、紙媒体文書のように保存期限は定まっていないものなのかなあ?あと、基本設計業者はどの程度の完成品かわからないけど、議員や市民に成果を説明する前に展覧会に出展していたんですね。市民の意見を聞いて作ったとされている新花巻図書館基本計画からスペックは下がり、事業費は15億円増えている内容がどんな風に展示されたのか興味あるけど、花巻じゃなくて東京では行って見るのもできないしね。もしかしてそれが(以下、自粛)?」

 

 

 

《追記》~数字の「魔術師」ならぬ、数字の”詐術師”…行政への信頼性は一体、どこに!?

 

 今回の新花巻図書館の設計見直しの中で、蔵書数が当初の70万冊から40万冊に削減された根拠について、市側は「花巻地域の令和12年の目標人口62,029人をもとに再考した」としていた。ところが、市側の統計資料(人口ビジョン)によると、同年の数値は60,289人となっており、「1,740人」の誤差が生じている。一方、新図書館が1市3町の「中央館」に位置づけられているにも関わらず、なぜ全市の人口を対象にしなかったのか。「分館がある旧3町は最初から、“蚊帳の外”だったのでは…」―。周辺地区からはこんな“恨み節”も聞こえてくる。今回の市民説明会のへの旧3町の参加者が極端に少なかったことがそれを裏付けているのかもしれない。

 

 議員説明会における会議録の「不存在」に次ぐ、今回の行政サイドの不手際に思わず、ため息がもれた。図書館の心臓部を形成する蔵書数…それを算定する際の基礎データが間違っていたというから驚きを通り越して、不信感が募った。行政への信頼性を失わせる深刻な事態である。「駅前立地」に対して、多くの市民が抱く疑念の数々もこうした花巻市政の”ぬるま湯”体質に向けられているのかも知れない。一方で、”駅前図書館”に対し、最終的にゴーサインを出した対話型「市民会議」(75人)の実態はどうだったか。全4回の会議にすべて参加した人はわずか42人。なんと6人は全休だった。統計学上の有意性を無視したこの数値に対し、市側は現在に至るまで「ノーコメント」を貫き通している。数字の「魔術師」ならぬ、数字の“詐術師”!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

「勇気ある撤退を」…新図書館の設計に関する市民説明会~花巻会場にはなんと、立ち見が出るほどの50人超が参集~「原点」回帰を求める声も!!??

  • 「勇気ある撤退を」…新図書館の設計に関する市民説明会~花巻会場にはなんと、立ち見が出るほどの50人超が参集~「原点」回帰を求める声も!!??

 

 「いまこそ、勇気ある撤退(決断)を」―。新花巻図書館の設計の見直しにかかる市民説明会が19日、立地が予定されているJR花巻駅前のなはんプラザで開かれた。大迫と東和の両会場を合わせた参加者がわずか6人だったのに対し、この日は立ち見が出るほどの50人以上が参集、関心の高さをうかがわせた。質疑応答は2時間を超え、10数人がこれまでの経過や今後の展開などをただした。こんな中、「質問したい人はたくさんいる。一人で時間を独占しないでほしい」などとヤジが飛び交うほどの熱気に包まれた。

 

 「概算事業費が当初の40億円に比べて、15億円も増えた。途方もない数字だ。財源はどこから引っ張り出すのか。市民の負担増につながらないか」「そもそも、(花巻)病院跡地への立地を口にしたのは、市側ではなかったのか。その後、駅前立地に変更した理由をきちんと説明すべきではないか」「事業費の上振れがはっきりした以上、すでに市有地化され、駅前に比べて3・6億円も安くつく病院跡地への立地を再検討するのが市政運営の基本ではないのか」「(宮沢)賢治の専用コーナーを設置するというのが謳い文句だったはずだ。今回の説明資料のどこを見ても賢治さんの顔が見えてこない」「駅橋上化との相乗効果をどう考えているのか」「この際、原点に立ち返り、病院跡地への立地という勇気ある撤退というか決断をすべきではないか」…

 

 これに対し、市側は「今後、国庫補助(15億円を想定)の減額も予想されるが、あらゆる財源を精査し、市民の皆さんにご迷惑をかけないよう努力したい。賢治コーナーについてはその多面性を考慮し、どの世代の人たちにも『賢治』を感じることができるように配慮したい。カフェと飲食コーナーを望む声が多いのは確かだが、市営ではできないので、やってくれる人がいれば…」―などなどあらゆる局面で後退姿勢が目立った。

 

 「15億円の事業費増と300㎡に及ぶ床板面積の縮小、30万冊の蔵書減はいずれも図書館建設の心臓部に当たる。今回の見直しは基本・実施計画を受注した設計グループと市側との間で締結された業務委託契約を大きく逸脱する内容で、法律(民法)的には契約不履行に相当するのではないか。契約を変更すべきだと思うが、どうか」―。私がこうただしたのに対し、高橋信一郎生涯学習課長(新図書館整備室長)は以下のように答えた。

 

 「お話しにあったような事業費増など3点が法律に抵触するかどうか、現在、弁護士と協議中である。もし、その必要がある場合は業務委託契約の変更はあり得る。ただ、契約の元となった『新花巻図書館整備基本計画』は議会や教育委員会議の議決を経たものなどで、変更はあり得ない」―。法律上、看過できないの問題が浮上しつつある一方で、一連の「市民説明会」なるものが“駅前図書館”を既成事実化するという市側の意図がますます、鮮明になってきた。なぜ、こうした”綱渡り”のような強硬路線を突っ走ってきたのか。その背後には駅橋上化事業と合わせると100億円以上に上る”利権”に群がる黒い影が……

 

 そもそも、「40億円」規模の図書館建設について、受託者側と業務委託契約を締結したのはまだ1年にも満たない今年1月7日。市側の見通しが甘かったという批判は甘んじて受けなくてはなるまい。「勇気ある撤退」ー。私はこの冒頭の言葉に胸を突かれた。あの未曽有の戦禍をもたらしたアジア・太平洋戦争を当時の軍部が止められたのもひとえに、この「勇気」がなかったからだと思うからである(敗戦記念日の8月15日付当ブログ「映画『開戦前夜』と戦後81年」を参照)

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真は50人以上の参加者であふれた会場(10月19日午後、花巻市大通りのなはんプラザで)

 

今日もたったの3人…「市民」説明会という名の茶番劇~隣り合わせのラウンジスペースでは現職市議が何やら談笑の図~「立場」主義者たちの厚顔無恥~「会議録」改ざん疑惑が追い打ちか!!!???

  • 今日もたったの3人…「市民」説明会という名の茶番劇~隣り合わせのラウンジスペースでは現職市議が何やら談笑の図~「立場」主義者たちの厚顔無恥~「会議録」改ざん疑惑が追い打ちか!!!???

 

 「今日は駅前立地を前提とした説明会ですので、それに直結しない個人的な質問はご遠慮ください」―。大迫会場に続いて14日、東和会場で開催された新花巻図書館の設計に関する「市民説明会」で、高橋信一郎生涯学習課長(新図書館整備室長)が突然、発した言葉に一瞬、虚を突かれた。「あれっ、『市民』のひとりとして、参加したつもりだったのに…」。発端はこうだった。図書館問題の経緯を熟知している市川清志元生涯学習部長が説明員として、同席していたので私は良い機会だと思い、以下のような質問をした。

 

 「当初の立地適正化計画では新図書館の立地先として、花巻病院跡地を含むまなび学園周辺が第1候補地だった。なぜ、駅前立地に変わったのか」(私)、「交通の便が良いなど駅前を望む声が多かった」(市川)、「それを裏付けるデータはあるのか」(私)、「数値としてのデータはない」(市川)、「駅前立地を決定した対話型市民会議(75人)は4回にわたって開かれたが、全部の会議に出席したのはわずか42人。統計学上、民意をきちんと反映したと考えるか」(私)、「そんなことを言えば、病院跡地への立地を希望した署名だって…」(市川)、「そんな失礼な言い方はないのではないか」(私)、「私だって、役所の一員という立場があるので…」

 

 そんなさ中に飛び出したのが、冒頭の「高橋」発言。最近、勢いを増す“立場主義者”のその立場に思いが至らなかった己(おのれ)の不明を恥じながら、会議室を出た途端、今度は本当に腰を抜かしそうになった。隣り合わせのラウンジスペースで、地元選出の2人の議員(明和会所属)が何やら談笑している光景に出くわしたのである。「市民の声を届けようと、杖を頼りに足を運んだのに…。地元の議員たるものが、目の前で開かれている会議にソッポを向くとは何事か」と思わず、一喝した。2人はきまり悪そうな表情で、苦笑いをするだけ。こっちのお二人はどうも、議員としての”立場”をお忘れのようで…

 

 

 「あれっ、今日もたったこれだけ?」―。わずか、1時間足らずで終わった会議で、質問の手を挙げたのは私だけだった。一般市民の参加は大迫会場と同じの3人に対し、市側は倍の6人。談笑組の2人の市議を含め、5人の地元選出議員は全員、不参加。こうして、“市民”説明会という名の茶番劇はこの日も幕を下ろしたのだった。市議会の名誉のためにつけ加えると、旧花巻地区選出の2人の市議は大迫会場に続いて、この日も参加していた。

 

 

 

 

(写真は完成模型図(手前)だけが目につく説明会場=10月14日午後、東和コミュニティセンターで)

 

 

 

《追記ー1》~今度は「会議録」(公文書)改ざん疑惑か!!??

 

 

 10月5日開催の新花巻図書館の設計に関する議員説明会の会議録が16日にやっと、市HP上に公開された。おやっと、思った。懸案の「喫茶・飲食」スペースについて、私はその際の蛭田健次・建設部長の発言メモを元に「今回、見直しされた基本計画(図)の中にその存在を明示する記述がないこと」ーを問題視した(13日付当ブログ参照)。ところが、この日公表された会議録には建設部局トップの「蛭田」発言そのものがそっくり、削除されていた。例の「モリカケ」問題の大掛かりな改ざん事件を思い出し、いやな予感がした。ガバナンス(内部の統制・管理体制)は果たして、大丈夫なのか。こっちの方も心配になってきた。

 

 オーガニックレストランや多目的ホール、助産所…。ここまで書いてきてふいに、年間80万人の「交流地」人口増という大風呂敷を広げた総合花巻巻病院の”絵空事”を思い出した。この時の移転・新築に伴う市の補助金は2年前の財政支援5億円を含めると、ざっと25億円に上る。また、この”悪夢”が繰り返されそうとしている。今度も賑わい創出(活性化)という、あの時と同じお題目を唱えながら…。「これはもう、立派な詐欺だな」

 

 

 

《追記―2》~賑わいづくりと立地適正化計画

 

 「野次馬」を名乗る方から、以下のようなコメントが届いた。新花巻図書館の設計状況にかかる市民説明会が連日、閑古鳥が鳴いている現実に直面し、絶望感に陥りつつあったが、市政運営にきちんと向き合う市民がいたことに勇気づけられた。ありがとうございました。

 

                              ※

 総合花巻病院移転も花巻駅橋上化、新図書館整備も全て国土交通省所管の立地適正化計画の産物ですよね。これら3事業に共通しているのは「賑わいづくり」ですが、レストランや若者の向けのカフェを呼び物にした計画が結局、実施段階では雲散霧消しているのも共通事項ですよね。でもそういう賑わいづくりの核がいつの間にかなくなっても建物が出来てしまうのは、それで儲かる人がいるからなのかなあ、素朴な疑問です。そういえば市の建設部長ってずい分前から国土交通省からの出向者ですね。国土交通省と言えば最近の話題は栃木県の道路補助金のカットだけど、そこの偉い人は経緯のわかるメモとか記録はありませんって発言してるのって、なんだかねえ。

 

 

新花巻図書館の「設計」見直し…「契約」違反の疑いが濃厚に~「整備基本計画」の再策定が必至か~市側は強行突破の構え!!??

  • 新花巻図書館の「設計」見直し…「契約」違反の疑いが濃厚に~「整備基本計画」の再策定が必至か~市側は強行突破の構え!!??

 

 「発注者と受注者は、各々の対等な立場における合意に基づいて、公正な委託契約を締結し、信義に従って誠実にこれを履行するものとする」―。新花巻図書館の基本設計にかかる「見直し」部分の市民説明会が13日の大迫地区を皮切りに始まった。私は「昭和設計・tデ・山田紗子建築設計事務所共同企業体」と当市とが2026(令和8)年1月7日付で締結した基本・実施設計にかかる「業務委託契約書」を元に「冒頭には双方の履行責任が明記されている。そもそも、見直し自体が違反行為ではないか」と迫った。ちなみに、契約書には設計与件として、こう記述されている。

 

 「本業務は、『新花巻図書館整備基本構想』及び『新花巻図書館整備基本計画』に基づき実施するものとする。建築物は『新花巻図書館整備基本計画』(6新花巻図書館の施設と規模)に記載する諸室及び機能を満たすほか、花巻らしい図書館として、宮沢賢治専用スペースの設置方法について検討するものとする」(「特記仕様書」)

 

 一方、今回の「設計状況について」という資料の中では、延床面積を「整備基本計画」で決められた約4,500㎡から約4,200㎡に縮小し、さらに、蔵書数も約70万冊から約30万冊減の約40万冊に削減するなど、ハード面とソフト面で大幅な見直しをする内容になっている。さらに、業務委託契約書の中の「設計内訳書」には予定事業費の名目で約「40億円」(税込)が計上されており、この金額は「新花巻図書館建設候補地比較調査」(令和6年11月)で算定された概算総事業費「39・9億円」にほぼ匹敵する。さらにこの概算総事業費は今回の見直しで、一挙に15億円増の55億円に膨れ上がった。私は以下の諸点をただした。

 

●今回の見直し部分はいずれも業務委託契約書の中で「整備基本計画」に記載した通りの履行が義務付けられており、「信義に従って誠実にこれを履行するものとする」という業務委託契約書の精神とも乖離している。明らかな「契約」違反だと言わざるを得ない。計画の中身が大幅に変わった以上、当然契約書の変更手続きが必要になるが、それはいつ頃になるか。

 

●「整備基本計画」の中には例えば、「入口(エントランス)になるべく近い場所に休憩したり、談話したりできるスペースを確保し、喫茶や飲食可能なスペースを想定する」という記述がある。議会側の要望にもこの点は明記されていたが、今回その分はそっくり削除されている。高校生など若者世代が“駅前図書館”に望んだのは実はこうした「空間」の確保だった。市側も「駅前立地」に際し、当時盛んに“若者待望論”を喧伝していた。先の議員説明会で市側はキッチンカーなどで対応したいとしていたが、若者世代を裏切ることにはならないか。

 

●「新花巻図書館整備基本計画」は数年間の年月をかけ、市民説明会や試案検討会議、ワークショップ、パブリットコメントなど市民参画手続きを総動員し、所管部局の教育委員会議によって正式に議決された図書館建設の基本原則である。今回の大幅な見直しはこの原則を踏みにじる暴挙ー契約不履行、いや”民意”の無視とさえ言わざるを得ない。今日から4回にわたって開催される市民説明会で出た意見や要望などは今後、「整備基本計画」の中にどう反映されるのか。事実上、骨抜き状態になったこの基本計画をもう一度、策定し直す必要があると思うが、どうか。

 

 これに対し、梅原奈美・生涯学習部長ら市側は「整備基本計画の中に計画修正の可能性などについての言及があるので、現時点では業務委託契約書の変更は考えていない。ただ、民法上の問題が絡(から)むことも想定されるので、関係部局と協議したい。整備基本計画の再策定は考えていない。カフェスペースは確保し、キッチンカ―などが利用できるように電気配線を完備したい」と答えるに止まった。

 

 この日の参加者は市側が6人に対し、一般市民はたったの3人。地元選出の市議(2人)は姿を見せなかった。会場内には完成模型図が展示してあり、外堀を埋めるように「駅前立地」の既成事実を積み上げようとする魂胆がミエミエだった。お馴染みの”ガス抜き”(アリバイ作り)というやつである。花巻市政が始まって以来の大スキャンダルがますます、現実味を帯びてきた。なお、市民説明会は今後、14日(東和コミュニティセンター)、19日(なはんプラザ)、20日(石鳥谷総合支所)で順次開催される。時間はいずれも午後6時半から。

 

 

 

 

(写真は第1回目の市民説明会が行われた大迫会場。ご覧の通り、閑古鳥が鳴いていた=10月13日午後、大迫交流活性化センターで)

 

 

 

《追記》~AIさんに聞いてみた!?

 

 新花巻図書館の今回の計画見直しについて、AIさんの認識を聞いてみたら、こんな答えが返ってきた。

 

 「基本設計業務の契約書で『総事業費40億円』が明確にターゲットコスト(目標枠)として定められており、変更契約もなされていない場合、55億円での基本設計の提出は『契約違反(債務不履行)』または『設計業務の未完成』にあたる可能性が極めて高く、手続きとして妥当ではありません。発注者から合意(変更契約や指示書)を得ずに、設計者が勝手に予算を15億円も超過した設計を行うことは、設計契約における最も重要な制約条件を無視したことになります」