「ひとつの妖怪がイーハトーブを徘徊している。合併特例債という妖怪が」…図書館事業費の15億円アップ、「広報はなまき」にも未だに未掲載~「特段、隠そうとするつもりはなかった」(小原市長)!!??

  • 「ひとつの妖怪がイーハトーブを徘徊している。合併特例債という妖怪が」…図書館事業費の15億円アップ、「広報はなまき」にも未だに未掲載~「特段、隠そうとするつもりはなかった」(小原市長)!!??

 

 「ひとつの妖怪がヨーロッパを徘徊している。共産主義という妖怪が」(マルクス&エンゲルス『共産党宣言』)―。この有名な言葉のひそみに倣(なら)えば、いまの「イーハトーブ」はまさにタイトルのような佇(たたず)まいではあるまいか。「そこのけ、そこのけ。合特債(合併特例債)が通る」…「この紋所が目に入らぬか」と黄門様がかざす印籠(いんろう)じゃあるまいに、令和12年度で期限が切れる合特債が使えなくなったら、図書館建設は永遠にできなくなる。こんな“強迫”観念を植え付けようとするかのような言説がいま、まかり通っている。本末転倒とはこのことである。そもそも、「合特債」とは何なのか。

 

 「新市の一体性の確保と均衡ある発展」―。平成の大合併と呼ばれた全国的な市町村合併は1999(平成11)年から2010(同22)年にかけて行われ、新花巻市は2006((同18)年1月1日、旧花巻市と大迫、石鳥谷、東和の旧3町の「1市3町」を糾合して、誕生した。今年はちょうど、20周年に当たる。

 

 その際、国がその不均衡を是正するために打ち出したのが合特債という“大盤振る舞い”だった。事業費の最大95%まで借り入れができる上、返済時にはその70%が国から交付税措置(キャッシュバック)されるという有利な債権である。上田東一・前市政から財政運営の基盤を支えてきたが、新花巻図書館の想定外の事業費増に直面し、将来の財政見通しに大きな陰りが見えてきた。

 

 当市の場合、合併当初の発行可能額は389億6,820万円で、この20年間の発行総額(令和8度末換算)は321億1,670万円。東日本大震災の発生によって、発行期限が令和12年度(2030年)まで延長されたが、令和9年度以降の発行可能見込み額は68億5,150万円にまで圧縮されている。この間、上田前市政は総合花巻病院の移転・新築や駅橋上化(東西自由通路)、新図書館の駅前立地を3大プロジェクトに掲げ、そのほとんどを合特債と国庫補助に依存してきた。そんな折しも、市財政を直撃したのが、図書館にかかる概算総事業費が当初の39・9億円から一挙に15億円増の55億円に跳ね上がるという“青天の霹靂”(へきれき)だった。さらに、国庫補助の減額がこれに追い打ちをかけた。

 

 

●「39・9億円」の財源内訳は―。国庫補助(15億円見込み)、合特債(24・9億円で、うちキャッシュバック分が16・5億円、市の実質負担分が8・4億円)

 

●「55億円」の財源内訳は―。国庫補助(15億円見込み)、合特債(40億円で、うちキャッシュバック分が26・6億円、市の実質負担分が13・4億円)

 

 

 市側は概算総事業費の増額分を「1・37倍に抑制した」と強調しているが、合特債の充当分が15・1億円、市の実質負担分が5億円づつ、新たに増えたということになる。つまり、有利な財源である合特債の残額が減る一方で、逆に市民の税負担に直接、影響を及ぼす市側の持ち出し分が比例して、増加したことを意味する。この先には「(仮称)子育て複合施設整備事業」や「(仮称)産後ケア施設整備事業」など大型プロジェクトも控えている。果たして、残余は?

 

 「新花巻図書館複合施設整備事業構想」―。令和2(2020)年1月29日、議会や市民の頭越しに突然、いわゆる“住宅付き”図書館の駅前立地構想(上田“私案”とも)が天から降ってきた。「現時点では複合施設部分を除く、図書館本体部分の建設費は20億円強を見込んでいるところであり…」(令和2年3月開催の市議会3月定例会での市長演述)―。上田前市長は当時、こう胸を張ったが、寝耳に水のサプライズは上を下への大騒動になった。結局、1年も持たないうちにセールスポイントだった「住宅付き」と「50年間の借地権の設定」の部分は撤回を余儀なくされ、“儲かる”図書館という上田流「コスパ」図書館構想はあえなく頓(とん)挫した。と、その時は誰もがそう思ったのだったが…

 

 上田市政は就任2年目(平成28年)に策定した「花巻市立地適正化計画」の中で、新図書館の立地場所として「(病院跡地を含む)まなび学園周辺への移転・新築」を明記していた。宮沢賢治ゆかりの地であり、早池峰山を仰ぐという立地環境に加え、当該土地がすでに市有地化されているという「うってつけ」の場所に市民の関心が集まり、立地希望の署名数も6千筆を超えた。ところがどうしたわけか、上田前市政と後継の小原勝市政には「駅前立地」の旗を降ろす気配はみじんもなかった。そんな時期にまるで符節を合わせるように聞こえてきたのが「合併特例債」という“錦の御旗”の大合唱だったというわけである。

 

 「事業費が15億円もアップするという重大案件について、11月1日発行の広報『はなまき』にも、さっき配布されたばかりの市政懇談会の資料にも一切、記述がない。この件については、教育委員会議(9月25日)の最終議決を経たうえで、議員説明会(10月5日)、市民説明会(10月中に4回開催)の場でも説明がなされている。なのに、各戸配布の広報には掲載されていない。(この数字を)広く知られたくないというのが本音ではないのか。また、市民説明会に市長の姿はなかった。市民の知る権利を奪う“背信”行為だと言わざるを得ない」―。私は11月2日に開催された花西地区の市政懇談会の場で、こう迫った。

 

 これに対し、小原市長は「特段、隠そうとするつもりはなかった。広報は編集の日程があるので…。(市民説明会に出席しなかったことについては)担当部局が対応するのが適切だという私の判断だ」と語った。「その判断が間違っているのではないか」と詰め寄ると、「ご指摘ありがとうございます。今後に活かせる部分は参考にさせていただきたい」と答えるに止まった。「慇懃無礼」(いんぎんぶれい)とは、このことではないのか。"市民一丸”(選挙公約)が泣いている。

 

 折しも、永田町界隈では高市首相のG7(主要7ヶ国首脳会議)への欠席をめぐり、国内外から大きな批判が巻き起こっている。「官僚(外務審議官)の代理出席で十分」と開き直る姿勢も小原市長と瓜二つ。直前に公邸で“宴会”が開かれていたことも明らかになり、政権側は関係者に“かん口令”を敷くという前代未聞の措置に踏み切ったが、この一大椿事(ちんじ)が足元の光景に違和感なく、重なった。政治の世界では中央と地方を問わずに「口が裂けても言ってはいけない。言えない」―ことが付きまとうものらしい。いまに至るまでの図書館“迷走劇”が走馬灯のように頭の中をかけめぐった。

 

 上田“私案”が空中分解した際、有利な合特債を「病院跡地」に振り向けていたならば、より事業費を抑えることができたのではないか。そして、市民の多くが納得できるような“夢の図書館”がとっくに、お目見えしていたのではないか。病院跡地から「駅前立地」に計画変更した背景には一体、何があったのか。なぜ、行政トップとしての政治決断を行使できなかったのか…。小原市政は依然として、この辺の事情については石のように口を閉ざしたままである。

 

 「いちまーい、にまーい... 」(『番町皿屋敷』)―。お菊の亡霊が井戸の中で、夜な夜な皿の数をかぞえる“悪夢”にうなされた。「“住宅付き”図書館が約20億円で建つとするなら、今なら同じ規模の図書館が複数館できる計算になるじゃないか」。夢うつつの中で、こんなことをツラツラ考えているうちにバタンキュ―したらしい。「毒を食らわば、皿まで」。夢枕に立った背後霊の声にハッと目覚めた。このところどうも、心身ともに不安定な日々が続いている。

 

 

 

 

 

(写真は市政懇談会が開かれた会場=11月2日午後、花巻市南万丁目の保健センターで)

「”図書館”戦争」余話…「隠(かく)す」あるいは「騙(だま)す」という習癖、そして”猜疑心”ということについて~「ブルータス、お前もか」!!??

  • 「”図書館”戦争」余話…「隠(かく)す」あるいは「騙(だま)す」という習癖、そして”猜疑心”ということについて~「ブルータス、お前もか」!!??

 

 「会議録の改ざん(削除)や新図書館にかかる概算事業費の財源の不透明性…」―。長年にわたり、“図書館”戦争の渦中に身を置いてきたせいか「役所とは都合の悪いことは、ひたすら隠す集団ではないのか」という“猜疑心“(さいぎしん)に苛(さいな)まれるようになった。不本意にも“疫病神”に憑(と)りつかれたようないや~な気分である。

 

 執行部とグルになった福岡県議会のあの乱痴気“海外視察”(旅行)の炎上ぶりを見ているうちにまた、疫病神が騒ぎ出したようである。というわけで、当市(旧石鳥谷町)と米ラットランド市との姉妹都市提携40周年を記念した公式訪問団(10月6日~同11日)のメンバーや旅費の内訳などについて、文書開示請求をしてみた。

 

 「花巻市一般職の職員等の旅費に関する条例」(第18条)には「外国旅行の旅費については、国家公務員の例による」とあり、その根拠法は「旅費法」(「国家公務員等の旅費に関する法律)である。今回の公式訪問団は9人で構成され(うち、1人は自費参加)、市長と市議会議長、教育長の旅費総額は990,845円から996,665円、その他のメンバー(7人)は586,727円から637,267円となっている。断っておくが、私は金額の多寡(たか)を問題にしているのではない。

 

 算定根拠となる「旅費法」は2024(令和6)年、75年ぶりに大改正され、翌年4月1日から全面施行された。主な改正点は①宿泊費が従来の「定額制」から「上限付き実費精算」へ、②「包括宿泊費(パック旅行)」の新設、③「日当」の廃止と「宿泊手当」への再編―などだが今回の開示文書によって、すでに廃止になっている「食卓料」など改正前の旅費法がそのまま適用されていることが明らかになった。

 

 

 ところで、新花巻図書館の蔵書数が今回、70万冊から40万冊に削減された根拠について、市側は「花巻地域の令和12年の目標人口62,029人をもとに再考した」としていた。ところが、市側の統計資料(人口ビジョン)によると、同年の数値は60,289人となっており、「1,740人」の誤差が生じていることも明らかになっている。私が憂慮するのはこうした基本的な誤謬(ごびゅう)に対するリスク管理の欠如についてである。

 

 “図書館”戦争に従軍して以来、“のり弁”(黒塗りの非開示公文書)は飽きるほど食わされてきたので、慣れっこになっていたつもりだったが、今回の公費出張者の中に黒塗りの人物をひとり発見してビックリ。資料によると「通訳」として同行したらしいが、同じ公費出張なのになぜ、この人だけ名前を伏せる必要があったのか。仙台市は10月26日付のHP上で「市長の海外出張費が高すぎるのではないか」という市議会側の指摘を受け、その内容を初めて公開した。パリ視察(3回)の際の通訳料は計151万5,360円。その意外な高額さに驚いた。税金を充当する以上、その点についても明らかにすべきではないか。

 

 

 

 

 

 

(写真はラットランド市役所=議会内で記念写真の収まる訪問団の一行=市HP上に公開された写真から)

 

 

 

《追記ー1》~肝心の概算事業費はスルー!?「ブルータス、お前もか」…当局側の“忖度”機関と堕した教育委員会!!??

 

 「できるのが楽しみです」(N委員)、「早く建設してほしいということですね。他にございませんか。 それでは、質疑を打ち切ってよろしいでしょうか」(佐藤教育長)―。新花巻図書館の「設計に関する」議員説明会や市民説明会(10月中に4回開催)で、市側が「(市教委の)了承を得た」という、その会議録(9月25日開催)の内容が市HP上に公開された(29日付)

 

 眼を皿にして読み進んだが、当初の約40億円から15億円アップの55億円に膨れ上がった概算事業費についての説明は一切なかった。市民が大きな関心を寄せているこの問題にソッポを向くとは。まさに、納税者たる市民をあざむく“背信”行為ではないか。出席者は佐藤勝教育長ほか5人の委員。2人が財源や蔵書などについて質問しただけで、あとはご覧のようにシャンシャン。これが所管部局の「了承」の裏舞台である。「ブルータス、お前もか」…

 

 

 

《追記―2》~海外出張の具体的な成果とは?

 

 「普通の市民」を名乗る方から、以下のようなコメントが寄せられた。私自身、記者会見の場の報告だけで済ませようとするやり方に違和感を覚えていた。

                          

                            ※

 市の定例記者会見で市民訪問団が米国ラットランド市を訪問したことが報告されています。会見資料によれば、市長、議長、教育長が市役所、学校、博物館を訪問していて、このブログ記事からそれぞれ百万円近くの旅費がかかっているようですが、その訪問の成果をどのように花巻市で活用するかまとめがないといけないと思います。そうでないと単なる観光と何が違うかわかりません。

 

 また、「両市長によるスピーチ、記念品贈呈、元派遣生によるスピーチなどが行われ、これまでの友好の歴史を振り返るとともに、現在行われている青少年交流の重要性と今後の更なる交流の充実を再確認しました」とありますが、単なるパーティ出席にしか見えませんし、現在行われている交流がどのように重要なのか、改善点はないのか、といった意見交換の結果が示されていませんので、こんなに高額の公金での出張の妥当性が見えてきません。仙台市長は高額の海外出張の批判を受けて、市HPでその内容と成果、出張旅費を公開し始めました。花巻市も同様の公開が必要だと思います。
  
  

 

 

 

 

 

 

 

 

開けてビックリ…図書館事業費の市負担分が一挙に5億円増の13・4億円に~市側はこの数字を詳(つまび)らかにせず~駅橋上化を含めると、100億円超の投資か、果たして活性化効果は!!!???

  • 開けてビックリ…図書館事業費の市負担分が一挙に5億円増の13・4億円に~市側はこの数字を詳(つまび)らかにせず~駅橋上化を含めると、100億円超の投資か、果たして活性化効果は!!!???

 

 「55億円の総事業費に占める市負担分、つまり私たち納税者に直接、かかわる部分は…」―。新花巻図書館の「設計状況」についての市民説明会(10月13日、14日、19日、20日)で相次いだのが、この素朴な質問だった。市側はその都度「市民に負担がかからないよう財源確保に努めたい」と答えるに止まった。よほど、表には出したくない数字だったのだろう。今回の計画見直しでは蔵書数(30万冊減)や床板面積(300平方メートル減)などが縮小されたのに対し、概算事業費は逆に当初の39・9億円(約40億円)から55億円に膨れ上がった。市側がこれまで説明してきた財源のスキーム(国庫補助と合併特例債)に沿って、その内訳のシミュレーションを以下に示す。

 

 

●39・9億円~国庫補助(15億円)、合併特例債の交付税措置(16・9億円)、市の実質負担(8・4億円)。「ざっと40億円もの大事業がわずか、8億円余りの市負担でできる。国の補助制度を上手に活用した成果だ」と上田東一・前市長は胸を張った。さて、「55億円」を電卓に入力してみた。開けてビックリ、玉手箱…

 

●55億円~国庫補助(15億円)、合併特例債の交付税措置(26・6億円)、市の実質負担(13・4億円)。つまり、全体で15億円増のうち、三分の一の5億円が市の実質負担分(市民の税負担)として、上乗せされる可能性があるということである。

 

 

 市側は概算事業費の増額(55億円)を1,37倍に「抑制した」と強調するが、逆に市の実質負担分(13・4億円)が当初の8・4億円に比べて、1,6倍も「増える可能性がある」ということについては、どう説明するのか。さらに、今回の説明資料には「整備にあたり、国の補助金を活用」と明記されている。ところが、令和8年度分の補助金(「都市構造再編集中支援事業費補助金」)は約4・4億円の要望額に対し、約1・6億円の交付に止まっている。今後も減額傾向は続くとみられているが、今回の市民説明会の場でもこうした肝心な「数値」は伏せられたままだった。

 

 “5億円”事件をふと、思い出した。2024(令和6)年3月22日、花巻市議会で開催された議員説明会は物々しい雰囲気に包まれていた。入り口には職員が立ちはだかり、私たち傍聴希望者だけではなく、マスコミ関係者の入場も阻(はば)まれた。前代未聞の「非公開」のこの場では、総合花巻病院への5億円の財政支援についての案件が説明されていた。2年前にオープンした同病院に対し、市側は当初約20億円の補助金を提供したが、経営難からさらに5億円の追加支援を要請され、直後に開かれた市議会臨時会で即決された。

 

 「市民の皆さん、花巻病院の案件で議会のライブ中継が始まっています。すごい内容になっています。病院の経営状態に無関心ではいられない内容です」、「税金の“私物化”ではないでしょうか。民間の病院に多額の税金をつぎ込むことにはもう少し、慎重であるべきでは」…。議会中継を見たある市民はさっそく、X(旧ツイッタ‐)にこう書き込んだ。当事者であるベテラン議員も「議会の当日にいきなり、議案が提出されても精査する時間すらない」「まるで、”ガス抜き”みたいな雰囲気だった」と不満をぶちまけた。

 

 「5億円」という同額の数値は単なる偶然だとしても、私はそれをひた隠しにする行政の姿勢に同根の”病癖”(びょうへき)を感じた。地元紙の岩手日報はこうした手法を手厳しく批判した。「後顧の憂(うれ)いを断つ」という意味で、以下に転載する。

 

 「…急転直下の臨時議会前、内容が告知されないまま開かれた市議会議員説明会は非公開。密室で議論がほぼ尽くされたのか、その後の議会は淡々とした説明になった。24年度は長年懸案とされてきた新図書館建設候補地の選考について、重要局面を迎える。今回の市当局の対応は、市政課題への姿勢に疑問を残した。財源を生かした大胆な政策は必要だが、市民への説明責任を怠ってはならない」(2024年3月29日付)

 

 私は当時、非公開になった議員説明会での説明資料と会議録の写しなどの文書開示請求をしたが、結果はいずれも「非開示」と「不存在」。あの時からわずか2年余り…今度は10月5日開催の議員説明会における会議録の録音記録の開示請求(10月20日付当ブログ「追記―1」参照)をしたが、これまた「不存在」だった。新花巻図書館にかかわる予算審議はこれから、本格化する。“5億円”事件の教訓を無駄にしないためにも、当局と議会とが互いに監視し合うという「二元代表制」の確立と、さらにその制度を監視するという“市民の眼”が試されることになる。

 

 

 

 

 

(写真は新図書館の「設計」に関する説明資料から)

 

 

 

《追記ー1》~スクラップ・アンド・ビルドの徹底

 

 「1人の市民」を名乗る方から、以下のような長文のコメントが寄せられた。早くも「13・4億円」ショックの到来か。HPの記事を一読して、私も「これは納税者たる市民への宣戦布告ではないか」と憤(いきどお)りを感じた!!??

 

※

 

 市のHPに公表された「令和9年度予算編成方針について」では本市の財政について、「財政の硬直が進んでいる。公債費は図書館整備事業等の大型事業開始に伴う市債の発行や近年の金利上昇の影響に伴い増加していく見通しである」と記し、新花巻図書館の事業費が55億円へ増加することで、更に借金返済が苦しくなることを含意している。一方で、「スクラップ・アンド・ビルドの徹底」として、「コスト意識を持って既存の各種施策についても徹底的な見直しを行い」と記載していることから、市民に直結する各種事業を徹底的に見直す姿勢が示されている。高額な新図書館など大型事業のおかげで市民生活を支える普通の事業が削減されることが懸念されている。

 

 なお、「スクラップ・アンド・ビルドの徹底」のところには「なぜその事業が必要なのか、経費の必要性について責任を持って市民に説明できるよう」とあるが、新図書館整備の説明会の様子からはそのような説明責任は窺い知ることができない。ダブルスタンダードという他ないように思える。

 

 

 

《追記―2》~プロパガンダとは!?

 

 「Gemini」を名乗る方から、次のようなコメントが届いた。「なるほど」と納得した。

 「プロパガンダ(Propaganda)とは、特定の思想・世論・意識・行動へ誘導する意図を持って行われる宣伝活動の総称です。主に政治的・宗教的な目的で大衆を操作・説得するために用いられ、情報の一部を誇張・歪曲したり、都合の悪い事実を隠蔽したりする特徴があります。(例:新花巻図書館の事業費が55億円に増加しても市は1.37倍に抑制したと広報。でも、市の負担(市民の負担)が1.6倍になるということは広報しない)」

 

 

 

《追記―3》~「あり得な~い!」

 

 「市政堂」を名乗る方から、こんなコメントが届いた。なんか、炎上気味の気配が漂ってきた。「事業費がはね上がって、国からの補助金もどうなるか先行き不透明。それでも『市民に負担がかからないように財源確保』って可能なの?執行する側の皆さん、その言葉にちゃんと責任取ってください!」

 

 

 

《追記―4》~「病院跡地」との事業費比較をしてみたら、こっちの方が5億円の割安に

 

 候補地比較検討時の概算事業費は「駅前」(39・9億円)に比べて、約3・6億円も安い(36・3億円)うえにすでに市有地化されており、新たな土地取得は不要。その財源内訳は国庫補助(15億円)、合併特例債の交付税措置(14・1億円)、市の実質負担(7・2億円)。駅前と同じように事業費が1・37倍に増えたとすると、ちょうど50億円となり、それでも5億円の割安になる。病院跡地への立地を求める署名が6千筆を超える中、なぜ市側はこれほどまでに「高い買い物」にこだわり続けるのか。謎は深まるばかりである。

 

 

 

《追記―5》~花巻駅前への市の投資

 

 追記―2の投稿者と同じ「Gemini」を名乗る方から、「駅前」開発にかかる投資効果についての綿密な分析が届いた。なかなか見えにくい部分なので、とても参考になった。そういえば、年間80万人の「交流地」人口増という大風呂敷を広げた総合花巻巻病院の総総事業費は約87億円(うち2年前の5億円を含め、当市の総支援額は約25億円)に上る。病院経営が綱渡りを続ける中、周辺の中心市街地は「80万人」どころか、閑古鳥が鳴いている。二の舞にならなければ、良いが…

 

※


 「公表されている現時点でのJR花巻駅橋上化・東西自由通路整備事業費は44.4億円。基本設計時から5.4億円の増。新花巻図書館整備事業は当初の予想より15億円増の55億円。これら2事業の合計は99.4億円。新花巻図書館整備基本設計から実施設計へ仮に同じ5.4億円増となると全体事業は104.8億円」

 

  「花巻駅周辺の不動産評価と関連税収を総体で100億円以上増加させる効果がないと、投資したお金は関連業者の収入だけに終わることとなる。花巻駅周辺への投資額がこのような多額になることが判明した現時点で、この多額な投資が花巻市全体にどのような利益をもたらすことになるのか―ステークホルダーたる市民の議論が必要。特に合併に伴う行政需要の増を保障する合併特例債の使用には十分な検討が必要。花巻駅と周辺の100億円を超えると思料される投資が花巻市全体にわたる効果の検証が必要」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「宮沢賢治」はどこへ行った…「Ihatov Library」の夢、無惨~あぁ、「貧すれば、鈍(どん)する」~行政への信頼性が失墜!!??

  • 「宮沢賢治」はどこへ行った…「Ihatov Library」の夢、無惨~あぁ、「貧すれば、鈍(どん)する」~行政への信頼性が失墜!!??

 

 「図書館問題が10年以上にわたって、迷走を重ねた背景にはそもそも『図書館とは何ぞや』という理念がなかったからではなかったか」―。新図書館の設計状況の見直しに関する最終回の市民説明会で、私は総括的な問いかけをした。さて、プレイボール後の第1球目は「宮沢賢治はどこへ行った」。私自身がその実現に夢を持ち続けてきた執念の“一球入魂”である。

 

 「特に宮沢賢治に関する資料については、今後出版される資料はもちろん、未所蔵で購入可能な資料は古本も含め積極的に収集。宮沢賢治専用のスペースを設けることを検討します」―。「新花巻図書館整備基本計画」(令和7年5月19日)にはこう明記されている。ところが、今回の設計見直しの資料にはそのスペースが見当たらないではないか。「賢治の世界観が分かるような具体的なイメージを示してほしい」と求めると、市川清志・元生涯学習部長はこんな風に答えた。

 

 「2階のティーンズエリアに若い世代が『賢治』を感じるような、例えば『銀河鉄道の夜』をイメージできる空間を設けたり、随所に“賢治色”を散りばめたい」。食い足りないと思った私はさらに問うた。「賢治に特化した図書館をつくることができるのは花巻だけ。アフガンでテロの凶弾に倒れた医師の故中村哲さん(享年73歳)の愛読書は『セロ弾きのゴーシュ』で、遺作のタイトルはズバリ『わたしは「セロ弾きのゴーシュ』。賢治の影響を受けて、人生の岐路を決めた著名人はキラ星のごとくにいる。このように、賢治という巨木から枝分かれしていった“賢治人脈図”のようなものを展示してはどうか」―。二人の問答はさらに、以下のように迷走した。

 

 「その種の企画展示は考えてみたい…」(市川元部長)、「現在、イーハトーブ館で『世界で読まれる賢治文学―翻訳からみる受容の拡がり』(2027年2月15日まで)という企画が行われている。賢治作品の翻訳数は日本一とも言われる。インバウンドを喚起するためにも一切合財を収蔵する考えはないか」(私)、「できるだけ…」(市川元部長)。少し、イラっとした私は第2球目を投じた。今回、計画見直しの中で新しく登場したコンセプト「新たな/あかり/ともす/広場」―についてである。

 

 「大変失礼な言い方だが、このコンセプトにはまったく、心が響かなかった。その没個性に驚いた。これはどのような経緯で作られたのか」(私)、「基本・実施設計を委託する際、その選定副委員長だった吉成信夫さん(みんなの森 ぎふメディアコスモス・元総合プロデユーサー)から助言をいただき、我々図書館問題にかかわる職員で考えた」(市川元部長)、「当市の図書館事始めは14年前、市民有志が結集した『花巻図書館整備市民懇話会』が発した『知の泉/豊かな時間(とき)/出会いの広場』という言葉に凝縮されているのではないか。こっちに変えるつもりはないか。ぜひ、そうしてほしい」(私)、「あれはキャッチフレーズで、コンセプトとは言えない。ご意見として承るが、変えるつもりはない」(市川元部長)…

 

 「又三郎シャフト」―。吉成さんら選定委員会(6人)によって、設計業務の受託業者に選ばれたのが今回、設計の見直しをした「昭和設計・tデ・山田紗子建築設計事務所共同企業体」だった。公開プロポーザルの際、新図書館の空調ダクトに賢治を冠して、こう命名していたのをふと、思い出した。先が思いやられるとその時は正直、そう思った。同共同企業体がいま、目指しているのが図書館と利用者を結ぶ「市民ライブラリアン」構想。こっちは必ず、実現するとのことだったので、少し肩の荷が下りた。

 

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

 「日ハ君臨シ/カガヤキハ/白金ノアメ/ソソギタリ/ワレラハ黒キ/ツチニ俯シ/マコトノクサノ/タネマケリ」(「花巻農学校精神歌」)―。いまから104年前、当時稗貫農学校(現花巻農業高校)の教師だった賢治は校歌を持たなかった生徒たちにこの歌を贈った。降り注ぐ陽光の下、大地に這いつくばるようにして「マコトノクサノタネ」の一粒一粒を蒔(ま)く産土(うぶすな)の光景が目に浮かぶ。「どっどど/どどうど/どどうど/どどう/青いくるみも吹きとばせ…」。風の又三郎(賢治作品)が歌うあの呪文のような旋律が頭上をす~っと、通り過ぎたみたいだ。「図書館はやっぱり、精神歌が産声をあげたここ(現花巻病院跡地)しかない。風の神たちを駅前のハコモノ図書館の空気の通り道に利用するなんて。それだげは止めでけれじゃ…。こんな声が銀河の彼方から降ってきた」

 

 ちなみに、アイヌ語では「風」のことを「reraーkamuy」(風の神)と呼び、夕方に突然風が吹き止む「夕凪」(ゆうなぎ)ことを、「rera(風が)onuman(夕方に)ipe(食事する)」と表現する。「風だって、吹きまくっていたのでは腹も減るべじゃ」ー。アイヌ古老のこの言葉が頭にこびりついている。そう、アイヌにとっても賢治にとっても「風」は「神さま」そのものなのである。恵みを与えてくれたと思ったら、台風を引き連れてくるー「おっかない」存在としての…

 

 

 

 

(写真は市議4人を含め、総勢15人が参加した石鳥谷会場=10月20日午後、石鳥谷町八幡の市石鳥谷総合支所で)

 

 

 

《追記ー1》~開示請求文書は不存在!

 

 10月5日に開催された新花巻図書館の「設計状況」にかかる議員説明会について、その録音記録の開示を16日付で請求していたが、21日に「不存在」の連絡があった。「当該録音記録については、担当者の会議録作成時における確認用資料として録音していたものであり、会議録の作成及び10/16市HPへの公開が完了したことから削除しております」という理由が書かれていた。

 

 説明会を傍聴した私は以下の理由から、その証拠となる録音記録(電子媒体)の開示請求をしていたが、その経緯を次に再掲する。「懸案の『喫茶・飲食』スペースについて、私はその際の蛭田健次・建設部長の発言メモを元に『今回、見直しされた基本計画(図)の中にその存在を明示する記述がないこと』―を問題視した(13日付当ブログ参照)。ところが、この日(16日)公表された会議録には建設部局トップの「蛭田」発言そのものがそっくり、削除されていた」―。当今、霞が関界隈でも「予算カット」問題をめぐって、証拠メモの存否が話題になっているが、おそらくどちらもウソであろう。

 

 

 

《追記ー2》~片や、“見切り発車”のオンパレード!!

 

 このほど開催された新花巻図書館の「設計状況」にかかる市民説明会が紛糾を見せる中、受託業者の「昭和設計・tデ・山田紗子建築設計事務所共同企業体」が10月22日に開催される第28回図書館総合展(運営委員会主催、パシフィコ横浜)で事例発表することが分かった。同共同企業体はすでに建築・デザイン雑誌「GAJAPAN」が主催する「設計プロセス展」(9月26日~12月20日)にも出品している。“外堀”が着々と埋め尽くされつつある。

 

 

 

《追記―3》~素朴な疑問

 

 「誤政道」を名乗る方から、以下のようなコメントが届いた。「滅茶苦茶(めちゃくちゃ)でごじゃりまするがな」―。大正・昭和期の漫才師で喜劇俳優、花菱アチャコのギャグが口から飛び出した。それにしても、こっちもいい歳(とし)だなぁ…


 

 「録音記録は『削除』したから結果として『不存在』になったわけだけど、紙媒体文書のように保存期限は定まっていないものなのかなあ?あと、基本設計業者はどの程度の完成品かわからないけど、議員や市民に成果を説明する前に展覧会に出展していたんですね。市民の意見を聞いて作ったとされている新花巻図書館基本計画からスペックは下がり、事業費は15億円増えている内容がどんな風に展示されたのか興味あるけど、花巻じゃなくて東京では行って見るのもできないしね。もしかしてそれが(以下、自粛)?」

 

 

 

《追記》~数字の「魔術師」ならぬ、数字の”詐術師”…行政への信頼性は一体、どこに!?

 

 今回の新花巻図書館の設計見直しの中で、蔵書数が当初の70万冊から40万冊に削減された根拠について、市側は「花巻地域の令和12年の目標人口62,029人をもとに再考した」としていた。ところが、市側の統計資料(人口ビジョン)によると、同年の数値は60,289人となっており、「1,740人」の誤差が生じている。一方、新図書館が1市3町の「中央館」に位置づけられているにも関わらず、なぜ全市の人口を対象にしなかったのか。「分館がある旧3町は最初から、“蚊帳の外”だったのでは…」―。周辺地区からはこんな“恨み節”も聞こえてくる。今回の市民説明会のへの旧3町の参加者が極端に少なかったことがそれを裏付けているのかもしれない。

 

 議員説明会における会議録の「不存在」に次ぐ、今回の行政サイドの不手際に思わず、ため息がもれた。図書館の心臓部を形成する蔵書数…それを算定する際の基礎データが間違っていたというから驚きを通り越して、不信感が募った。行政への信頼性を失わせる深刻な事態である。「駅前立地」に対して、多くの市民が抱く疑念の数々もこうした花巻市政の”ぬるま湯”体質に向けられているのかも知れない。一方で、”駅前図書館”に対し、最終的にゴーサインを出した対話型「市民会議」(75人)の実態はどうだったか。全4回の会議にすべて参加した人はわずか42人。なんと6人は全休だった。統計学上の有意性を無視したこの数値に対し、市側は現在に至るまで「ノーコメント」を貫き通している。数字の「魔術師」ならぬ、数字の“詐術師”!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

「勇気ある撤退を」…新図書館の設計に関する市民説明会~花巻会場にはなんと、立ち見が出るほどの50人超が参集~「原点」回帰を求める声も!!??

  • 「勇気ある撤退を」…新図書館の設計に関する市民説明会~花巻会場にはなんと、立ち見が出るほどの50人超が参集~「原点」回帰を求める声も!!??

 

 「いまこそ、勇気ある撤退(決断)を」―。新花巻図書館の設計の見直しにかかる市民説明会が19日、立地が予定されているJR花巻駅前のなはんプラザで開かれた。大迫と東和の両会場を合わせた参加者がわずか6人だったのに対し、この日は立ち見が出るほどの50人以上が参集、関心の高さをうかがわせた。質疑応答は2時間を超え、10数人がこれまでの経過や今後の展開などをただした。こんな中、「質問したい人はたくさんいる。一人で時間を独占しないでほしい」などとヤジが飛び交うほどの熱気に包まれた。

 

 「概算事業費が当初の40億円に比べて、15億円も増えた。途方もない数字だ。財源はどこから引っ張り出すのか。市民の負担増につながらないか」「そもそも、(花巻)病院跡地への立地を口にしたのは、市側ではなかったのか。その後、駅前立地に変更した理由をきちんと説明すべきではないか」「事業費の上振れがはっきりした以上、すでに市有地化され、駅前に比べて3・6億円も安くつく病院跡地への立地を再検討するのが市政運営の基本ではないのか」「(宮沢)賢治の専用コーナーを設置するというのが謳い文句だったはずだ。今回の説明資料のどこを見ても賢治さんの顔が見えてこない」「駅橋上化との相乗効果をどう考えているのか」「この際、原点に立ち返り、病院跡地への立地という勇気ある撤退というか決断をすべきではないか」…

 

 これに対し、市側は「今後、国庫補助(15億円を想定)の減額も予想されるが、あらゆる財源を精査し、市民の皆さんにご迷惑をかけないよう努力したい。賢治コーナーについてはその多面性を考慮し、どの世代の人たちにも『賢治』を感じることができるように配慮したい。カフェと飲食コーナーを望む声が多いのは確かだが、市営ではできないので、やってくれる人がいれば…」―などなどあらゆる局面で後退姿勢が目立った。

 

 「15億円の事業費増と300㎡に及ぶ床板面積の縮小、30万冊の蔵書減はいずれも図書館建設の心臓部に当たる。今回の見直しは基本・実施計画を受注した設計グループと市側との間で締結された業務委託契約を大きく逸脱する内容で、法律(民法)的には契約不履行に相当するのではないか。契約を変更すべきだと思うが、どうか」―。私がこうただしたのに対し、高橋信一郎生涯学習課長(新図書館整備室長)は以下のように答えた。

 

 「お話しにあったような事業費増など3点が法律に抵触するかどうか、現在、弁護士と協議中である。もし、その必要がある場合は業務委託契約の変更はあり得る。ただ、契約の元となった『新花巻図書館整備基本計画』は議会や教育委員会議の議決を経たものなどで、変更はあり得ない」―。法律上、看過できないの問題が浮上しつつある一方で、一連の「市民説明会」なるものが“駅前図書館”を既成事実化するという市側の意図がますます、鮮明になってきた。なぜ、こうした”綱渡り”のような強硬路線を突っ走ってきたのか。その背後には駅橋上化事業と合わせると100億円以上に上る”利権”に群がる黒い影が……

 

 そもそも、「40億円」規模の図書館建設について、受託者側と業務委託契約を締結したのはまだ1年にも満たない今年1月7日。市側の見通しが甘かったという批判は甘んじて受けなくてはなるまい。「勇気ある撤退」ー。私はこの冒頭の言葉に胸を突かれた。あの未曽有の戦禍をもたらしたアジア・太平洋戦争を当時の軍部が止められたのもひとえに、この「勇気」がなかったからだと思うからである(敗戦記念日の8月15日付当ブログ「映画『開戦前夜』と戦後81年」を参照)

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真は50人以上の参加者であふれた会場(10月19日午後、花巻市大通りのなはんプラザで)