まんだら塾 - 通信
◇まんだらの世界の民話
まんだらの里は山の中の小宇宙
―「まんだらの世界の民話」のプロローグから―
「白鷹山(虚空蔵山)」
置賜・村山両郡の境にあり、大山なり。堂は置賜郡にあり。北のふもとは村山郡畑谷村なり。その北の両方に大峰あり。俗に機巧森(はたしもり)と呼ぶ。一に黒森とも言う。
西は胎蔵界を表し、東は金剛界を表し、容相同じと言えり。この所、置賜郡に通ず。俗に境の虚空蔵という。
宝暦十二年(1762)に書かれた「出羽国風土略記」を補う目的で、寛政四年(1792)筆写された「けい補出羽国風土略記」にはこのように書かれてある。
胎蔵界と金剛界、両界まんだらの世界がここに存在したことをはっきりと示している。
山のてっぺんのまんだら世界。
ここは、
山姿秀麗(さんししゅうれい)なる山そのものが神仏である。
森々たる風物一つに精霊神怪がこもる。
ここには、
狩猟、採取の暮らしを護り、
衣食住の材料を与え、
灌漑水をもたらし、
風雨を支配する
山の神や水の神が鎮もる。
こここそは、
山に生きる者たちの共有の郷。
周りに住む人たちの原風景たる地文。
これは、神仏も人間も、動植物も共存している山里まんだらの物語である。
烏兎沼宏之『まんだら世界の民話』筑摩書房1988より
塾長記
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メモ
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◇まんだらの世界の民話
]
まんだらの世界の地図
烏兎沼氏によれば、
―白鷹山と東黒森山の山頂を線で結んで延長すると雷山(いかずちやま)につき当る。今度は、白鷹山と西黒森山の山頂を結んで延長すると、不思議なことに三宝荒神のある丸森山にぶつかる。白鷹山から雷山まで約4850メートル、白鷹山から丸森山までも約4850メートル、ほとんど同じと言ってよい。雷山と丸森山の間は約2750メートル、これを直線で結ぶと、きれいな二等辺三角形が描かれる。雷山と丸森山のちょうど中間点に印をつけてみると、虚空競(平林山)の南側中腹にある勢至堂に重なる。(中略)雷山から神山までも約4850メートル、丸森山から神山までも約4850メートル、全く同じである。白鷹山から神山までの直線距離は、約、9300メートルである。こうして実にみごとな菱形図形が地図上に出現したのである。(中略)そして、作谷沢地区の神社仏閣と民家が全てこの菱形の中に存在し、菱形の四つの辺がこの世とあの世を区別する境界となっている。―
この菱形の中心部の勢至堂は作谷沢小中学校や、公民館(ふれあい自然館)の辺りである。
小さな村にしては異常な数の宗教遺蹟が多く、中世以前は修験道、中世以降は庶民信仰の里として位置付けられた、いわば聖域、祈りの里だった。
塾長記
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メモ
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◇まんだらの世界の民話
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「白鷹山(虚空蔵山)」
置賜・村山両郡の境にあり、大山なり。堂は置賜郡にあり。北のふもとは村山郡畑谷村なり。その北の両方に大峰あり。俗に機巧森(はたしもり)と呼ぶ。一に黒森とも言う。
西は胎蔵界を表し、東は金剛界を表し、容相同じと言えり。この所、置賜郡に通ず。俗に境の虚空蔵という。
宝暦十二年(1762)に書かれた「出羽国風土略記」を補う目的で、寛政四年(1792)筆写された「けい補出羽国風土略記」にはこのように書かれてある。
胎蔵界と金剛界、両界まんだらの世界がここに存在したことをはっきりと示している。
山のてっぺんのまんだら世界。
ここは、
山姿秀麗(さんししゅうれい)なる山そのものが神仏である。
森々たる風物一つに精霊神怪がこもる。
ここには、
狩猟、採取の暮らしを護り、
衣食住の材料を与え、
灌漑水をもたらし、
風雨を支配する
山の神や水の神が鎮もる。
こここそは、
山に生きる者たちの共有の郷。
周りに住む人たちの原風景たる地文。
これは、神仏も人間も、動植物も共存している山里まんだらの物語である。
烏兎沼宏之『まんだら世界の民話』筑摩書房1988より