気密の話その3

今回は、熱気球と気密のお話です。


熱せられた空気の膨張は非常に大きく、熱気球は、空気の膨張だけで空高く舞上がり
ます。

住宅も暖房をすると同じように室内の空気が膨張します。

前の基準で示されたⅢ~Ⅴ地域の基準値、気密性能C値=5C㎡/㎡の場合を想定して
みると、熱気球に1㎡当たり5C㎡の穴が開いていると考えます。暖められた空気は、
その穴から漏気(漏れ出す空気)して、熱気球はとても飛び立つことは出来ないでしょ
う。

住宅の場合も全く同じでように、暖められた室内空気がかなりの力で隙間から壁の中
を通って外に逃げて行きます。

グラスウールなどの繊維系の断熱材が使用されている場合は、室内の暖湿気が壁の中
に侵入して外気に冷やされ壁体内結露を発生させます。

冬型の結露は、熱気球の原理で起こる!



逆に、熱気球のように住宅の気密性能が高ければ熱せられた空気は無駄に逃げていかな
いので暖房熱の供給量が少なくても壁や床・天井が輻射熱で暖められ寒さを感じないの
で、20℃前後の温度でも全館を暖めることが可能になります。

ますます気密は大事ですね!!
2013.11.17:m-seino:[清野 光芳/レポート集]