気流のお話

今回は気流のお話です。

 

外気の移動する早さを風速というように、室内での空気が流動する速さを気流といいます。気流はドラフトともいわれ、断熱性能が不良な場合、冬の窓辺などで外気に冷やされた空気が下方にスーと流動する現象がありますが、これをコールドドラフト現象といいます。これを防ぐために高性能な開口部が要求されます。室内の気流は、0.5m/s以下に押さえる指定されていますが、実際には0.2m/sぐらいで肌に気流を感じます。夏は逆に、気流がないと体の表面に汗の蒸気が飽和状態になって空気の層が出来て、汗が蒸発しにくくなり不快感を感じてしまいます。夏は気流があると同じ温度でも涼しく感じます。

 

気流の理想的な分布

気流がなければ、発汗によって体の表面で飽和状態になっている水蒸気が層になって人体を取り囲み、いくら相対湿度が低くても、不快感を感じています。室内には適度な気流を作り、人体から発生する熱や水蒸気を適度に動かす必要があります。気流分布で大切なことは、人が風力を感じない程度の気流が、建物全体及び部屋のすみずみまでいきわたるようにする事です。人が感じる速さの気流が直接人に当ると、冬は隙間風のような寒さや、風の流れを感じて不快感の原因となります。空調機の吹き出し口、吸い込み口の位置や部屋の開口部の位置なども影響するので、理想的な気流分布を検討する事も大切な事ですね。

 

2018.08.05:m-seino:[清野 光芳/レポート集]

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