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不快指数と体感温度

毎日むしむしして、すっきりしない日が続いていますね。

この時期ですから仕方ありませんが、今晩も、かなり湿度が高く寝苦しい夜になりそうです。

そこで今回は、不快指数について考えたいと思います。

不快指数とは、

簡単に言うと気温が高いときに人が感じる蒸し暑さ、すなわち不快感を表す指数のことだそうです。



不快指数を考えるには、まず体感温度の話をしなくてはなりません。

体感温度とは、まわりの温度が、体温よりも低ければ、人体との空気の間に温度の差

生じるので、対流による熱の発散が行われます。空気温度が、低いときには、まわりの

壁や床の表面温度も低くなるので、輻射による熱の発散も行われ、実際温度よりも低温

に感じます。これが冬の寒さです。逆にまわりの空気の温度が体温に近くなると人体と

の温度差が小さくなり対流や輻射による熱の発散が十分に行われなくなりますが、

今度は、発汗による潜熱の発散で体温調整を行います。周囲の湿度が高いと発汗による

蒸発が十分に行われなくなり、不快な気持ちになります。これが夏の蒸し暑さです。

冬期に周囲が寒くてもたき火をすると直接火の暖かさが感じられるのは、直射熱(顕熱)

が空気の冷たさに関係なく光のように移動してくるからです。太陽光の暖かさは代表的

な顕熱です。このように体感温度は、周囲の壁などから輻射熱や湿度環境によっても

大きく変わります。

潜熱と顕熱で感じられる夏の体感は、大よその目安として下図の不快指数で表現する

ことが出来ます。




(指数が70~74で不快を感じ始め、75~79で半数以上が、80~85で全員が不快と感じ86
を超えると我慢できなくなる。)

でも蒸し暑いのは、たまりませんね・・・

こんな時でも小さなエネルギーで、快適な環境を保つことが出来る高性能住宅に

住みたいですね。
2013.07.06:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

断熱材の種類とその特徴

  • 断熱材の種類とその特徴
今回から、断熱材の特徴と性質についてお話していきます。

一言で断熱材と言っても様々な物があります。
〈断熱材と言うとグラスウール(無機質繊維系)のイメージが強いですよね。〉



断熱材にも系統があるのをご存知でしょうか。

大きく言いますとこんな感じに分かれます。

・木質繊維系
・無機質繊維系
・発泡プラスチック系
・有機繊維系
・リサイクル系
・科学系

断熱材と言ってもこれだけの系統があるんです。



それでは、今回は木質繊維系のセルローズファイバーをご紹介します。



セルローズファイバーは、天然の木質繊維です。
太さが均一で、硬い針の様な無機繊維(グラスウール等)に比べてセルローズファイバーは、
様々な繊維が絡み合っています。
この繊維の絡み合いが空気層をつくることはもちろん、1本1本の繊維の中にも自然の
空気胞が存在しています。この空気胞の存在により一層熱や音を伝えにくくします。
さらに木質繊維特有の吸放湿性で、適度な湿度を保ちます。主な原料は、新聞紙などです。

紙を利用した断熱材ですね。

綿のようなものですから吹き込みによる施工が主です。しっかりとした吹き込み作業が大切になります。
2013.06.29:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

断熱材の話その2

  • 断熱材の話その2
 前回に続き断熱材のお話です。

 断熱材には、最も一般的なグラスウールなど無機質繊維系断熱材から、
近年の科学系断熱材と分類される真空断熱材まで、様々なものがあります。以前は、
断熱材と言う分類上のくくりがあり断熱材として認定されたものだけが、断熱材
として認められてきましたが、現在は断熱効果のあるものであれば、どんな素材
でも使用が、可能になっています。羊毛や綿などの自然素材を加工した断熱材や
ペットボトル等のリサイクル資源を原料にした断熱材が開発されています。

 断熱材の選択には、使用される地域性にも配慮し、寒冷地には断熱性能の高い
断熱材、比較的に湿度が高い地域では、防水性の高い断熱材が選ばれるべきです。
化学系の断熱材を選択した場合は、室内が乾燥気味になりますからその対策も
重要になります。グラスウール等を選択した場合には、防水対策を充分に行う
必要があります。

 断熱材が大量に水分を含むと、著しく断熱性能が低下してしまうだけでなく
建物の躯体(木材、鉄)を劣化させてしまう原因となります。

 要注意ですね。

今回は、ここまでです。
2013.06.22:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

断熱材の話

 今回は、断熱材の話です。

 断熱材や気密材は、どんな素材で作られているのでしょうか。
基本的に断熱材は、空気を閉じ込めて移動させにくい素材が選ばれます。空気は、
暖めにくく冷めにくい性質があり、断熱材の中に空気を閉じ込めて、移動させない
ことで断熱性能が得られます。

 氷や雪は、冷輻射で長期間の住まいには適さないと前にもお話ましたが、快適性
が求められる住宅には、冷輻射を起こさない断熱材が必要になります。昔の人々が
内部が中空のカヤやアシを住宅に使用したのは、素材の中に空気層のある植物の快適性
に気が付いていたからでしょう。
 
 我が国の住宅で最も多く使用されている断熱材は、グラスウールです。これは、
ガラス繊維を断熱材にしたもので、セーターのように空気を繊維に絡まぜて空気が
流れにくくした断熱材です。このような断熱材を繊維系断熱材と言います。
繊維系断熱材には、ロックウールやセルローズファイバー等があります。

 その対極にあるのが科学系断熱材とも呼ばれるので、スチレンやウレタンの化物質
の発泡させた気泡を封じ込め、その気泡の空気を断熱材として活用するものです。
(弊社が使用しているのは主に科学系の断熱材で外貼り断熱工法に最も適し
ている押出し法ポリスチレンフォーム保温板です。)


前にもお話しましたが断熱材は、空気を閉じ込め移動させない素材が適している。
ここが大事なところです。

今回はここまでです。
では次回つづく・・・
2013.06.16:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

断熱と保温は同じではありません。

今回は断熱と保温のお話です。

断熱と保温は、よく同じと勘違いされますが同じではありません。

 断熱の意味は、熱の出入りを遮断することあり、保温の意味は、あくまで温度を
保つ(キープ)ことです。

 断熱材とは、熱の移動を遮断するものですので、断熱の名前の通り熱を遮断する
ことが出来れば、一応断熱の役割を果たすことになります。だから断熱のための
素材は雪でも氷でも何でもよいのです。ただし雪や氷の家では、壁の冷輻射で
長期間の居住は、難しいでしょう。

 以前にお話ししました「イグルー」や「かまくら」は、断熱と気密効果の高い
仮の居住空間と言えますが長期の生活は難しいでしょうね。熱は、空気(湿度)
と共に移動しますから室内の熱を逃がさない為には、空気の移動を抑える必要が
あります。そこで断熱と共に気密性能が重要になります。断熱が熱の流れを
遮断することであれば、気密は、空気の流れを遮断することです。

 簡単に言えば、断熱とは外気温に室温が影響されにくい性能です。従って、断熱と
気密性能は、同じ目的をもつ一対のものと考える必要があり、どちらが不備でも住居
を快適に保つことは出来ないのです。・・・

と言うことで
今回は、断熱と保温は違いますと言うことと

やはり気密性能が大切と言うことですね。
2013.06.09:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]