考えるです。
前回の続きで、死亡原因と死亡場所の関係についてです。
下記の表は、前回もご紹介した日本公衆衛生学会が「気象
条件・死亡場所が死亡原因に与える影響」と言う内容で調
査した結果です。

前回までのお話しは、
心疾患や脳血管疾患、溺死・溺死は、温度の低い冬期の死
亡率が高くなり、温度の高い夏期に少なくなること。そし
て病院での死亡率は低下していますが自宅での死亡率は、
減っていないこと(これは病院と自宅の夏の室内温度の管
理が影響している・・・)暑さを我慢することでも疾患を
悪化させていること などでした。
では、このデータで特に注目して頂きたいのは溺死・溺水
で、病院での死亡率よりも家庭の死亡率が圧倒的に高く、
しかも冬期の死亡率が夏期とは比較にならないほど高いこ
とです。
家庭での死亡率が高くなる原因は、入浴時の室内温度(ヒ
ートショック)が原因であることが考えられます。(入浴
時に寒い脱衣所で服を脱いで、風呂場に入った時点でヒー
トショックを起こし、風呂の中で転倒し溺死・溺水に繋が
っているケースです。)
心疾患・脳血管疾患・溺死・溺水の死亡率を軽減するには
ヒートショックを起こさせない快適な温熱環境を持った住
環境が重要です。
足を滑らすなど加齢による単純な原因も考えられますが、
夏期と冬期の極端な死亡率の差から類推できるのは、暖
房室と浴室・トイレ・廊下などの極端な温度差です。
健康を維持するためには、温度差の少ない住環境が必要
なことが判ります。