エコリフォームの便益と意義(高性能住宅を推進する必要性)

今回は、『エコリフォームの便益と意義』のレポートをご紹介いたします。




【上図は、エコリフォーム(省エネリフォーム)で断熱改修を行う場合、
エコリフォームに使った資金の回収をEB(エナジー・べネフィト)の省
エネルギーのみで回収しようとした場合、シミュレーションでは28年も
の期間が必要だと試算されています。

 それを省エネルギーと共に断熱・気密性能向上による疾病予防等のNE
B(ノンエナジー・ベネフィット)による便益を加算していくことにより、
EBの省エネルギー効果のみの場合、と比較すると12年も投資回収期間
の短縮ができ、16年程度でエコリフォームの資金が回収可能であると試
算されています。

 さらに社会的な便益である各種補助金や健康保険等の使用減も付け加え
れば11年で投資回収が可能になるというシミュレーション結果です。

 エコリフォームは個人的な便益も大切ですが、社会全体のNEBを考慮
して行われることで、EBのエネルギー削減効果の3倍に近い効果がある
ことが認められると、このシミュレーション結果は示しています。

 わが国の医療費は、37兆円(2010年)と言う膨大な金額が使われ、
毎年1兆円規模で拡大しています。

 エコリフォームの温熱環境の改善によって、病気になりにくい健康体が
維持できる環境が整うと、病気になりにくく健康保険の使用回数も減り、
家計が助かり国にも負担をかけない生活ができます。

 「風が吹けば桶屋が儲かる」と言うことわざがありますが、エコリフォー
ムは、建前では人間に優しく、地球にも優しい環境の改善です。本音は、
省エネルギーで家計が助かり、病気になりにくい温熱環境を創り出し、健康
保険の使用回数が減ることで家計の出費も減り、国の税金も減ります。さら
に地球環境を汚染しない未来に責任を持てる住環境を創り出します。

 エコリフォームに関するNEB(ノンエナジー・べネフィット)の便益
ですが、新築時にNEBを意識して住宅を建てることが、どんなに重要である
かと言うことも認識されなければなりません。】
2015.05.09:m-seino:[清野 光芳/レポート集]

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