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今回は、「かまくら」

  • 今回は、「かまくら」
前回の続きで断熱材と断熱性能の話です。

今回は「かまくら」です。・・・


冷たい素材の雪や氷がどうして断熱材になるのか、断熱とは、どんなことなのか、
暖かさを求めているのに雪や氷などの冷たいものが、どうして断熱材になるのか、
なかなか理解できないのではないかと思います。

 雪の場合は、たくさんの気泡があり、その中には空気が詰まっています。
その空気に断熱効果があるのです。毛糸のセーターや羽毛布団のように、空気を
多く含むことが出来る衣類は、断熱効果が高く体温を逃しにくいので暖かいのです。

 気泡の混じった氷もまた0℃以下に温度が下がらない断熱材であり、気泡の少ない
綺麗な氷は、断熱材と言うよりも、隙間のない優れた高気密材となっていたのです。

 雪国の人々は、雪が積もり始めると雪の中の温度は、0℃以下には下がらない
ことを知っています。雪が降らない時よりも雪が降ってしまった方が暖かいことも
よく知っています。

 秋田の狩人である「マタギ」の人々も吹雪などに遭遇したときには、雪穴を掘って
動き回らないことが命を守る基本でした。

 雪国では、そうした知識を雪の中で命を守る手段として、「かまくら」と言う子供の
遊びの中に組み入れて、その知恵を子供達に伝達していったのでしょう。



命を守る知恵を子供の遊びで身に着ける
なるほどですね~



 たくさんの気泡があるもの・空気をより多く含む事が出来るもの(静止空気)は断熱効果
高いのです。

 これが大事なところですね。




 ではまた次回・・・
2013.06.01:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

断熱の話

今回は、「断熱性能とは」についてです。

断熱について解説書から北極のイグルー(氷の小屋)例にしたお話をご紹介
します。




断熱材と断熱性能

 断熱性能とは、どの様な現象の応用なのか。

「簡単に言えば、断熱とは、熱の移動を防いで外気の影響を遮断することです。
かなり極端な例で説明しますと、冷たい氷でも断熱材の役を担うことが出来ます。
北極に住むイヌイットの人々は、厳寒の北極でイグルーという氷の小屋を造って
狩りを行います。降り積もる雪や氷は、基本的に0℃以下にはなりません。雪や
氷で熱の移動を防ぐことで、雪や氷を断熱材として使用することも可能に
なります。
 イヌイットの雪と氷の狩りの家は、高断熱・高気密・計画換気の原理を理解
しやすい住宅と言えます。高断熱・高気密の雪と氷の家「イグルー」があるから
こそ、イヌイットの人々は、マイナス50℃近くにもなる氷原の上でも、狩り
を続けて生きていけるのです。換気の問題にしても、いくら大きな穴をあけても
無風状態では、空気が動かないので充分な換気は行われませし、極寒の中では、
窓を造って換気することも、ままならないのです。イグルーの頭頂部の排気の
ための小さな穴をあけて、アザラシの脂をロウソクのように灯して気流を
つくれば、小さな穴でも充分な換気が可能になります。雪と氷の断熱・気密性
を利用して冷たい外気の侵入を拒み、平均36℃という何人かの人間の体温で、
内外の温度差を計画的に作れば、生きるには充分な温度がえられます。イグルー
は北極で生き続けるための究極の知恵だと思います。」

冷たい雪や氷も断熱材の役割をするんですね。

ここでも断熱だけでなく気密大事なのが分かりますね。
2013.05.25:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

今日は暑かったので、日射取得の話です。

今日は、暑かったですね~

と言うことで住宅の性能で日射取得係数について考えるです。

断熱性能を高くすると夏暑くて大変?

では、熱損失係数Q値の考え方と日射取得係数についての解説を
をご紹介しましょう。


「熱損失係数Q値とは、住宅の内と外の内外温度差が1℃ある場合、建物内部から
外部に逃げる熱量が、1時間につき、床面積1㎡当たり、いくらになるか表した
係数のことです。

 この係数が大きければ大きいほど、住宅から逃げる熱量は多くなり、少なければ
少ないほど熱が逃げにくく、断熱性能が良いと言えます。

注意しなくてはならないのは、断熱材を厚くすると計算上の熱損失係数は、高く
なりますが、それ相応の日射遮蔽対策などを行わないと、冬は快適でも逆に、夏
暑くてたまらないという弊害が出て住みにくい住宅になってしまいます。

 


地域区分の適正数値は、このような弊害をなくすために設定されているものです。
夏はQ値だけ高くしても、日射などで侵入した熱がいつまでも逃げないので、非常に
暑苦しい環境にもなりかねません。そこで、μ値が重要になって参ります。

 温暖地域で、Q値を高く設定した場合には、夏の日射遮蔽(μ値)対策が必要に
なります。

 このように理屈では分かっても、単純に真似することが出来ないのが高性能住宅
工法です。

 外気の侵入を許さないためには、気密性能もC値=1.0を目指す必要があります。
Q値・C値を高く設定する場合相応の高度な施工技術が要求されます。」


 と言うことですが、高性能住宅は、夏対策もしっかり考えられていないと
いけませんね。

 弊社のソーラーサーキットは、高断熱高気密+夏対策(パッシブ)の考え方から生まれた工法です。

だから高性能住宅なのです。

そして窓の性能もとても大事です。〈ガラスは、遮熱高断熱仕様〉

2013.05.18:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

海腹川背

  • 海腹川背
今回お話しする海腹川背とは、神事にお供えする魚の向きも事です。

ゲームのもとではありません

私は、仕事柄地鎮祭・上棟式などにおじゃまする機会が多いのですが
お供えの魚の向きについても色い合って何か決まりがあるのかと本日、
地鎮祭時に神主さんに尋ねてみました。

(実はいつも質問するとしっかり答えてい頂ける方なので聞きやすさ
もあってお尋ねしたのですが)

お答えは「私たちは、海腹川背と教わっています。」とのご回答
海の魚は、神前にお腹を向け川の魚は、神前に背中を向けると言う
ことだそうです。




なぜなんでしょうかとお聞きしましたが「そのように教わっていたので
それ以上は・・・」とのこと

板前用語で海の魚は、腹に脂がのっていて、川の魚は背中にのっているので
海腹川背と言うのがあるそうですが、そんなところからなのでしょうかね?

ところで、私が見た中では、お供え物の大半は、海の魚です。
と言うより川魚は見た覚えがありせん(川魚もよく解っていないのですが・・・)

地域性もあるのでしょうね

神主さん有り難うございました。

川魚がお供えに上がった時は、ちゃんと背中を向けるようにします。


ヒラメやカレイの時はどうするんでしょうね・・・・・


2013.05.12:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

居久根のお話





今回は、居久根(屋敷林)の話です。

本日、石巻の地鎮祭でお会いしました神主さんからお聞きしたお話です。

「矢本・石巻では、今回の震災で住宅だけでなくの居久根(屋敷林)を失った方多く
いらっしゃいます。

風の強い日は、土や砂ぼこりを舞い上げて黄色い風が物凄い勢いで吹いてくるそうで
皆さん大変ご苦労なさっていますよ。」

こんなお話でした。


たしかに、去年復興工事でお世話になりました仙台市沿岸部の方のお屋敷も居久根
がなくなったため工事中も強風で苦労したのお覚えています。

屋敷林とは、どの様な役割を果たしているのでしょう。

単純に防風林としてだけでなく下記ような役割も担っていたのです。

屋敷林は、伝統手的な集落で住宅の周りに設けられたもので、防風だけでなく
防雪・遮光・燃料・肥料の調達などにも役立てられているそです。

居久根とは、宮城・福島・山形・秋田の平野部で屋敷の周りに設けられた大型の屋敷林
ことで建物外皮の断熱気密性能の確保が困難であった時代における優れた知恵だったのでしょう。

ここ最近風が強い日が多く思います。居久根のような屋敷林が設けられていれば
平野部の方々は、だいぶ住みやすい環境になるのでしょう。

沿岸部の防風対策も含めて一日も早い復興が必要ですね。
2013.05.06:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]