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気密の話その6


今回は、気密と換気の話です。

気密性能は、省エネルギー対策を考える場合も重要ですが、それよりも
重要なのが新鮮な空気を確実に室内に取り入れるために必要な性能なの
です。

換気と気密は矛盾しているように考えられがちです、確かに気密性能など
考えられていないころの住宅は、スカスカの自然換気で1時間で3回位は
、空気が入れ替わっていたと言われています。したがって換気の必要性は
ありませんでした。そのかわり暖冷房に大量のエネルギーが必要でした。
また空気と共に壁の内部を移動する湿気により結露が発生し、家を腐らせ
短命にしてきました。

気密性能を高めるということは、漏気を止めることですから、結果的には
自然換気を止めることにもなります。

そこで、しっかりとした計画換気の技術を組み合わせることにより新鮮な
空気を確実室内に取り込むことが出来るのです。(しかも省エネに)
2013.12.07:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

気密の話その5

今回は、音と気密性の話です。

住宅には、外部からの騒音の問題を解決するためある程度の防音性能が求め
られます。

安眠を約束する大切な防音効果にも、住宅の気密性能は、重要な役割を果た
しています。



音は空気の振動で伝わりますから、気密性能を高め空気の流入を抑えること
で防音効果も高まります。

気密性能が低く漏気の激しい住宅は、空気の流入と共に騒音も壁面を出入り
します。

飛行場や基地などの騒音対策に、樹脂サッシが採用されるのは樹脂サッシの
気密性を利用して、防音効果を高めるものです。


前にもお話しましたが、住宅の高気密性能は、いかにその住宅が丁寧に造ら
れているのかのバロメーターでもあるのです。



静かで、夏涼しく冬暖かい・そしてきれいな空気に満ち溢れた住まい・・・
そんな住宅に住みたいですね。

そのためには、気密性能がとっても重要なのです。


2013.12.01:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

気密の話その4

今回は、前回の逆で夏のお話です。

そうです夏型結露の話です。

では、夏型結露とは、どの様な現象でしょうか・・・

夏型結露は、エアコンが使用されるようになってから問題になっている現象です。

エアコンで室内の空気を冷やしますと、室内と室外には当然温度差が生まれ、
それが圧力差となります。室外の暖湿気は、この圧力差から室内に入り込もうと
します。



透湿・防風シートや合板の隙間から侵入した暖かい湿気は、断熱材の内部のエア
コンで冷やされた室内側で、壁面にふれて結露する場合があり、これを夏型結露
といいます。

夏型の結露は冬型の結露とは異なり、暖かい空気が流れる通気層で乾燥してしまう
ので、冬型のように深刻な問題を起こしにくいと言われています。

この様に住宅は、四季の温度変化で絶えず空気中に含まれる湿度の影響を受けます。

湿気を断熱材の中に入れないように、しっかりとした気密施工が非常に重要ですね。
2013.11.23:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

気密の話その3

今回は、熱気球と気密のお話です。


熱せられた空気の膨張は非常に大きく、熱気球は、空気の膨張だけで空高く舞上がり
ます。

住宅も暖房をすると同じように室内の空気が膨張します。

前の基準で示されたⅢ~Ⅴ地域の基準値、気密性能C値=5C㎡/㎡の場合を想定して
みると、熱気球に1㎡当たり5C㎡の穴が開いていると考えます。暖められた空気は、
その穴から漏気(漏れ出す空気)して、熱気球はとても飛び立つことは出来ないでしょ
う。

住宅の場合も全く同じでように、暖められた室内空気がかなりの力で隙間から壁の中
を通って外に逃げて行きます。

グラスウールなどの繊維系の断熱材が使用されている場合は、室内の暖湿気が壁の中
に侵入して外気に冷やされ壁体内結露を発生させます。

冬型の結露は、熱気球の原理で起こる!



逆に、熱気球のように住宅の気密性能が高ければ熱せられた空気は無駄に逃げていかな
いので暖房熱の供給量が少なくても壁や床・天井が輻射熱で暖められ寒さを感じないの
で、20℃前後の温度でも全館を暖めることが可能になります。

ますます気密は大事ですね!!
2013.11.17:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]

気密の話その2

前回に引き続き気密の重要性についてのお話です。

我が国の住宅の場合、気密性能はC値=1.0C㎡/㎡以下でなければ高性能住宅
と呼ぶには、ふさわしくないと言われております。

ヨーロッパのパッシブハウスの場合では、C値=0.2C㎡/㎡以下と言うかなり
厳しい数値なるそうです。 〈すごいですね~〉

寒冷地のヨーロッパでは暖房の負荷が重要です。我が国の場合は、冷暖房負荷
と言う、冷房と暖房の相反する二つに対応する性能が求められます。そこで
重要な性能の一つが気密性能なのです。
(住宅の施工でもっとも技術力が問われるのは、この気密性能と言われています。)

断熱材の選択は、その性能をよく知った上で、正しい施工をすればどんな断熱材
を選択しても問題は、ないです。それは、断熱施工を正しく行うことで気密性能を
向上させることに通じているからでしょう。
(断熱材をセオリーどうりに施工すれば、気密性能は、確実に1.0C㎡/㎡以下になる
と言われています。)

断熱性能の場合は、施工した断熱材の性能や厚みでシュミレーションが、可能
ですが、気密性能の場合は、実際に気密測定機で測定するまでは数値がわからない
のです。(確りした部材と気密の施工をきちんと行うことが重要なのです。)

C値=1.0C㎡/㎡以下と言う測定値は、壁面から漏気していないことを示して
いるそうです。

と言うことでまだまだ気密のお話は、続くのですが今回はここまでにします。
2013.11.08:m-seino:コメント(0):[清野 光芳/レポート集]