観光農業のカリスマ 工藤順一
▼青森県で研修を行いました。
@平成17年12月12日(月)於:青森県庁西棟8階大会議室(青森市)
「市町村グリーン・ツーリズム担当者等研修会」
『地域への誘客における行政の役割や地域連携について』
A平成17年12月13日(火)於:弘前市
「グリーン・ツーリズム実践者等レベルアップ研修会」
『地域の売り方指南します』
以上の両日に渡って、青森県で研修を行って参りました。これは、寒河江型観光農業の地域一体となった取組み、及び地域の受け入れ体制づくりと情報発信のポイント(行政の役割)などを学んで頂いたものです。
青森県は、私にとって山形と同様に好きな県の1つです。山形県と同じように春夏秋冬、はっきりした四季折々の季節感があり、世界遺産に指定された白神山地のブナの原生林と十和田湖、美味しい果物、山海の幸がいっぱいのところです。
これまで、名川町、旧南郷村、倉石村、岩木町、浪岡町、八戸市、平賀町、そして昨年開催された北東北グリーンツーリズム「地域課題解決セミナー」では、鰺ヶ沢町で講演する機会に恵まれました。特に名川町グリーンツーリズム達者村、南郷の観光農業に取り組まれて成功していることを、お客様はじめ多くのメディアから情報を得ることができ大変嬉しく思っています。
今回は青森市、弘前市と県内を移動しての講演会となりました。今回講演ではじめて訪れた弘前市は、お城とサクランボに象徴され、東に八甲田連邦、西には霊峰岩木山、南は白神山地に続く山並みが迫り、北には岩木川の流れる津軽平野が広がりを見せる、歴史的遺産と文化が息づく豊かな自然環境と温かな人情を持つ城下町です。桜まつり、弘前ねぶたまつりは全国的にも有名です。
今回の研修では講演に先立って「周年観光農業で街づくり」のビデオを鑑賞頂いております。平成10年にTV放映されたものですが、JAさがえ西村山の観光農業の取組みをご理解頂ける内容となっています。1日目の青森市ではグリーンツーリズムの担当者向け、2日めの弘前市では実践者向けの構成でしたので、配布したレジュメは多少違っておりますが、グリーンツーリズムに関する私の考え方や、これまで実践してきたことを中心にお伝えしております。
1.寒河江市観光農業について
「寒河江市周年観光農業推進協議会」
・官民一体となった取組み
・官の役割、民の役割
・リーダーの考え方
→ なぜ観光農業に取り組まなければならなかったのか?その時の時代背景を説明し、旅行会社に営業で出向いた際に経験した、官の信用性と民のフットワーク力。様々な課題をどう乗り越えたかのか?また、観光で町に人を呼ぶための受け皿づくり(ハード・ソフト両面から)を積極的に行うにあたっては、官民目線を1つにして、共存共栄を図り温度差をなくすことが重要。特にリーダーは、実行力、スピード感、決断力、そして何と言っても部下を守ることが求められる。
2.これまでの取り組みから見えてきたこと
「観光農業は感動のドラマ」
・元氣 → ドラマ → 人 → 金(地域活性)
・観光に敵はいない = 共存共栄という視点
→ 予てより私が提唱していることですが、観光農業には人の心を動かすドラマがたくさんある。その感動に人が集まり、人が動くことによりお金も乗じて動いていく。ひいては、これが地域活性化に繋がることを説明。相手を誉め称え、敵を素敵にかえていく。それにより連携が構築されている。
・思いあれば生まれる発想、決断、そして実行 = 実践者向け
・本物の価値と誠実さがアイデアを支える
→ 面白い、売れる、儲かることをやるべき。お客様は納得、価値感、満足しないと決してリピーターにはならない。
3.観光商品開発で重要なこと
・地域資源とは何か?
・発想の転換 → 知恵を智慧に変える
・フルに五感を働かせる → 生の情報をリサーチ
・夢、ロマン、希望というストーリー展開
→ その土地にしかない文化・歴史・人・物すべてが資源となり、人を呼ぶことが可能になる。机上で物を考えず、体をフルに使うことによって智慧が生まれる。
4.今後行政がなすべきこと(行政担当者向け)
・住民と一緒に行う地域の宝物発掘と再認識
・行政枠を越えた広域圏ネットワーク構築の推進
・体験型研修「食育・教育」といった観点からの戦略
・人材を人財へ = 育てること、応援することの重要性
4.今後地域がなすべきこと(実践者向け)
・地域の宝物発掘と再認識
・広域圏ネットワーク構築の推進
・体験型研修「食育・教育」といった観点からの戦略
・人材を人財へ = 育てることの重要性
→ 客観的に自分のまちを見ること。再認識すること。そして、異業種との交流連携を通して、点を線に、線を面にして広がりと持つこと。
→「地産地消」は、「地産地商」「地産地笑」へ
→ マニュアル通りではない、人とのふれあい、感謝の心、もてなしの気持ちを忘れないこと
→ 土づくり・樹づくり・実づくり、人づくりは農業と同じ。前述した通り、今悩んで壁に当たっている方や挫折使用としている方にヒントをあたえ、頑張り、やる気、希望、夢を与えること、サポートすることが重要。話を聞き、周りからの外圧から守る。その人が描く夢やロマン、希望を実現できるように道筋を作ってあげること。いまや「人材」は「人財」である。
5.マスメディアとITの利活用
・マスコミと口コミ
→ これからは全国各地で創意工夫し同じ日、同じ時にイベントが開催される。いかに関心を持たせ、話題性、ニュース性のある情報として伝えるか。更に、マスコミのみならず、口コミ情報(ITの利用)も考えなければならない。
以上の様な内容を盛り込んで、各会場で講演して参りました。
2005.12.22:観光カリスマ/工藤順一
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