日々是好日マガジン

▼摂食障害ということ

昨日、高校2年の娘を連れて小児科に相談にいってきました。
7月半ばから体調不良を訴え、8月には食べられていた白いご飯も全く食べられなくなって不眠症にもなり、いろいろな病院に相談した結果たどり着いたところが市内にある国立の新潟病院の小児科です。ここには神経性摂食障害を専門にしている先生がいらっしゃって、いままでなにがあってここに至ったのか、話をしていくうちに私も娘も思っていたよりもことは重大なんだと気がつきました。

それまで内科で超音波検査をしても、血液検査をしても、頭痛で相談した脳外科でMRIをとっても、何一つ異常は出ませんでした。
胃が痛いのは胃薬を飲んでみて、頭痛のは頭痛薬を飲んでみて、様子を見ましょうというのが2週間ごとに続いて、変化がないので話しだけして薬も治療もないときもありました。次第に、夜眠れない、固形物の食事が取れないという日が続いて、体重は4月のころより5キロ減ってしまいました。

どうしてこうなったのか、きっかけはダイエットです。
157センチで52キロあった娘は、本当に普通の体型をしていたんですが、足が太いというのを気にして春先から太もものダイエットをすると言い出しました。最初はマッサージ器具を買ったり、流行のメディキュットを履いて寝たりしていたんですが、そのうちお昼ご飯を極端に食べなくなっていきました。お昼は学校にいるので、朝晩と違い見ている人がいないから食べなくても怒られない、と思ったようです。
お昼にペットボトルの紅茶1本だけにするようになって、1ヶ月で1キロ減ったと喜んでいたころあたりからおかしくなりました。
朝はご飯を食べていたのがおかずだけになり、お夕飯は家族が食べる前に終わってしまうようになりました。注意してみていると、おかずもお皿の半分くらいで食べ終わり、後は紅茶を飲んでいるという状態です。夏休みに入ると1日ペットボトルは3〜4本空けますが、ご飯をしだいに食べなくなって外食などして無理矢理付き合いで食べたときなどお夕飯は抜いたりするようになって行きました。

そのころ新潟病院にはじめて行って、最初の小児科の診察では何の異常も無しで終わったのですが、体調が戻らないために2度目に行ったときに診ていただいたのが偶然院長先生で、こちらの話を聞いて一度相談だけでも、と今回の予約を取っていただきました。そのときにはまだ「相談だけ」という気持ちが強く大して心配ないと思っていたのですが、専門の血液検査と骨密度測定をして、骨密度は異常ないけれど肝機能に若干数値が足りない部分があって傾向としてこのままだと悪化していくのは目に見えている、と率直に教えていただきました。

今は、摂食障害の初期段階ということです。幸いなことに本人も今の状況がおかしいと気がついているので、少しでも食事ができるようになるなら、と栄養士さんの話も嫌がらずにしっかりきいてくれました。
今の1日摂取カロリーは1000カロリーにも満たないんですが、2週間後までに1500〜1600カロリー摂れるようになって数値の改善が見られればカウンセリングで済むという見通しが立っていますが、変化がないようなら入院して治療するという話です。そこまで進んでいると思っていなかったこちらには驚く話でしたが、今の段階で早い処置が出来れば将来の骨密度を確保できる、というのです。

10代後半から20代前半のこの時期、一生のうちで一番骨の形成が活発になるときで、カルシウムなど骨に必要な要素が多く蓄積されるのは今なんだそうです。この時期低体重が続くと、骨になるために必要な要素が足りなくなって将来骨折しやすくなる、というのです。
これは骨折しなければいいという問題ではないんです。普通の生活していても、ただ歩いているだけで骨折のリスクが高くなる、というんです。

新潟病院では摂食障害の治験治療をしているというので、いまはまだその入り口にいる娘がリスクも少なく何らかの治験結果が得られる可能性も高いというのも入院治療を勧められた理由です。治験なので新薬の研究材料になることと、実際に効くと考えられる薬を使うのかダミーがあたるのか、それは病院でも最初はわからないのでという説明も受けました。くじ引きでどれを使うか決まるそうなんです。

今のところ、食事療法で改善していく方法を取ることになって、今朝は牛乳と卵1個、マフィンを半分食べて行きました。昨日はお夕飯の残りのハンバーグを半分でしたので、カロリー高そうだけど大して栄養価がないと言われたのでそれからするとバランスよく食べることを心がけました。この量ですら30分以上かかるんですが、少しずつ増やしていけるように、と思っています。


2009.09.11:khisari

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