日々是好日マガジン

▼大学の認知度

引越し荷物を準備し始めた夜のこと。
「・・・私もかなり頑張ったんだけどな」
大学入学を決めた娘が不意にこぼした。

先日娘が中学校のときの同級生のお母さんに街中のショッピングセンターでばったり会って、「大学どこに行くの?」と聞かれたときのこと。金沢だと応えたらしばらく考えたような顔をしてから、「ふーん、そうなんだ、でも何でそんなとこにいくの?」と言われたと言う。
別に、悪気はなかったと思うし大学受験を視野に入れて高校生活を送っていない場合は、親が大学についての知識を詳しく持つ場面も少ないかもしれない。その人の娘さんは看護師になるために専門学校へ行くことになったと、それを昨年のうちに決めたと聞いているから、学部別の難易度ランキングとか、国公立大学の難易度とかは進路指導の話でも出なかったのかとも思う。それに同じ県内の国立ならだいたいのレベルは認知しているけれど、県外の大学についてはよく聴く名前でなければその認知度は低いんじゃないかな、とも思った。
誰でも知っている国立大学となると東大とか京大とか、ほんとは行きたかった東北大あたりになるんだろうけれど、国公立学部別難易度ランキング20位以内にしっかりはいる大学でも3位4位以下になると地方大学になるので「それってどこ?」と聞かれるのかもしれない。私自身娘の受けた学部別難易度ランキングの上位にあった広島大学に娘が行きたいと言っていたら何でそんな遠くまで、と思っただろう。そう考えると「何でそんなところに?」と言うのも判る気がする。

と、その話を聞いていろいろ考えをめぐらしてから、「(その会ったお母さんの娘さんが)大学進学を考えていなかったんだろうから、どんな大学か知らないだけじゃないの」と応えた。
知ってる方にはいいところに入ったねと言っていただけるし、何よりも本人がそれを勉強したいと言っている学部に入ったのだ。大学認知度で勉強するわけじゃないんだから、と頭では思ったけれど、同じことを自分が経験したとしたら無神経な態度はとらないようにしようと肝に銘じた事柄だった。
2009.03.26:khisari

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