かわにしツーリズム研究会

▼農家民宿経営の背景

私が英国で最も感銘を受けたことは、古い建物(大規模な建物だけでなく、一般の民家や商店、作業小屋なども含)がとても数多く残っている点である。

これには、地震がなく気候も低湿であることの影響が大きいが、もともとの古いものを大切にする気質が強く、ひいては建物の古さが付加価値として高価格で取引される要因となる、ということには驚かされる。ただ、建築当時のまま、というのは少数で、構造や外観を留めながら、内装などは現代的なリフォームが施されているものがほとんどである。

農家にも、このような伝統的な建物が多く残されており、都市住民の自然(田舎暮らし)志向(青木先生によれば、英国の都市住民にとって、リタイア後、地方の伝統的な家で暮らすというのが一つのステイタスであるということであった)と合わせ、地方の農家民宿が成立する背景となっている。

また、農家に嫁いだ女性の役割が、日本とは大きく異なっている点も重要である。英国では、農場へ出て作業するのは男性に限られており、女性には農作業を手伝うという発想がないようである。その分、農業にある多面的価値と自分を活かすビジネスとしてB&Bスタイルの農家民宿の経営が、農家(英国ではあくまでも農場を持っている家)の女性の職業の選択肢としてある。

つまり農家の多角的経営とはいえ、夫は農場経営を行い、妻がB&B経営を行なう、という一家に2人の経営者がいるスタイルが一般的のようであった。

(写真は築100年以上の鳥小屋を改装したゲストルーム)

●画像 ( )
●2006.01.19
●saito
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