かわにしツーリズム
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英国の農家民宿の多くはB&Bスタイルを採用している。その理由は、夕食にかける手間から解放されるためであろうが、もともと英国では料理にそれほど手間をかけないようである。 それは民宿で提供される朝食にもあらわれる。どの民宿でも基本的に「イングリッシュブレックファスト」とよばれる英国の伝統的な朝食が提供される。1枚のプレートに大きなソーセージとベーコン、焼トマト、卵料理(目玉焼き・スクランブルエッグ・ゆで卵のいずれか希望の一品)がセットされ、それにトーストとコーヒーか紅茶、それにオレンジジュースが基本のセットである。 このほかに自由に食べられるシリアル(宿によっては、箱のままテーブルに置かれている!ジュースやミルクは必ずピッチャーで提供されるのだが)があり、民宿によっては、フルーツやヨーグルトも提供される。また、プレートには宿によって、マッシュルームや甘く調理された豆があることもある。いずれにせよ、オーブンとフライパンがあれば調理でき、さらに包丁を使うのは焼きトマトを半分にカットするときだけである。 この朝食、はじめはなんだか嬉しいものだが、私は5日間で充分であった(というより飽き飽きした)。当初、英国人は毎日この朝食を摂っているものだと思っていたのだが、3軒目の民宿で同宿した英国人夫妻を観察していると、イングリッシュブレックファストを頼まずに、シリアルを軽くとフルーツにヨーグルトをかけたもの、あとはコーヒー・紅茶程度で済ませている。 それで足りるのかと聞くと、夫妻のご主人は、シリアルを指差しながら、「これが大好きなんだ」と自嘲ぎみに笑っていた。実際はこんな程度なのであろう。それから考えれば、イングリッシュブレックファストはゲストをもてなすごちそうのような気もしてくる。 (写真は典型的なイングリッシュブレックファスト)
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