Planning Kaori 浅倉かおり

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浅倉かおりのオシゴト日記に掲載した原稿の書き下ろしです〜。


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劇団楽天夢座。今年で20周年となりました。
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病気の再発をきっかけに東京から帰省したきた私は、約1年ほど療養生活を送っていた。

それまで下北沢にある本田劇場を連日満席にする人気の劇団でアルバイトをし、
眠らない街の生活に慣れていた私にとって、
夜8時を過ぎると人がいなくなる七日町はあまりにもさみしく、
身体が回復するにつれ時間を持てあますようになった。

そんな時、高校時代共に演劇部で過ごした仲間が帰省。
遊び場欲しさに「自分たちができることといえば芝居・・・?」と、劇団を旗揚げした。
たった4人でゼロからのスタート。稽古場は?台本は?もっと人がいる!
友人たちに声をかけ、ウワサを聞きつけて参加してくれたメンバーなど、
なんとか14名が集まった。

演出、音響、照明、舞台美術、小道具、メイク、衣裳と
それぞれのスタッフをかけもちしながらプランを練り、
チラシづくりや印刷屋さんへの手配、ポスターを貼ってもらうためのお店巡り、
合間(?)に台詞を覚えて稽古をし、
約1年後の11月にオリジナル作品「ホワイトノイズの聞こえる夜」を上演した。

幕が開く直前の緊張感。始まってしまえばあっという間に時間が過ぎ、
何ヶ月もかけて作り上げてきたものが、
たった1回の舞台でまばゆい照明の中に溶けしまう感覚。
ひたすら本番に向かって進んできた毎日が今日で終わる、
ああ、もっとこうすればよかった。でも自分なりにがんばれた。
100%の達成感や満足感とは少し違う、どこかせつない気持ちの余韻。

次は何をする?を繰り返しながら、「劇団楽天夢座」は今年で20年目を迎える。
同世代のメンバーは職場で責任のある仕事をまかされ、
また出産、育児など社会的に大切な役割を果たす時期でもある。

一方若いメンバーの意欲は大きく、
アマチュア劇団を運営するむずかしさを感じることもしばしばだ。

23歳から副座長としてかかわり、多くのことを学ばせてもらった。
個性と個性がぶつかり合う劇団という組織が、これまで続いてきたのはなぜだろう。

「芝居が好き」だけでは言いきれない別の何か・・・。
きっと面倒くさいほど絡み合う、
濃密な時間や空間のパワーなのではなのかもしれない。
日常からの大きな開放と刺激的なスパイスが入り交じる不思議な居場所。
この心地よさにハマったメンバーが、
継続していくための工夫をきちんとしてきたからそこ、
ここまで来ることができたのだと思う。



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