Planning agency kaori

▼月刊zero23 9月号

まもなく10月号がでようとする中、
9月号は餃子特集でしたー。
まだお求めじゃない方、コンビニ・書店さんでどーぞーー!

こちらは前号の書き下ろしです〜。
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自分で選んで、自分で決める。

第3弾目の今回がたぶん最終回のNYレポート。

前回のコラムでも触れた、
個々のアイデンティティを尊重するシステムについて。

まずは朝食を食べに老舗のダイナーに行った時のこと。
例えばメインに卵料理を選ぶと、
スクランブル、オムレツ、目玉焼き、ポーチドエッグなどから焼き方を選び、
ソーセージ、ベーコン、ハッシュドポテト、
ベジタブル(もっとあったような気がする)が必要かを決め、
パンはベーグル、クロワッサン、
ロールパン(これももっとあったような気がする)から選ぶ。

見慣れない英語もあるし
「うーん、どうしようかな」と迷ったりもするから、
全員のオーダーが完了するまでそこそこ時間がかかるのだか、
店員さんは慣れた様子で私たち4人のオーダーを
一人ひとり確認しながらメモをとり、
「オッケー♪オッケー♪」と終始笑顔だった。

翌日の朝食はベーグルの専門店へ。
ショーケースには20〜30種類のフィリングが並んでいて、
それだけでもかなり目移りするのに、
パンはプレーンに始まり全粒粉、ゴマ、ナッツ、レーズンなどが揃っていて、
サイズも大小2種類ある。

となりのケースには数種類のサラダに数種類のドレッシング。
「えーと、えーと」とつぶやきながら、
どのパンにどれを挟んでパンは焼くかそのままかを決定し、
サラダとデザートも選んでオーダー終了。

すべてのレストランがそうとは限らないが、
ちょっとしたカフェでも自分流に
カスタマイズすることが当たり前のようだ。

国籍や文化が違う人種が混在している国ならではの
選択肢の多さなのだろう。

朝定食AorB、または本日のランチ3種類といった選択で済む
日本のスタイルに慣れていると少々戸惑うかもしれないが、
私的には食べたいものだけを選んで
納得のいく構成にできることが楽しかった。

この国では「いま何を食べたいのか」
「今日はどんな気分なのか」を自分に問いかけ、
選択し判断することが日常的に行なわれ、
自然とトレーニングされているようだ。

「出されたものを黙って食べる」は
日本人の誇り高き美徳だけれど、
なんだか何もかも受け入れ過ぎてきたのかもしれない。
自分たちの暮らしにとって本当に必要なものは何か。
大切な望みは何か。
トップダウンされたものに対して自ら調べることもなく、
意見を持つこともなく、多勢に迎合してはいなかったか。
ふと日本の現状を思った時間だった。


画像 ( )
2012.09.26:kaori
[2012.10.01]
sayaさま (kaori)
[2012.09.30]
アイデンティティの尊重 (saya)

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