Planning agency kaori

▼浅倉かおりのオシゴト日記

「月刊ゼロ23」1月号のに掲載されたコラムですー。


「TPPでどうなるのかなと思うこのごろ。」

2010年下半期から大問題になっているTPP問題。
TPPとは「環太平洋戦略的経済連携協定
(Trans Pacific Partnership)」の略称で、
もちっと簡単に言うと「環太平洋パートナーシップ協定」
ということになるらしい。

太平洋周辺にある、日本、中国、東南アジア諸国、
オセアニア諸国、アメリカなどが参加して、
関税なしの自由な貿易圏を作ろうという構想だ。

この原稿を書いているのが12月中旬なので、
発行時期にはどんな状況になっているのか分からないけど、
政府内で出している利益、不利益の試算データが
省庁によってばらばらなので、
一般の私たちはなおのこと混乱する。

自動車や機械産業を扱う経済産業省は賛成、
農林水産省は他国から安い農産物が
大量に輸入されるため反対派だ。
賛成派は輸出のメリットを優先していて、
反対派は輸入による国内生産のダメージを懸念している。

地産地消を提唱している私は反対派。
「タイ米などは非常においしくない。
山形の食材を世界に売り出すチャンスになる」
という声も聞こえるけど、
タイ米がおいしくないのではなく、日本食に合わないだけ。
パエリアやカレーなどその国の郷土料理には適しているし、
おいしくないなんて言ったら
タイ米を主食にしている人たちに失礼だ。

そもそも、TPPの項目に農産品が入っていることがおかしい気がする。
食べ物は季節感や行事など、
その国の文化と密接にかかわって、人の命を支えているものだ。
国々の気候風土に合った食生活を送ることが健康の基本であり、
人格形成にも影響すると思っている。

ときには他国で育った食材や料理を楽しみ、
活用することはお互いにいいとして、
日常の食事は身体と心にしっかり寄り添ったものでなければ、
人間がダメになる(と言い切っちゃう)。
輸入品にかぎらず、チェーン店の画一化した料理ばかりを口にしていると、
何か民族特有の根源的なパワーが失われていくようですごくコワい。
農産品は、汎用性のある工業製品や金融サービスとは
まったく別物としてとらえるべきではないだろか。

そしてもう1つ、その大切な食べ物を栽培、
生産している方たちが働けなくなる社会になっては
絶対にいけないということ。

食糧難の時代になる頃には、
輸入も輸出もままならない状況になるだろう。
むしろ自国で自力で生きていく策を今から練ることが大切だ。

2011年初回はちょっと力説モードになっちゃいましたが、
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
画像 ( )
2011.01.17:kaori
[2011.01.21]
>ほんわかさま (kaori)
[2011.01.20]
そのとおりだとおもいます (ほんわか)
[2011.01.19]
>たけさま (kaori)
[2011.01.18]
全面的に (たけ)

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