Planning agency kaori
▼日曜随想(1月掲載分)
山形新聞の日曜朝刊に掲載している「日曜随想」。
山形新聞さんより転載の了解が届きましたので、
こちらでもご紹介させていただきます。
おかげさまで「未来の食卓」も、
ランチでご提供したオーガニックのカレーも大盛況でした。
ご来場くださったみなさまに心から感謝申し上げます。
映画を観た6年生の姪っ子。
字幕なども漢字が多くて難したかったようですが、
「大丈夫、潜在意識にちゃんと入っているから」
とほっぺをさわったら、
納得したように「うん」とうなずいていました。
そして、
「”みんなのうた”でありがとうってうたがあるの。
誰のためのいのちだって歌詞なんだよ。」
と言っていたので、大枠で理解していたようです(^^)
http://www.fooooo.com/watch.php?id=FqxuxIyFifc
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「山形に恩返し」
このコーナーの初回は
自己紹介を含めた内容にしようかなと思いながら、
先週の日曜日、須貝智郎さんの随想を拝読したら、
胆道の難病を患った方のことを書かれていた。
私も同種の先天性胆道拡張症または
総胆管のう腫と言われる病気で生まれてきた。
併発した腸閉塞なども含め、
小学1年生から6年生まで受けた手術は5回。
おかげで、めっぽう痛みに強い性格になり、
ちょっとの腹痛などでは動揺しないですんでいる。
この病気は術後が良好でも、
5年から10年後に癌化したり結石になる特徴があるのだが、
当時の医師はその警告をしてくれていたのか、
ただ「20歳まで何もなければ大丈夫でしょう。」
と言われた言葉だけが胸のどこかにありながら10代を過ごした。
無事に成人式を迎えてほっとしたものの、
精神年齢が低かったせいか、22歳で肝内結石になってしまった。
病院でちらっと見てしまった自分のカルテに「腫瘍」の文字があり、
このときはさすがにちょっと落ち込んだ。
再発した原因は自分にもあったと思う。
のど元過ぎれば・・・で、体調管理の意識も知識もないまま、
スナック菓子が欠かせない高校時代を過ごして東京へ進学。
山形にないファーストフード店や都会の居酒屋、当時流行ったカフェバーは、
田舎者の私にとって食のテーマパークだった。
食欲すらなかった子ども時代を取り戻すかのように、
ジャンクなものも食べに食べた。
今になって思えば、発症する5年程前からSOSのサインはあった。
背中の重苦しい痛みや、時々続く微熱など。
けれど疲れているのかなといった程度で、やり過ごしていたのだ。
肝臓は「無言の臓器」と言われるだけに、
私の肝臓も黙々と働き、不満を溜めに溜めて突然怒りだす女性のごとく、
「もう無理ですっ。」という時点で爆発的な激痛と高熱が始まった。
緊急入院、そして即、手術。
オペを終えた執刀医からは、
「あと一日病院に来るのが遅かったら死んでたよ。」
と苦笑いされたっけ。
この手術をきっかけに、山形へUターンして自宅療養が始まった。
退院する際、医師に言われたのが
「自己治癒力を高めてくださいね。」
という言葉だった。
薬や手術はあくまで手助けに過ぎず、
まずは自分の力を養うことが基本なのだと言う。
この病院は漢方薬も処方していて、
東洋医学の考え方に理解があったのかもしれない。
そうした関連の本などを読むようになり、
命を運ぶうえで大切なのは、食と心だと分かってきた。
例えば、身体と大地(環境)は一体であり、
自分が暮らす土地の食べ物を取り入れる「身土不二」の考え方。
「地産地消」の食生活が健康を作るのだ。
徐々に体も回復して、広告の制作会社に就職し、
山形の観光地や飲食店を取材させていただくようになった。
そこで発見したのが山形の食文化のすばらしさだ。
実は、いよいよ東京で何かを見つけるぞと
思っていた矢先に病気が再発したので、
内心ふてくされた気持ちもくすぶっていたのだけれど、
こんなにも食材と郷土料理のレシピがたくさんあって、
生産する方、料理する方が誠実で真剣で、
私はいままで山形の何を見てきたのだろうと反省したら、
がぜんこの土地が輝いてみえてきた。
出来る範囲で地物の食材と調味料を使い、
有機や無添加のものを選ぶ暮らしを実践した結果、
心が安定し、驚くほど元気になった。
10年以上風邪で病院に行ったこともなく、
私は山形の食に助けられたと思っている。
その恩返しと言っては何だけど、
『スローフード山形』という団体に参加しながら、
自分なりの活動を行っているところだ。
2月20日〜26日までは、
山形市のフォーラムで「未来の食卓」が上映される。
南フランスにあるバルジャック村の村長が、
学校給食をオーガニックにしようと試みたドキュメンタリーの食育ムービーだ。
食と地球環境を見直すきっかけづくりに、
ぜひご覧になってみてください。
画像 (小 中 大)
2010.03.02:kaori
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日曜随想(1月掲載分) (kaori)
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