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▼月刊zero23のオシゴト日記

月刊zero23に連載中のコラム
「浅倉かおりのオシゴト日記」。
ただ今10月号が発売中。
こちらは9月号の書き下ろしです。

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お友達Mちゃんが交通事故に遭った。

当日の夜に携帯メールがきて、
その内容があまりに圧巻だったのでご紹介します。

「今日、大変な事故にあってしまいました(>,<)
車は360度上下逆さになって元に戻り、
進行方向と逆向きでとまりました。
相手側が一時停止を無視したわき見運転で、車は廃車です。
条件が悪ければ大変危険でぞっとするのですが、
体は無事だったので守られているんだなと思いました。
避けようがなかったのですが、これも何か節目のような気もします。
生きていることに感謝!また武勇伝が一つ増えました!(苦笑)。
今ちょっと頭痛がしていて、明日の調子をみてまた連絡します。
今日は感謝の瞑想をして寝ます。」

Mちゃんは以前大病をしていた時期もあり、
西洋医学の治療を受けるほかに
東洋的なものやフラワーエッセンス、
精神面での考え方も学んで、病気を克服した経験がある。

なので多少のことではビビらない性格なのだけど、
私より10歳も年下なのに、なんと腹のすわっていることか。

メールには、事故の相手を責める言葉は一つもなく、
車が廃車になってしまってヘコんでいる様子もない。
運転している車がいきなり回転したのだから、
相当の恐怖感もあっただろうと、
私の方がびっくりして泣いてしまったのだが、
翌日会ったMちゃんはいつも通りニコニコしていた。

「実は数ヶ月前から、輸送車の危険って書かれた
黄色いマークがやたらと目について、
交通事故に遭う夢も見たりして、
いま思えばなんとかく予見はあったんですよね〜」。

潜在意識では覚悟ができていたのかもしれないけど、
それでもやっぱりあっぱれだ。
たくましいメールを読みながら、
生きていくってこういうことなんだなと、あらためて思った。

事故にあったり病気になったり、
仕事で失敗したり信頼していた人が去っていったり、
意地悪なことを言われたり、
生きているといろんなことがいっぱいある。

だけど、嫌な出来事ほど心を鍛えてくれるもの。
うわーん、大変だーと思うことでも、それに対してどう向き合うか。
自分の武勇伝日記に書くネタが増えたと受けとめるか、
なんて不運なんだと落ち込むのか、すべては自分次第だ。

そりゃあ、お金がいっぱいあって、
コンプレックスなど1つもなくて、
周りにちやほやされながら生きていけたら、
それが死ぬまで続いたら、
どんなにラクかと思うけど、
大抵の人はもっともっとと欲がでてきて
実のところは何も満たされていなかったり、
性格が悪くなったりするんですよ。

せっかく素敵な苦労をしてきたのに、
取り組む姿がかっこよかったのに、
努力が実ったら慢心してしまう人もいる。

最近感じるのは、何か賞をとったとか、
会社で昇格したなどの結果はわりとどうでもよくて、
その過程を元気に謙虚に大らかに、
感謝して臨むのが大切なんだということ。
楽しめる人っていいですね。


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