kakusichi note

▼かもがわの杉玉


新酒ができたことを知らせる目印として、蔵元が軒先などに吊るす「酒林」。
別名「杉玉」とも呼ばれ、杉の葉を束ねて丸くくす玉のようにしたものです。

青々とした杉玉が葉が枯れてきて茶褐色となる時期が
蔵の中で熟成されたお酒が美味しくなりましたという
地域の皆様にお知らせする目安の印と言われています。
現代では生酒で出荷しているものもありますので、当社では
新酒が出た時に吊るすことにしております。

今年は雪の影響で遅れ、ちょうど第二段の新酒が出た
2月8日(大安)に取り付けました。

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当社で使用している杉玉は、地元にお住まいの金田照男さんの手作りによるものです。
今年80歳になる金田さんは、酒林を作り続けて22年になります。
杉の葉などの材料の不足や杉玉を作れる人が減ったことから、現在は
市販されている杉玉を使う蔵元もあるようです。

金田さんは杉の葉を集めるところから制作、仕上げまで、
すべてをひとりでこなされます。
重心を安定させるために漬物石を使うなど、細部は金田さんオリジナルの作り方です。
樹齢などで杉の葉の色が違うので、なるべく同じ色でまとまるよう調整したり
1年間吊るしても形が変わらないようになど、まさに職人技です。

毎年杉玉を吊るす時は、新酒のできた喜びとともに
影で支えて下さっている金田さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

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2006.07.07

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