菅野芳秀のブログ

▼安心してこごさ居(え)ろな。

積雪は150cmほどになった。昨日、今日は吹雪。玉子を配達しようと車で外に出たが、雪はうなりうをあげてかぶさってくる。雪に襲われている・・そんな感じさえするほどだった。1m先も見えない。こんな時には動いてはだめだ。車を止めておさまるのを待つ。ライトを点けて、オレはここにいるよとアピールしながら。

吹雪のときでもニワトリ達は元気だ。鶏舎は透明のビニールでおおわれていて、お天道様の光は入るが吹雪は入ってこない。一坪に10羽、鶏舎のなかで走ったり、恋をしたり・・と、寒いだろうが、冬に負けることなく春を待っている。

きのうの朝、雪を掻き分け、エサを与えようと鶏舎に近付いていった。するとにぎやかな小鳥たちの声が聞こえてきた。中に入っていくと、おどろいた小鳥達は一斉に鶏舎の中を飛び回る。スズメだ。30〜40羽はいる。ニワトリ達と一緒にエサを食べていた。

別な鶏舎にもそっと行って見る。ここにもスズメ達がきていた。冬以外の季節には、スズメは入ってこない。たとえ来たとしても、ニワトリ達はその侵入者を追い出そうとする。これは何度も見かけたことだ。でも、今は冬、そして外は吹雪。

「大丈夫だ。安心してこごさ居(え)ろ。いっしょに喰うべな。」こんな感じなんだべか。鳥たちの友情。いい光景ですよ。人間的というか、人間の我々がわすれてしまったもの・・・というか。

これがもし、ゲージ(カゴ)飼いの養鶏場ならばどうだろう。ニワトリ達は「おいで、一緒に・・・」というだろうか?たぶんいわないだろう。「ここはやばいぞ。つかまる前に早く逃げ出せ!」たぶんこっちの方だろうなぁ。

 話はわき道にそれるが、実際のところゲージ飼いのニワトリほど不幸な生き物たちはいない。この地球上で一番不幸だと思う。動物園の像だって鎖の長さほどの自由はある。金魚鉢の金魚でさえもっと自由だ。ただ毎日立つか座るか。常に隣人の体温を両脇に感じながら、歩くことも、羽を伸ばすことさえできず、ストレスで自分の羽をむしりながら・・・、毎日、毎日卵を産んでいる。卵はストレスのかたまりだ。どうしてこんな飼い方ができるのか。なぜ平気でこの卵を食べることができるのか。わっからなーい!話が止まらなくなってしまいそう・・・本流にもどそう。

 
我が家のニワトリが「安心して一緒に食べよう」と呼びかけることができるのは(・・と勝手に思っているわけだけど)、自分たちが幸せだからだよね。

 鳥のインフルエンザ対策から言えば、あまりいいことではない。息子も野鳥が入って来ないように、あっちこっちの穴をふさいでいたのだけど・・。でも、いいじゃないか。

ニワトリ達だって、インフルエンザの危険をみんな知りながら、あえて迎え入れているのかもしれないぞ。

だったら・・・・・なっ・・・、いいじゃないか。いいよな。かかったら?そん時はそん時だべぇ。

写真は、外のスモモの木に一旦引き上げて、オレの様子を眺めているスズメたち。小さくてわからないかな。写真をダブルクリックすれば大きく拡大できる。そしたらわかるよ。写真は白黒のように見えますがカラーなのです。

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2008.02.15:kakinotane
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