菅野芳秀のブログ
▼親しい友人からの書評
親しい友人で、ライターの小野田明子さんから、拙書「七転八倒百姓記」へのありがたい書評を戴きました。書評を書くのは如何に大変な作業かは理解しています。お忙しい中、恐縮です。ありがとうございました。
以下
農業従事者の数の減少が止まらない。高齢化もすすむばかりで自給率の向上を叫ばれて久しいのに、と食べる側としても頭を抱える事態だ。当事者である農家の深刻さは想像にかたくない。
20代で故郷に帰り農家を継いで「堂々たる田舎」を目指した著者50年の歩みは猫の目のように変わる農政とは関係なく、都会と田舎をつなぐ独自の手法を生み出そうとする。
1つは家庭の生ごみをツールにした生ごみ循環の町づくりだ。レインボープランと呼ばれるこの取り組みは、山形県の長井市を一躍有名にし、視察者が絶えなかった。 次に着手したのが「置賜(おきたま)自給圏構想」だ。グローバル化が限界にきた現在、地域でエネルギーも食糧も自給する取り組みは様々な地域で挑戦されている。
著者は常に現実的な対案を提案し、あらゆる人たちと共に活動することを信条としてきた。土、食、いのちを扱う農業の現場から社会を具体的に変えたいという意思が溢れている。構造を変えるという過程には苦悩はある。しかし考え続け、やり続ける先に失敗はない。地域を創るタスキを受け取る人々がいると信じたい。
画像 (小 中 大)
2023.08.25:kakinotane
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