菅野芳秀のブログ
▼男心と秋の空(再掲)
秋の空は変わりやすい。
裏日本の気候は特にそうだ。午前中は晴れていたと思ったら、午後には曇りとなり雨が落ちてくる。
困るのは外に干している洗濯物や布団。へたすると間に合わずに雨にあててしまうことになる。秋に入ればこんなことはいつものことだ。
さて、昔からこのように移ろいやすい秋の天気を、これまた変わりやすい男心にたとえ「男心と秋の空」といってきた。近年『女心と秋の空』などと言われたりもするが、たとえの始まりは「男心」の方がであって、「女心」ではない。開いたことはないが、広辞苑などにもそのように掲載されているらしい。
ちょっと前になるけれど、我が家に東京から男4名、女4名の8人の友人が訪ねて来たことがあった。それぞれが社会運動に何らかの形でかかわっている人たちだ。全員理屈はたつ。
秋の空はそもそも「男心」か「女心」か・・・このことをめぐって議論になった。「男心」と言ったのは俺一人で、あとは全員「女心」。シャンソンから、あるいは東西の詩から・・、あれやこれやと「女心」であることの理屈を並べる。頭でっかちの世間知らずが!!
男と女ではことにあたっての腹のすえ方が違うんだよ。ちょこっと世の中を見渡してみても、女のほうが「決意」を育てながら人生を送っていることが分かる。どんなに屁理屈を並べようと移ろいやすいのは「男心」であることに変わりはないべ。
「そうか、それじゃお酒一升を賭けよう。負けたほうが勝ったほうにお酒を一本送るんだ。」
一対八の勝負。みんなで調べてみた。その結果は・・・やっぱり俺の勝ち。「男心」だった。ざまぁ見ろ。いっぱいの理屈をこねたあとだけに、彼らの落ち込みは大きかった。源氏の若旦那の例を持ち出すまでもなく、男なんて・・・なっ。まぁ、彼らにはいい薬になっただろう。八人全員が俺にお酒を送ることを約束して帰っていった。
後日、お酒が届いたのは女からだった。女の全員がそれぞれにお酒を送ってくれた。でもな、男からは一本も・・一人も送って来なかったよ。
やっぱりな・・・、ここでもまた証明された。ほんに移ろいやすいは「男心」だ。どうしようもないね。
社会運動でも政治運動でも、俺はもう女しか信じないな。男はだめだ!
(以前、書いた短文から)
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2020.09.23:kakinotane
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