菅野芳秀のブログ
▼やっぱり、粗飼料かな。
ぼくは身体が大きい。ふざけて「もとプロレスラーです。」と自己紹介することもあったが、最近では少し太ってきたこともあって、「百姓になる前は相撲取りでした。」といっている。我ながら情けない。痩せなくてはと思う。けっして贅沢な食事をしている訳ではなく、畑の自家野菜中心の質素なものなのだが・・・。
一方、我が家のニワトリ達には太った奴はいない。みんなスラッとしたいい格好をしている。それは育て方に由来している。
大切なのは運動と食事だ。放し飼いなので、運動量は充分だ。問題は食事で、意外な印象を受けるかもしれないが、ニワトリたちに与えるエサは粗飼料だ。粗(末な)飼料(エサ)といえば聞こえが悪いけれど、満腹にはなるが必要以上の栄養をとらないように考えられているエサだ。例えばエサの中に約10%のノコクズを入れている。お腹がいっぱいにはなるが栄養はない。
他方、ゲージ(カゴ)に入れられている企業養鶏ではニワトリ達に濃厚飼料が与えられている。最も効率よく卵を産むように考えられたエサだ。文字通り、濃厚な高栄養、高カロリー。その結果、どんどん身体が大きくなり、性成熟が進み、生れてから150日ぐらいで5割産卵となる。産卵率は80%を越えるが、たった一年で身体はぼろぼろになってしまい、淘汰される。
粗飼料を与える我が家のニワトリは、運動しながらゆっくりと身体を作っていく。性成熟は遅く、5割産卵は180日以降になる。人間で言えば20歳を過ぎて、身体をしっかりと作ってから玉子を産むようにということだ。それから2年。平均産卵率は60%に届かないが、クスリに頼らずに、いつまでも元気でおいしい玉子を産み続けてくれる。
これは野菜や稲などの作物にもいえて、栄養たっぷりに育てられたものは、身体はでかいが病気に弱い。生きていくためにはクスリの助けが必要だ。見かけはともかく、中味は一人前の健康な作物とはいえない。
ぼくは191cm、105kg。大きすぎだ。ということは・・・一人前の健康な人間ではないということか。そういえば、性成熟も早かったような気もするし・・・。
やっぱりご飯を減らそう。そう思い、食事を途中で止めたら、88歳の母が声をかけてきた。
「なんだお前。ダイエットで痩せようとする百姓なんかいるもんか。たくさん喰え。そして思いっきり働け。百姓は働いてやせるもんだ。」
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・・・・・・・・・・・だとさ。
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