菅野芳秀のブログ

▼ミツバチとネオニコチノイド系農薬

山形県朝日町で蜜ろうそくの制作を通して、自然のすばらしさを伝えている安藤竜二さんによるコラムです。
 西日本新聞社の佐藤ひろしさんから戴いた文です。
「蜂蜜の森を通して私たちが暮らす環境を見つめなおしてみませんか?」と呼び掛けています。
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あいかわらず、全国の里地で飼育する養峰家たち
が農薬被害で苦しんでいます。
以前の殺虫斉Jは虫にかけて殺すしくみだつたの
で、散布とともにミツバチが大量に死んだのでわかり
やすかったのです。しかし、現在の農薬の7割を占め
ているといわれるネオニコチノイド系の農薬は違いま
す。そのような被害ももちろんありますが、浸透性・残
効性が強くなったため、その農産物に花が咲けば、
蜜や花粉にも微量の農薬が出てしまいます。たとえ
成虫が死なない微量であつてt)、小さな体の次世代
の幼虫たちに影響が出て次第にハチたちが減つて
しまうのです。
実際近頃も、愛媛県のミカンのハチミツから国が決
める残留基準値越えの農薬が検出され回収する騒
ぎが起きました。人が食べてはいけない濃度の農薬
がハチミツに入つていたのです。ハチがどうなつたか
が気になります。
稲に花が咲く前に行われる田んぼの空中散布も被害は大きいです。稲は蜜を出しませんが花粉は大切な
幼虫のエサなのです。
また、この農薬は神経毒のためミツバチの脳に影響
し、帰ってこれなくなるともいわれています。
ハチだけでなく、私の自宅の周りでは、カブトムシやク
ワガタムシ、アゲハチョウ、カマキリなど、昔人気だった
昆虫たちをほとんど見かけなくなりました。私の大好きな
イナゴもいません。スズメも激減しましたc影響は広がっ
ているのではないでしょうかc
怖いのは、この農薬は私たちの脳にも作用していると
危惧されていることです。人の未来をミツバチや小さな
生き物たちが見せてくれているように思えてなりませんc



安藤竜 (あんどう りゅうじ)
1964年生まれ.養蜂を学んだ後1988年
に、日本ではじめての蜜ロウソク製造
に着手.ハチ蜜の森キャンドル代表。
日本エコミュージアム研会fT事。山形
県養蜂協会監事.編著『朝日岳山麓養
蜂の営み』(朝日町エコミュージアノ、
研究会発行)
2019.11.20:kakinotane

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