菅野芳秀のブログ

▼映画「無音の叫び声」

いま、山形県上山市の農村を舞台にしたドキュメンタリー映画『無音の叫び声』の製作準備が進んでいる。山形県上山市在住の農民で詩人の木村迪夫(みちお)さんの世界を描くことが、現代日本への強いメッセージとなる、そう考えてのことだという。監督は原村政樹氏。3.11をはさんで生きる福島県天栄村農民の姿を描いた、ドキュメンタリー映画「天に栄える村」を撮った人だ。

9歳で父を戦争で失ったことで早くから土を耕さざるをえなかった。木村さんは生きるために農業に就き、農業のなかで生きようとして詩を書いてきた。詩を書いてきたからこそ農業のなかで生きて来られたと言っていいのかもしれない。
やがて三里塚で映画を撮っていた小川プロを村に引き入れたことで「過激派」と呼ばれ、それでも減反を拒否し、反戦を訴え・・まっすぐに、愚直に生きてきた。

壁がいくら厚くても、正面から、真っ正直にぶつかっていく。敗北が分かっていても生き方としてぶつかっていくしかなかった。村の枠組みを越え、だからこそ傷つき、もがき、苦しみながら、土を耕し、詩を書いて生きてきた。

そんな木村さんと映画製作を語るシンポジュームが14日、山形市であった。
穏やかで深い。木村さんの人柄を反映したような、いいひと時だった。


画像 ( )
2013.10.16:kakinotane
[2013.10.27]
あおいさま (菅野芳秀)
[2013.10.17]
稲穂 (あおい)

HOME

(C)kakinotane

powered by samidare