菅野芳秀のブログ

▼息子とは一緒に仕事をしないほうが・・

忙しく田植えの準備を進めている。田んぼの中の仕事やニワトリの管理はほとんど息子の仕事。俺の方は1,000枚の苗箱の生育管理、玉子の配達、集金、お米の精米、出荷などで息子とは別で分けている。今日も息子は代掻きの準備で、俺は畑で野菜の作付というように。

なんだ、一緒に仲良くやっているんじゃないのかという向きもありましょうが、体験的にいうと、息子と父親はなるべく一緒に仕事をしない方がいいとおもっている。必ずそこに意見の違いが生まれ、感情のシコリのようなものができてくるからね。俺と親父の場合はそうだったなぁ。

私の父は化学薬品、化学肥料の信奉者だった。やたら肉体を絞るだけの苦しい農作業の時代から、化学の力でようやく解放された世代なのだから当然だとも思う。農村でも腰の曲がった老人を見かけなくなったのもこの力に負うところが大きい。

化学を疑う俺の考えややり方をあまり信用していなかった。
“苦しかった時代になぜ戻るんだ?頭だけが先走ってはだめだ。身体がついていかないだろう。うまくいく訳がないではないか”

というのが親父の考えだったのだろうな。心配していたのだろう。ことあるごとに意見は対立したよ。私の気持ちが楽になったのは完全に任せてもらえるようになってからだ。

世代は代わって、俺と息子。息子が農業を始めてしばらくしたら、ところどころで意見の違いが出るようになった。ヤバイ・・同じことを繰り返す。ここは息子に任せよう。よしんばそれで失敗したとしても、それはそれで息子の経験になるものだ。そばにいれば口を出したくもなる。今はできるだけ一緒には仕事をしないようにしよう。

もちろん、相談を受けたらその限りではないし、手を貸してと言われればすぐに行くんだけどね。
息子から見たら、一番大変な作業をしない、単なるグータラ親父と映っているのかもしれないけれどな。でもよ、これが一番いいんだって。

  写真は朝日連峰を背にしたわが村の全景です。

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