菅野芳秀のブログ

▼川の駅の「三番目の意味」についての走り書き

   
 長井市に「川の駅」構想が浮上している。
 その駅とレインボープランとの関係は?
うん、そうなんだよ。今のところ何もなし。
それではもったいないではないか。
だからと言ってレインボープラン野菜のレストランを作れなんていうのじゃなく、また、レインボープラン作物販売コーナーなんていう誰もが考えそうなことでもなくさ。第三のつながりっていうのはあるんじゃないかい?

長井市は最上川の最上流に位置するまちで、かつて米沢藩にとって
日本海の北前船とつながる舟運の拠点だった。
また、朝日連峰、飯豊連峰から流れくる清流の合流点で
町の中をくまなく水路てめぐっていて、人々と水との仲のいい付き合いが
昔から長く続いてきたまちでもある。

ま、こんな予備知識を前提にして、鉛筆をなめたのが下のメモだ。

1、循環はいのちの営み。自然は小さな循環、中ぐらいの循環、大きな循環とたくさんの循環に満ちている。それは大気、水、有機物(いのちあるもの)などの自然を構成するすべてのものに通っている摂理。

2、大気は植物と動物を通い、天空をめぐる。水は降っては大地を潤し、また天にのぼる。有機物はことごとく土に返り、養分となって次の生命に活かされていく。自然界はすべて循環。

3、環境問題は循環のなめらかにめぐるところには存在しない。環境問題は循環の渋滞から発生する。肝心なのは循環のスムーズな流れを取り戻すこと。

4、人々は昔から川を通じて交流、交易をおこなってきた。文化、産業、暮らしを相互につなぎ、運び、創りだす大切な役割を担ってきた。

5、川のもう一つの役割は、地上の水の循環の欠くことのできない一翼を担っているということ。

6、雨の一滴は川を通って大海に運ばれ、雲となって天に上り、雨となって大地を潤し、また川となって大海に至る。この大きな水の循環の中で、地上の生き物の生命活動が続いてく。

7、生きている者たちのすべての体の中に体液を持っていて、絶えず体内を循環している。(動物だけでなく草の葉っぱを切っても中から体液が出てきる。)その体内の循環は大きな循環の一部。いったん人間の体内に取り込まれた水は汗や尿となって体外に放出され、大きな循環に合流して行く。草や木に取り込まれた水も動物の体内に取り込まれた水も、大きな水の循環の一部。川―海―雲―雨―大地―川―の一行程を体内に借りているに過ぎない。

8、今、私たちが水をきれいにすること、川をきれいにすることは、とりもなおさず、私たちの生命活動を守ること、暮らしを守ること、未来を守ることにつながっていく。

9、「水のまち長井」は、暮らしの中に水が溶け込み、水との暮らしの智恵を持っているまち。ここに「川の駅」が生まれ、人々が川や水と仲良く暮らす術を広く全国に向って発信していくことは社会への一つの貢献の在り方。

10、この長井にレインボープランという有機物の循環の考え方が育ったことは決して偶然ではない。有機物の循環のまちは生まれるべくして生まれ、根付くべくして根付いた。

11、いのちの営みである水の循環と有機物の循環が、ともにまちの市民の暮らしの中に根付き、智恵となり、文化となって定着しているまち長井。

12、設立される「川の駅」はレインボープランとの関係を前面に押し出すことで、水の循環と有機物の循環をつなぎ、それを実現している模範的地域として長井市を全国に紹介し、発信する拠点として設立される。「川の駅」はその役割を果たすことで、21世紀の人類的課題である環境と循環の取戻しに応えようとする。これが「川の駅」を長井に設立する理由である。


 「それだけ?教育や、文化の話だけかい?それで飯が食えるのかねぇ。」
「いやいや何もこれで終わりっていうわけではないよ。土俵をまず描いてみてから何がふさわしいかを考えようということさ。」
「お前の話はいつもまわりくどい!」
「・・・」



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2012.02.24:kakinotane
[2012.02.25]
わくわくしますね。 (文庫 番)

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