菅野芳秀のブログ
▼「玉子と土といのちと」書評ー魚沼の友人版ー
ちょっと前まで新潟県は魚沼の改良普及員として農業指導にあたっていた友人が以下のような書評を送ってくれました。
玉子と土といのちと (創森社)
むかしむかし、新左翼という言葉がありました。独占資本からの開放、日帝の殲滅。まさに若者が社会の枠から逃れ出ようとした運動でした。
菅野さんはそれをニワトリの世界で実現したようです。
本の中ではニワトリの解放戦線をつくろうとアジっています。現在のニワトリはその大半がゲージという檻の中に数匹詰め込まれ、身動きも満足に出来なく餌も卵を産めばよいという目的でつくられただけのものを与えられています。
こう言うと何か私たちの生活が投影されているようで身につまされます。
かっての闘士がニワトリの解放区をつくって、空を飛ばしている様は実に愉快ではないですか。
文章も独特の決めつける「○○である」調を脱し、本人も言っていますが、「やさしく」かつ「語りかける」ような軽快な流れをかたちつくっています。
何故、「卵」でなく「玉子」なのか。
菅野さんの農業哲学、「ニワトリがよろこぶ」飼い方にあらわれています。
どうして、地べたをあるかなければならないのか。餌は地産地消でなければならないのか。そこに山の神様までご出馬されるから物語を一層おもしろくしています。
また、オンドリの話しなどは男どもに身の悲哀を感じさせられます。
この本は菅野芳秀そのものをさらけ出した世の人々への警告とも言えるでしょう。
ありがたい評価です。友達からこのような評価をもらえたことがうれしい。
2010.08.12:kakinotane
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[2010.08.14]
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