菅野芳秀のブログ

▼田園はいま、緑一色

田園はいま緑一色、むせ返るような緑、緑、緑の世界です。

稲はこれから、今までの体づくりを中心とした栄養成長期から、子づくりのための生殖成長期に移ろうとしています。聞きなれない言葉でしょうね。この移行期は7月中旬。この時期に合わせて農家は肥料を撒きます。子づくり応援ということですね。分施(ぶんし)といいます。撒く時期を誤れば、栄養成長を促進したりして、倒伏や病気の原因にもなっていくために、時期を見誤らないよう慎重に田んぼを観察します。

我が家では、この分施を今まで有機肥料と化学肥料が一緒になった「有機化成肥料」を撒いていましたが、今年は、息子の春平がここまで堆肥だけで育ててきたのだからと、友人の肥料店から「100%有機肥料」を買ってきました。化学肥料ですと、撒いた粒々が溶ければ根が吸収できますが、有機肥料はそうはいきません。撒いたものを土中の微生物が分解し、それを根が吸収するという行程を歩むため、その分10日ぐらいは早めに撒かなければならなくなりますし、見極めも難しい。

稲はどんどん分けつを繰り返し、田植え時期、一箇所に3〜4本植えた苗が今は20本程度になってきました。周りの田んぼに比べて6〜8割の茎数です。この辺りの農家は10a(10m×100m)あたり10俵(一俵は玄米で60kg)程度の収穫を目標としていますが、我が家では8・5俵です。農薬の助けを借りずに稲を作るには、このぐらいが妥当です。ここまでは順調に生育しています。

春平は田んぼに除草機を入れ、田面をくまなくかき混ぜました。草をとることも目的の一つですが、土中のガス抜き効果をねらっています。春に鋤(す)き込んだ稲わらは水温が上昇するほどに土中で分解され、ガスを発生して根に負荷をかけるからです。その作業も終わりました。

そろそろ、その肥料散布が始まります。10aあたり20kgの肥料を320a分。忙しくなります。

昨晩、涼しくなった庭にでてみましたら、ポッポッポッとホタルが飛んでいました。夏ですね。

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