菅野芳秀のブログ

▼ありがたくて

一週間ほどまえ、我が家の田んぼの畦を歩いていたら,鴨が2mほど先から急に飛び立った。よく見ると巣があり、そこに玉子を産んでいた。この畦の草刈りは止めておこう。
大丈夫だ、追い出したりはしない。ここは安全だ。
ゆったりした気持ちで子どもを育てろな。

この村の周辺では毎年、時期を定めて「鴨駆除」、「カラス駆除」、「鷺駆除」を行っていて、ちょっと前まで早朝から鉄砲の音が聞こえていた。
駆除するのは、鴨たちが田んぼに入り、苗を踏んだり、蹴ったりしてしまうからだという。
そうかも知れないが、苗はそんなにひ弱ではない。
たとえ踏みつけられたとしても、またたちあがり、立派に成長する。

わざと鴨を放し、草や害虫を食べさせる農法があるぐらいなのだから、被害というよりも、恩恵の方がきっと多いはずだ。実際に被害があるかどうかを点検もせずに、時期がきたからと、ただ慣行的に鉄砲の標的にされたのでは鴨たちはたまらない。佐渡のトキを絶滅に追い込んだのも、このような考え方なんだろうな。

駆除する場合は、よくよく調査し、充分検討し、なお代替案がないかを話し合った上でのことだろう。

そんなことをのんびり考えていたら、今朝、薄明るくなっころ、またもや鶏舎からニワトリ達の叫び声が聞こえてきた。タヌキかキツネか!
フトンから飛び起き、鶏舎に走った。
どこだ、どこが現場だ。
1,000羽のニワトリは12の部屋に分かれている。そのどこかが
騒ぎの発祥地。

あっ!最後の鶏舎にさしかかったときだ。
外におびただしい数のニワトリが横たわっていた。
数えれば37羽、玉子を産み出したばかりの若鶏たちだ。
キツネだ。金網が噛み千切られ、こじ開けられている。

以前、被害を受けてから、鶏舎を頑丈な資材で補強したが、一ケ所だけ
資材不足からまだのところがあった。そこをつかれた。

それにしても37羽。自然界の動物は自分(たち)の食べるもの以上は捕獲しないと聞く。タヌキはそうだ。自分が食べるものだけを持っていく。だけどキツネは違う、殺戮自体が目的なのか。異質だ。

力が抜けていく。
息子と埋葬の穴を掘りながら、どうするかを語り合う。つぶやきあう。

農業改良普及所の元職員が、内緒だけど・・・と断って、
「パンに殺虫剤を沁みこませておいて置けば、やっつけることはできるよ。」と教えてくれたことがあった。でも毒で殺すというのは、気が重い。

もちろん、もはやきれいごとでは済まされない。ニワトリがかわいそうであるだけでなく、我が家の暮らしもおびやかされている。まず残されていた一ケ所の補強だ。それでも際限なく攻守が続くだろう。「駆除」は最小限にすべきだが・・ここまで来れば・・・・・パン・・なぁ。

なぁ、キツネよ。
ムクドリや鴨やタヌキたちから、あいつは甘い奴だと聞いたのかも知れないが、俺にだって限度があるぞ。

さまざまな生き物に囲まれて・・・この自然の豊かさよ!
ありがたくって涙がでてくる。

(朝の忙しい時に、一気に書いたので、国語的なミスはごめん!
写真はないよ。残酷すぎる。)



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