菅野芳秀のブログ

▼雪がくるまえに

 
いつ根雪がきてもおかしくない時期になった。村人は毎日、天気予報を気にしながら冬の準備を進めている。

冬の準備・・、その筆頭は越冬野菜の取り込みだろうな。大根、高菜、白菜、ブロッコリー、カブ、ネギなど、畑の作物が雪でおおわれる前に屋敷の中に取り込む。雨の日の畑仕事はやりにくく、野菜はいつまでも乾かない。晴れの日を選んでの作業となるが、それがなかなか来ない。午前中に晴れていても午後は崩れてしまい、一日中晴れというのはめずらしい。西高東低・・冬型の気候は裏日本にとっては本当にやっかいだよ。それでも何とか収穫し、野菜は凍らないように貯蔵する。

第二は漬物づくりかな。南国の方達には分からないだろうねぇ。この漬物が冬の間の大切な野菜という地域。畑は厚い雪でおおわれているのだから。取り入れた大根や、その葉、高菜、白菜などを、軽く天日にあてて干し、漬け込む。漬物作りには家ごとにコツがあって、どちらかといえば年期の入った年寄り達の仕事だ。我が家の漬物には熟した柿の実がたくさん入っていて、まろやかな味となっている。うまいぞぉ。

第三は庭木や屋敷の雪囲いだろう。我が村は雪積1m50cmほどになる。手をうたなければ、雪の重みで庭木が折れてしまう。そこで、丸木や板を組み合わせての雪囲いとなるのだが、これが始まると、冬はもうすぐそこっていう気持ちになりますね。

 まだ庭木の雪囲いをやっていないのは、44戸の集落の中で我が家だけとなっていた。これがせつない。仕事が遅れているのが一目瞭然。何度か雪がふっていた。いかにも横着げで、だらしなく見える。

 「おい、早くやらないとまにあわねぇぞぉ。」と近所のオヤジ達がひやかして行く。分かっているんだよ。

 雨が降っていたけれど、やるしかないな。合羽を着ながらの作業となった。一本、一本と、丸太を運び、組み合わせていく。冷たい雨の中、鼻水たらしながら、ようやく夕方にはおわったよ。金沢の兼六園のような芸術的なものではないけれど、仕上がってみると、なかなか風情がある。

だいたいこの三つが終われば、やれやれとなるのだが、我が家の場合は、これでもまだ半分だ。鶏舎の雪囲いが残っている。

それに、畑にはまだ大根が・・・。はやく、はやく・・、雪がくるまえに・・・。分かってはいるんだけどね。 

 (写真は我が家の庭。山さくらさんのご要望に応えて)


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2008.12.04:kakinotane
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