菅野芳秀のブログ

▼秋から冬へ

 秋から冬に向かう今の季節は、壮大な「いのち」の交替期だ。
森の木々はすっかり葉を落とし、草ぐさは朽ちようとしている。

自然界全体で見れば、一つの生命の終りは、もう一つのいのちの始まり。

 やがて、それぞれが土に戻り、養分となって新しい「いのち」に役立てられていく。新しい生命に参加していく。加わっていく。いのちのめぐり、いのちの交替期。土はその舞台。

 朝日連峰のすそ野、雑木林に分け入る。
モクモクとしたやわらかい落ち葉の床。土の感触が伝わってくる。
あたりを包んでいる甘酸っぱい香り。草や葉、たくさんの生物達が土に戻ろうとして放つ醗酵の香りだ。

それらが私を柔らかく包みこむ。呼応する身体とこころ。ゆったりとした、しみじみとした感動が湧いてくる。

秋から冬、それはとても哲学的な季節だ。

(バックナンバー「シーッ静かにしよう」にも同じ世界があります。)
画像 ( )
2008.11.26:kakinotane
[2008.12.05]
山さくらさん (菅野芳秀)
[2008.12.02]
秋から冬への山は、なんか恐いですね。厳しい冬に向かっているからかな? (山さくら)

HOME

(C)kakinotane

powered by samidare