菅野芳秀のブログ

▼あついねぇ。

夏の暑さと植物の緑は良く似合う。いのちの勢いを感じるね。田んぼは今、穂が出る直前。見わたす限りむせかえるような緑だ。その只中に立っていると、身も心も全身緑で染め上げられてしまいそうな感じがする。うん、そうそう、以前、田んぼの中にポツンポツンとある柳の木を見ていて、あれはもと人間だったのかもしれないと思ったことがあった。ぼーっと立っているうちに緑に染め上げられて木になってしまったのだと。

我が家の放し飼いのニワトリたちは植物ほどの元気はない。暑さが辛いらしく、いつもは鶏舎の扉が開くと一斉に外に出るのだが、陽射しの強い日中は出ようとしない。出ても直射日光を避け、いつまでも木陰の下でたたずんでいる。この時期は食欲も落ち、水をよく飲む。どうも羽毛のマントを着ている彼らにとって、夏よりも冬の方が過ごしやすいようだ。見ているだけでも暑苦しい。

でも、このしょっぱいような盛夏の中に秋の前触れを感じることができる。夜、ホタルの頃までは確かに聞こえていた蛙の声がいつしか聞こえなくなり、代わりに虫達が鳴いている。栗のイガが大きくなってきた。そして田んぼの稲は穂をはらんで太くなってきている。もうじき穂がでる。あと40日余で稲刈りだ。稲の健康度合いを、姿や緑の濃淡などで大雑把に判断できるが、堆肥がほどよく効いているのだろう、今年のできはいい。暑苦しい季節の中、オレの気持ちの中にも秋への心構えが始まっているよ。それがどうしたのって聞かれたら・・・それだけなんだけどね。

(写真はイガ。ダブルクリックしてみるとよりはっきり見えますよ。)


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2008.08.08:kakinotane
[2008.08.11]
きれいにみえます。 (hauru)

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