菅野芳秀のブログ

▼ハラハラ

土との対話

小さいころ、よくお庭でおしっこをした。
学校から帰ると、ランドセルをしょったまま庭に駆け込んだ。
草の茂った土に、それはゆっくりと吸い込まれていく。
土と私の静かな対話。
しっとりとした草のにおいが私をつつんだ。
心の底からほっとして、私は立ち上がる。
「ただいまー」と玄関のランドセルを投げ出した。

モンゴルのゴビ砂漠でおしっこをした。
空の下で、小さな木に身をかくして。
乾いた土は、あっという間もなくおしっこを吸い込む。
ものすごいスピードで吸いこむ。
「うわっ」と思わず声をあげてしまった。

モンゴルと日本。
土はこんなにも違う。
まるで生きものみたいに、別の顔。
(以下、略)

加藤登紀子著「土にいのちの花咲かそ」(サンマーク出版)の中で見つけました。都会に生きていると、たまらなく土が恋しくなります。そう、おしっこを受け入れてくれる大地が、ね。

しかし、聞いてて、ハラハラしたなぁ。リスナーの多くは、「あんた、何言い出すの」と思ったと思う。ほんと、意外性に満ちたラジオ深夜便でした。菅野さん、お疲れさま。



●2008.09.17
●都会の案山子
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