菅野芳秀のブログ
▼堆肥散布
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日本は寒くて野菜の値が高騰していると聞いていましたが、農家の人までそういうようでは、ほんとに大変なのですね。 〜〜農家は会えばすぐに始めるのがお天気の話〜〜 農家はお天気のプロと言ってもいいのではありませんか? ほんとにそうですよね。お天気次第。お天気の具合には手も足も出ない。そのことが今実感としてわかります。 こちらは、10日間ほど、春を飛び越した夏の暑さで30度近くまで気温が上がっていました。雨も降らず、土はからからカチカチで、温室の中はうっかりすると40度以上になりました。朝、温室を開けて苗を外にだし、太陽を避けながらあっちへこっちへ移動させ、こんなの趣味だからやってられるわけですが、苗箱100なんていうのだったらできませんよね。 おまけに急に伸び出した苗を植えようにも植えられなかった。 このまま暑くなったらどうしよう!と、思っていました。 こちらで思い出すのは2003年の酷暑。 ドイツがサハラ砂漠より暑かった夏です。 連日40度を超す熱波で室内のろうそくが馬蹄型に曲がってしまいました。フランスでは多数の死者が出ました。冷房と言うものがほとんど家庭にはない気候ですから。因みに車もそれまでは冷房なしって言うのが多くありました。あのころ野菜の値段はどうだったのかしら。暑さのためにドイツワインが素晴らしくよくできた年だったというのは覚えているんだけど。 昨日から雨が降り出し、この1週間はおおむね毎日いくらかずつ雨が降る予定です。 本当に恵みの雨にほっとしました。 これ、普通の人は、 「アー先週はよかった。最高だった、このまま夏になればいいのに!」 と、気楽にバーベキューとプールとアイスとビール、って言う連想なんですが、(私もちょっと前までそうでしたけど)農業はそうはいきません。 順調に暑くなり、適度に雨が降り、雹や豪雨がないように、ほんとに天を仰いで祈りたくなります。 農業をやれば、自然に対して謙虚な気持ちになれます。 暑くなったら冷房。雨が降れば家の中にいて、自然の脅威が脅威でもなんでもなかったら人間は傲慢になるばかりです。 管野さんは寒さで鼻水が出ているようですが、私は花粉症で鼻が「壊れた水道の栓」みたいになっています。 すごいくしゃみとすごい鼻かみの音を響かせながら、今、毎日朝から夕方まで畑にいます。 写真はりんごの花。3本あって、みんな違います。これはいちばん早い木。今花摘みを手の届くところだけやっています。 梯子でも全然届かないところは、枝も切ってないので、桜花爛漫さながら。あれに全部小さい実がついて、病気と虫が蔓延して・・・・そう思うとぞっとします。 梯子に登って花を黙々と摘んでいます。ドイツには花摘みなんてありませんから、 「あの日本人いったい何をやってんだ?」 と、村の噂になっていることでしょう。 1kg 1ユーロ じゃなく 1個1ユーロ のりんごが目標ですが、パートナーのヴェルナー曰く、《1個今3ユーロにはなってるね、設備投資と手間賃が≫ まあ、いいです。半分趣味なんですから。 先週食べたのはブラジル産2010年収穫のリンゴ。南半球は季節が反対ですから。それにしたって空輸でしょう。それが6個パックでたったの180円でした。 残念ながら、去年秋からのドイツのリンゴよりずーっとおいしいです。完敗。
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