前にも書いたが、寺山修司の脚本の中にこんな一節があった。ちょっと長いが引用する。
「中学校の頃、公園で トカゲの子を拾ってきたことがあった。コカコーラの瓶に入れて育てていたら、だんだん 大きくなって出られなくなっちまった。コカコーラの瓶の中のトカゲ!コカコーラの瓶 の中のトカゲ!おまえにゃ、瓶を割って出てくる力なんてあるまい、そうだろう、日本。(後 略)」
コカコーラの瓶はアメリカ、トカゲは日本。その一節はやがて有名な「身を捨て るに値すべきか、祖国よ。」と続くのだが、最近とみにそれらの言葉が骨身に染みる。
1949年生まれの俺は、植民地日本の中に生を受け、植民地日本の中で生を閉じるだろうな。このままならば間違いなくそうなっていく。切ないねぇ。
「杉作、日本の夜明けは近いぞ。」
これは幕末の京都を背景に奮闘した、大仏次郎原作「鞍馬天狗」のキメ台詞だが、鞍馬天狗よ!それから160年経っても「日本の夜明け」は遠いぞ。悔しいが更に遠くなっていく感じだ。団塊の世代の仲間たち!もう一度かつての「こころざし」を・・・。
え?おれ?俺は君の後ろからついていくよ。
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