道具・業界用語あれこれ(10) 馬鹿と言われているけど!

今回は、「馬鹿」について少々・・・

良く使う言葉で「バカ」がついているのが「バカ棒」。

たとえば、「基礎工事で丁張(ちょうはり・・基礎の高さ(丁張から100下がりが基礎天端とか現場毎に決める)や布基礎の位置が書いてある)から1280下がりが床掘深さ」としたときに あらかじめ1280㎜に切っておいた棒を相方に渡し、ユンボで床掘をしている途中途中で床掘深さを確認させる時に使う。

この棒・・現場では頻繁に使うのですが・・あまりに便利なのになぜか「バカ」棒と言われている。馬鹿でも同じ高さに出来るからと言われているようですが・・・

これは納得がいかないので・・・検索!検索!(エバ風に!)

バカ棒はどうやら方言又は俗語で、正式には間竿とか尺丈または尺棒などと呼ぶらしい。
勝沼の考古学者M氏の説明によれば、バカ棒すなわち間竿は春日権現記という古い書物だか絵巻物にも記載があるほど伝統的な道具なのだ。建築を作る際の定規として現場ごとに製作されていた。大抵は工事の終了と共に処分されてしまうから、こんな風に残るのは極めて珍しい。これで当時の寸法の基準が判る。

裏側には名前が書いてあった。その人は宮光園の賃金支払帳に記載のある大工の一人と同じ名前だという。間竿は棟梁が造り、管理する。これで建物を手掛けた棟梁の名前も判った。

下の文字は棟梁の住所。祝むら(村)と書いてある。

・・・なるほど・・バカじゃなくて立派で伝統的な道具でした^^
2011.02.14:k-yosikazu:[コンテンツ]

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