高断熱高気密バーチャル(仮想)住宅の九回目・・
型枠に断熱材を貼り付終わったミツ・・その型枠を組み立てると、急に思い出した様に資材倉庫に走り出した。
砕石を敷き並べ転圧をしていたダンは、何が始まったのかと不思議そうに見ている。しばらくすると丸い筒を持ったミツが帰ってきた。
「その筒、何に使うの??」
興味深そうにダンがミツの持っている筒を見ながら近づいてきた。
「これはね・・・」
そう言うとミツは、小さく筒を切り始める。いくつか作ると・・・型枠の長さを測り、所々に印をつけていた。
『・・・??? 何やってるのだろう???』
今度は、小さな筒を型枠の中に入れるミツ。
「そんな物入れたら基礎に穴があくよ。」
「そうだよ・・後からだと大変だからね・・・忘れるところだった。」
「それって・・・何?」
「スリーブさ。」
「スリーブ??」
「この中を給水や排水が通るのさ。後からだと外に立ち上げるか、基礎を壊さないといけないだろう。」
「あああぁ。・・・そうか・・・・そうだよね。」
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高断熱高気密バーチャル建築(8) スカート!?基礎の話じゃないの??
高断熱高気密バーチャル(仮想)住宅の八回目・・今回はスカートについて・・
「スカート??基礎にかい???」
「そうだよ。」
ミツは、別の図面に書き足しはじめました。
「これが基本のやり方・・これの他に内側に付けるやり方もあるようだね。」
「確かに・・スカートみたいだ・・でも、なぜこんな場所にいれるの??」
「基礎断熱だと床下も室内となってるだろう。床下の土間も温められたり(冬期)冷やされたり(夏期)するんだよ。」
「それとスカートがどう関係するのだい?」
「例えば、温まった土間の熱は地中へと伝わっていくだろ。基礎の付近では、土間から伝わった熱が基礎を回りこむように外に伝わっていく・・・」
「そうか・・熱が逃げないようにスカートで・・・。」
「分かったようだね。これだと土中の基礎付近を温める効果があるから凍結深度も緩和されるそうだよ。」
「たしかに・・」
「それに、外断熱や内断熱にこだわる必要もないのさ。」
「?」
「基礎の外側と内側、両方やればいいんだよ。」
ミツは、ダンに笑顔ではなしかていた。
「両方!・・。」
「スカート??基礎にかい???」
「そうだよ。」
ミツは、別の図面に書き足しはじめました。
「これが基本のやり方・・これの他に内側に付けるやり方もあるようだね。」
「確かに・・スカートみたいだ・・でも、なぜこんな場所にいれるの??」
「基礎断熱だと床下も室内となってるだろう。床下の土間も温められたり(冬期)冷やされたり(夏期)するんだよ。」
「それとスカートがどう関係するのだい?」
「例えば、温まった土間の熱は地中へと伝わっていくだろ。基礎の付近では、土間から伝わった熱が基礎を回りこむように外に伝わっていく・・・」
「そうか・・熱が逃げないようにスカートで・・・。」
「分かったようだね。これだと土中の基礎付近を温める効果があるから凍結深度も緩和されるそうだよ。」
「たしかに・・」
「それに、外断熱や内断熱にこだわる必要もないのさ。」
「?」
「基礎の外側と内側、両方やればいいんだよ。」
ミツは、ダンに笑顔ではなしかていた。
「両方!・・。」
高断熱高気密バーチャル建築(7) 内断熱・・外断熱と同じじゃないの?
高断熱高気密バーチャル(仮想)住宅の七回目・・今回は内断熱について・・
「そうかな・・」
少し意地悪そうな顔でミツは、一枚の図面を出してきた。
「同じじゃないの?・・断熱材を貼ってある位置が違うのは誰でもわかるけど。今度は、基礎が室内扱いから屋外に変わっただけじゃないのか・・?」
「良く見てよ。ここ・・・」
ミツは、Tの形に交差した部分を指差した。
「・・・ここは、外断熱と違って断熱材が連続していないけど・・でもコンクリートとがあるから多少断熱性能が落ちるくらいだろ?」
「君が思ってるより多くの熱が逃げだしてるんだよ。君が断熱にこだわるならここも断熱しないといけないね。」
「断熱・・?貫通させるの・・・?」
「そうじゃないよ。」
ミツは、内断熱の図面に書き足している。
「もっとこだわるなら・・スカートもいるかな。」
「スカート??基礎にかい???」
「そうかな・・」
少し意地悪そうな顔でミツは、一枚の図面を出してきた。
「同じじゃないの?・・断熱材を貼ってある位置が違うのは誰でもわかるけど。今度は、基礎が室内扱いから屋外に変わっただけじゃないのか・・?」
「良く見てよ。ここ・・・」
ミツは、Tの形に交差した部分を指差した。
「・・・ここは、外断熱と違って断熱材が連続していないけど・・でもコンクリートとがあるから多少断熱性能が落ちるくらいだろ?」
「君が思ってるより多くの熱が逃げだしてるんだよ。君が断熱にこだわるならここも断熱しないといけないね。」
「断熱・・?貫通させるの・・・?」
「そうじゃないよ。」
ミツは、内断熱の図面に書き足している。
「もっとこだわるなら・・スカートもいるかな。」
「スカート??基礎にかい???」
高断熱高気密バーチャル建築(6) 外断熱・・でも気になることが
高断熱高気密バーチャル(仮想)住宅の六回目・・今回は外断熱について・・
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
ダンの興味は、床断熱より基礎断熱にあるようですが・・・
「外基礎と内断熱・・・断熱材を外に貼るか内に貼るかの違いで、同じ理屈じゃないの?」
「そう思う?それだけじゃないんだけど・・最初に外断熱について調べてみようか。」
「そうじゃないの?貼る物(断熱材)が同じなら、同じ効果になるよね・・・??」
そう言うダンもミツの言葉に同じ効果か自信はないようです。
「これが外断熱の横に見た概要図。基礎の外側を切れ目なく一周する。」
「さっき、断熱の内側は室内って言っていたよね・・だと、基礎も室内になるの?」
「そうだよ。」
「そうなら・・部屋を暖房や冷房すると、基礎自体も温めたり冷やしたりしているのか・・。」
「こっちは、縦に見た概要図。」
「そう言えば・・防蟻処理がいるとか言っていたよね?」
「外断熱の欠点を検索すると『シロアリ被害』が数多く出てくるだろう。」
「確かに・・でもこのシロアリ・・イエシロアリって言うのか・・」
「そう。建物に大きな被害を及ぼすイエシロアリは、寒冷地にはいないシロアリなのさ。でも、シロアリの被害が無い訳じゃないよね。」
「こっち(米沢)にいるのは、ヤマトシロアリと言うのか・・湿った木や腐った木が好きなシロアリ・・こいつなら見かけるよ。」
「ヤマトシロアリは、イエシロアリほど気にする必要はないけれど 気になるなら防蟻処理をすればいいよ。」
「防蟻処理?」
「防蟻処理してある断熱材や蟻の通れないグラスウールなどを使う方法 基礎の表面を化粧するモルタルをベースコンクリートまで塗るとか 方法はいくつかあるよ。」
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
ダンの興味は、床断熱より基礎断熱にあるようですが・・・
「外基礎と内断熱・・・断熱材を外に貼るか内に貼るかの違いで、同じ理屈じゃないの?」
「そう思う?それだけじゃないんだけど・・最初に外断熱について調べてみようか。」
「そうじゃないの?貼る物(断熱材)が同じなら、同じ効果になるよね・・・??」
そう言うダンもミツの言葉に同じ効果か自信はないようです。
「これが外断熱の横に見た概要図。基礎の外側を切れ目なく一周する。」
「さっき、断熱の内側は室内って言っていたよね・・だと、基礎も室内になるの?」
「そうだよ。」
「そうなら・・部屋を暖房や冷房すると、基礎自体も温めたり冷やしたりしているのか・・。」
「こっちは、縦に見た概要図。」
「そう言えば・・防蟻処理がいるとか言っていたよね?」
「外断熱の欠点を検索すると『シロアリ被害』が数多く出てくるだろう。」
「確かに・・でもこのシロアリ・・イエシロアリって言うのか・・」
「そう。建物に大きな被害を及ぼすイエシロアリは、寒冷地にはいないシロアリなのさ。でも、シロアリの被害が無い訳じゃないよね。」
「こっち(米沢)にいるのは、ヤマトシロアリと言うのか・・湿った木や腐った木が好きなシロアリ・・こいつなら見かけるよ。」
「ヤマトシロアリは、イエシロアリほど気にする必要はないけれど 気になるなら防蟻処理をすればいいよ。」
「防蟻処理?」
「防蟻処理してある断熱材や蟻の通れないグラスウールなどを使う方法 基礎の表面を化粧するモルタルをベースコンクリートまで塗るとか 方法はいくつかあるよ。」
高断熱高気密バーチャル建築(5) 床断熱・基礎断熱・どっちにする?
高断熱高気密バーチャル(仮想)住宅の五回目・・今回は床断熱と基礎断熱の違いについて・・
二人は、床断熱と基礎断熱の違いを調べ始めました。
「最近は、床断熱より基礎断熱に注目が集まっているようだね。どっちの断熱がいいのかな?」
「そうだね。それじゃ、床断熱と基礎断熱のデメリットを調べてみようか。」
床断熱・・・基礎断熱が始まる以前から行なっていた断熱方法。施工数の多い断熱方法だが・・床下に断熱材を入れるので自重で垂れ下がる事がある。それによって生じた隙間が冷気の通り道になって結露やカビの原因となる場合がある。
給排水を床下配管(最近の施工では屋外からの直接配管は少ない)とすると、床断熱を貫通するヶ所が増える。(気密工法の場合、気密処理のヶ所が増える事になる。)
基礎断熱・・関東以西では、防蟻処理が必要。(外断熱)
一年ほどコンクリートから湿気が出るので換気などの対策が必要。
湿気が抜けると、過乾燥状態となるので木製の束は使用できない。(収縮により床鳴りの原因となる。)
基礎の内側は、室内となるので冷暖房の容量が増える。
「これをみると、基礎断熱が優れているようだね。でも、基礎断熱に外側に断熱材を入れる『外断熱』と内側に入れる『内断熱』があるんだろう。どっちがいいの?」
二人は、床断熱と基礎断熱の違いを調べ始めました。
「最近は、床断熱より基礎断熱に注目が集まっているようだね。どっちの断熱がいいのかな?」
「そうだね。それじゃ、床断熱と基礎断熱のデメリットを調べてみようか。」
床断熱・・・基礎断熱が始まる以前から行なっていた断熱方法。施工数の多い断熱方法だが・・床下に断熱材を入れるので自重で垂れ下がる事がある。それによって生じた隙間が冷気の通り道になって結露やカビの原因となる場合がある。
給排水を床下配管(最近の施工では屋外からの直接配管は少ない)とすると、床断熱を貫通するヶ所が増える。(気密工法の場合、気密処理のヶ所が増える事になる。)
基礎断熱・・関東以西では、防蟻処理が必要。(外断熱)
一年ほどコンクリートから湿気が出るので換気などの対策が必要。
湿気が抜けると、過乾燥状態となるので木製の束は使用できない。(収縮により床鳴りの原因となる。)
基礎の内側は、室内となるので冷暖房の容量が増える。
「これをみると、基礎断熱が優れているようだね。でも、基礎断熱に外側に断熱材を入れる『外断熱』と内側に入れる『内断熱』があるんだろう。どっちがいいの?」