梅雨になっても感染者が増える理由

感染症の専門家ではありませんが、シックハウス診断士並びに環境アレルギーアドバイザーとして、空気環境については、自称、一応専門家の端くれ(笑)ということで意見を述べさせていただきたいと思います。

暖かくなり湿度も高くなってくると、新型コロナもとりあえずは、収束に向かうだろうという見方がありましたが、緊急事態宣言が解除以降、首都圏を中心に感染者が増加しています。

夜の街関連の方々への集中検査によるもので、2波ではないという意見が大半ですが、個人的にはまだまだ増加するような気がしています。

以前、飲みすぎと夜の街とコロナの関係
で、投稿した通り、どうしてもお酒の席では、感染リスクが大きくなるのは必然ですが、これからさらに拍車がかかるのではないでしょうか。

外気温が上がると店舗や病院・事業所のエアコンはつきものです。

エアコンを効率よく運転させるには、窓開けや換気は非効率で、湿気や虫の侵入などもありどうしても密閉空間になりがちです。

特に、ナイトクラブやキャバクラなどの風俗店舗は、ビル内での営業が大半で、窓もなく、入り口の扉も閉めているケースが多いのが現実です。

そうした中で、万一感染者が店内にいたりすると、消毒とか、飛沫・接触感染に気をつけていても、エアコンの空気循環による空気感染の恐れも生じてきます。

クルーズ船や病院での院内感染においても、換気設備やエアコンによる空気感染の可能性が指摘されており十分な注意が必要です。

住宅の換気設備は、2005年に設置義務化となりましたが、これとて使用は個人の判断に委ねられており、計画換気についての理解が不十分で、多くの家では換気不足が顕著にみられます。

また、運転していても、機器の施工不備や建物自体の気密が悪かったり、換気経路が遮断されたり、メンテナンスが悪くて、必要な換気量の半分も確保できていないケースが非常に多いのです。

住宅同様、店舗内の換気も非常にグレーであり、特に古い建物の場合には、換気設備が整っていない建物も多く、どれほどの換気量が確保されているか、お店側でもほとんどは把握できていないのが現状です。

居酒屋などは、入り口の扉を解放して、厨房の換気を運転していれば一定以上の換気は確保される部分もありますが、接待を伴うお店はなかなかそういうわけにもいかず、トイレの換気だけ運転というのも少なくありません。

いずれにしても、密閉空間になりがちな店舗の感染対策は、非常に難しいのが現状ですが、ある意味、換気はマスクや消毒以上に重要なファクターであり、ウイルスを外に出すことが一番の感染対策だと私は確信しています。

換気が悪い施設で、いくら消毒を徹底しても、今度はアルコールや除菌剤によって、呼吸器系や神経系などの疾患を引き起こす危険性が生じてきます。

業種別のガイドラインも出来ていますが、換気設備やエアコンの使用法については詳しく言及されていないのが現実で、お出かけになる場合は、お店の空調も含めた換気対策にはくれぐれもご注意いただければ幸いです。

私も、コロナ騒動以来、夜の店への出入りは自粛しておりますが、知り合いや友人の経営するお店には、ガイドラインの対策に加え、ウイルス対応の空気清浄機や空間除菌機を設置し、最低でも入り口の扉を開けて、厨房とトイレの換気は全開にしておくようにと注意喚起しています。