光熱費貧乏のリスクを真剣に考える

家電の消費電力や車の燃費比較は、比較して購入するのが当たり前の時代ですが、こと住宅の光熱費を比較する方は、まだまだ少ないのが現状です。

しかし、欧米では、エネルギーパスという制度によって、新築や中古の売買の際に、家の断熱性を評価し、冷暖房費を表示するのが、当たり前になっており、日本でもそうした動きが活発になってきており、家の資産価値を表す指標としても、今後、急速に普及していくと思います。



H23年度の総務省のデータによると、東北地方の平均的な4人家族一世帯あたりの光熱費は、年間で247,000となっております。その後のデータは公表されていませんが、電気も灯油もガスも値上がりしていることを考えれば、おそらく現在は、300,000円位になっているのではないでしょうか。

そして、今後もエネルギー価格の大幅な上昇が避けられない現状です。

先日、国際エネルギー機関(IEA)は、原油価格は2017年の1バレル=52ドルから、 25年に1バレル=88ドルと1.7倍になるというショッキングな数字を発表しました。

https://www.asahi.com/articles/ASLCF2QVJLCFUHBI00P.html?ref=newspicks

原油価格が、上昇すれば、電気もガスも灯油も値上がりするのは必然です。

日本においては、原油価格の高騰リスクにくわえ、年々上昇する再エネ賦課金や原発の廃炉費用の国民負担も考えなければならず、水面下で議論されている炭素税の導入も考慮しなければなりません。

つまり、光熱費は、生きている限り一生負担しなければならない生涯コストという考え方が必要で、出来るだけ光熱費のかからない住宅を選択しないと、知らない内に光熱費貧乏になる可能性が高いのです。

これから、家を建てる方は、断熱性能の高い家・そしてその性能が長い間維持できる家なのかの見極めが、何より重要で、いくら見た目がよくても、いくら価格が安くても、光熱費の負担が大きい家は、後々後悔する可能性が大きいのではないでしょうか。

そして、人間の身体も老化は避けられないのと同様に、家の性能も劣化していくのは必然です。

将来のこうした経年変化も考慮すると、家のQ値(熱損失係数)は、最低でも1.6・UA値(外皮熱貫流率)は0.46以下を一つの目安にし、C値(家の相当隙間面積)は、1.0以下の性能値が必須であり、24時間計画換気は、1種換気の熱交換タイプの採用をお薦めいたします。

家の断熱と気密・換気と冷暖房のバランスがよければ、家の面積㎡あたり800円前後の冷暖房費で、家中が24時間、温度差のない快適な暮らしが実現する家を造るのは、そう難しいことではありません。(120㎡で年間約96,000円)

家づくりは、家族の健康と幸福を叶えるための大事業であり、賃貸のように、住み替えや建替は、そう簡単には出来ないのです。

光熱費が負担になって、我慢や節約を強いられ、寒さや暑さが引き起こす病やヒートショックの悲しい事故・結露やカビに悩み、消臭剤や防虫剤・カビ取り剤などによってアレルギーになったりすることの無いよう、家の性能を重視した家づくりを進めていただきたいと思います。

どこのメーカーで建てようとも、今、求められているのは、少ないエネルギーで、快適に健康に暮らせて、地震にも強く・長持ちする本物の長寿命住宅だということを是非ご理解いただければ幸いです。

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