3つの温度差をなくすことが真のバリアフリー

快適な住み心地と健康に優しい住環境を創出するためには、温度差の少ない家と暮らし方が大事だということは、ご理解いただけると思います。

今日は、住まい塾などでも、よく話する3つの温度差についてご紹介いたします。

家の内と外の温度差は別にして、室内における温度差には3種類あります。

一つは、室内における部屋間の温度差で、暖房のある部屋とない部屋や空間の温度差のことをいいます。

例えば、暖房のあるリビングを20℃にした場合、玄関や廊下・トイレ・洗面・浴室などの温度が何℃になっているかということです。

冬の室内の温度差の理想は2℃~3℃以内となり、最低でも5℃以内に保てば、結露や空気の対流による寒さなどの問題は大分軽減し、ヒートショックの危険性もほぼありませんので、非暖房室の室温を最低でも15℃にして、出来れば18℃前後にしたいものです。

しかし、既存の住宅では外が氷点下ともなると、最低10℃から場合によっては15℃位の温度差となり、新築住宅でも気密や断熱が不十分な場合は、なかなか5℃以内に抑えることは難しく、抑えようとすると、それなりの暖房の容量が必要で、当然に光熱費の負担も大きくなります。

二つ目の温度差は、部屋の上下の温度差です。これは床と天井の温度差で、足寒頭熱の言葉どうり、足元が寒く頭の方が熱いと不快になりますので、2℃から大きくても3℃以内が目安となります。

この上下の温度差ですが、暖められた空気は上昇し、外部へ逃げていき、床下などから、冷た
い空気を引っ張りこんでしまうために、古い住宅だと10℃以上の温度差がつき、新築であっても気密・断熱性能が低いと、5℃から7~8℃位の温度差がついてしまいます。

そして、最後に時間による温度差です。これは主に夜間と朝の温度差となります。

つまり夜暖房を消して朝何度になっているかということですが、例えば外気温が0℃まで低下した場合に20℃の室温が15℃以下にならない家が理想となりますが、古い住宅では良くても朝の室温は、5~8℃で、新築であっても10℃前後というのが一般的です。

このように、家の性能によって、温度差や光熱費の差は非常に大きいものとなりますが、建てた後に簡単に直せるものではありません。

その家に何十年も住み続けることを考えれば、建てる前の十分な検討が必要なのです。

気密と断熱性能の優れた家では、あえて暖房を消したりつけたりすることなく、24時間運転しても、暖房における光熱費は、120㎡(36.5坪)程度の建物の場合、年間6万~7万位で済みます。

体温が1℃上がると、免疫力が5倍~6倍上がると言われています。

暖かい家に暮らすことで、時間による温度差もなくなり、一日中、どこにいてもつらい寒さを感じることなく、必然的に体温の低下を防ぎ、免疫力が高まることで、快適で健康な暮らしが実現います。

そして、湿気や結露を解消することで、耐震性の低下を抑え、家の耐久性も飛躍的に向上するのです。

大事な事は、少ないエネルギーで、この3つの温度差をなくすということで、そのためには、気密・断熱・換気・冷暖房のバランスが必要であり、開放的な間取りと暮らし方も重要なポイントとなります。

温度差や空気のバリアがない家こそが、真のバリアフリー住宅と言えるのです。









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