外断熱が家族を守る 〇リビング階段の落とし穴

  • 外断熱が家族を守る 〇リビング階段の落とし穴
新婚さんや小さなお子さんのいるご家庭では、リビング階段を希望するお客様が非常に多くいらっしゃいます。

弊社では、宅建業の免許も有しており、時折不動産の売買についてご相談を受けるケースがございます。たまたま私がご相談いただいたお客様の家にいった時の話を紹介したいと思います。

そのお宅は、築一年で外断熱を盛んに謳っているメーカーの家のリビング階段の家でした。

玄関を開けると体感的に12~13℃位の室温で、外が5~6℃だったので、寒いという程ではありませんが、暖かさも感じられませんでした。

ドアを開けリビングに通されるとエアコンが動いており、20℃位はあり普通の暖かさは感じます。

何気にリビングの中を見渡すとキッチン横にもドアがあり、閉めてあるのです。

そして、階段に何と厚手のカーテンが下がっているのです。

他人様のお宅なので、あれこれ聞くわけにもいきませんので、あくまで想像の話ですが、このお宅では普段リビングしか暖房をつけていないと思うのです。

そして部屋のドアを開けていると寒いのか、暖房費の節約のためかわかりませんが、いる場所だけ暖める局所暖房の生活をしているということなのです。

2階もおそらく暖房はしていないのだろうと思われ、そうした状態によって、空気の対流が起き、2Fの寒い空気がリビングに流れてくるのでロールカーテンをつけているのだと思うのです。

〇〇の家も、さほど断熱性能の悪い家ではないはずなのに・・・。

帰る際、リビングのドアを開けるとぶるっと寒さを感じ、外に出て思わずもったいないなあ~とつぶやいてしまいました。

しかし、リビング階段の家で、こうした暮らし方をしている方が結構多いのも現実の問題で、リビング階段の家で、快適に暮らすには、家の性能にプラスして、住まい方にも注意が必要なのです。

リビング階段にもメリットもあればデメリットもございます。

そしてまたリビング階段の家に必要な断熱性能もあれば、適した暮らし方や暖房法もあり十分検討が必要です。

例えば断熱性能の低い家だったり、十分な性能があっても紹介したお宅のように人がいる部屋だけ暖めてドアは閉めきっていたり、2階が無暖房だったりすると空気の対流がおきて、2階の冷気が階段より入り込んでくるのです。

こうなると、リビングでいくら暖房をしても暖かさを感じないばかりか、スース―と風を感じたり、場合によっては、暖房のない寒い部屋での結露も生じてくるのはご理解頂けると思います。

そして、リビング階段にして失敗だったと後悔しながら、階段の入り口にカーテンやスクリーンをつけたりするのです。

こんな暮らしを誰が想像したことでしょう?

多くのお客様は、お子さんとの良好なコミュニケーションを図ったり、躾をよくしたいとの想いから、リビング階段を要望します。

しかし、こうした状況ですと2階への行き来さえも双方のストレスとなり、コミュニケーションどころではなくなります。

また、敢えて書かせていただきますが、リビング階段はプランの構成上、ダイニングやキッチンにほど近い位置となるケースも多いため、掃除が苦手なご家庭などでは、後々のストレスになる事も想定しておかねばなりません。

またお子様の思春期や反抗期・大学や社会人として独り立ちした時のことも考慮しなければなりません。

そもそもリビング階段は、親子間の良好なコミュニケーションを形成する為の一つの手段であって目的ではないはずです。

そこをはき違えて選択すると、あとあと後悔する可能性もあるということです。

リビング階段にしなくても、親子のコミュニケーションを図る方法はいくらでもあるはずですし、いい子に育てるために、教育のあり方や愛情のかけ方など、私達親が考えなければならないことはたくさんあると思います。

そもそもしっかりとした夫婦・親子間の信頼関係が築かれ、深い愛情に包まれて育った子どもはリビング階段であろうとなかろうと間違いなくいい子に育つと思います。

建築の話からそれ、夢のない話になってしまいましたが、この本は弊社で限らず、これから家を建てようというお客様の家造りが失敗しないよう、少しでもお役にたてるように正直に書かせていただいておりますので、何卒ご容赦下さいます様お願い申し上げます。

なお、弊社の外断熱の家ほど【四季を通して】リビング階段に適した家はないものと自信をもってお薦めいたします。



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