地区有志の方が休耕田ではぐくんでいるハスの花が咲き始めた。
この春にその存在を小耳にはさみ、花の季節の到来を心待ちにしていた。
ただのハスではない。1951年千葉市内の遺跡から発掘され、翌年2000年以上の眠りから覚めて発芽した貴重なハスの末裔だ。
遺跡の発掘現場からたまたまハス花托が出土したことを聞いた植物学者が、小中学生や一般市民の協力を得て発掘した3粒のうち、1粒だけ発芽させることに成功した貴種(稀種、奇種)だ。
1952年7月18日に初めて開花したこのハスは、植物学者(大賀一郎)の名をとって『大賀ハス』と命名され、米国ライフ誌に「世界最古の花・生命の復活」として掲載されたそうだ。
発掘現場の遺跡の年代から、縄文末期~弥生初期と推定されるこの古代のピンクを、まずはじっくりと観賞しよう。
心が洗われるような上品な色合いに、2000年以上前の人たちは同じこの色を見てなにを感じ、どんな生活をしていたのか、瞑想は尽きない。
フラワー長井線の上り列車がハス田の横を通過して時庭駅に入っていった。
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