街路樹の下にそっと寄り添う恋人たち、母との幼いころの思い出への感慨にふける詩人、雨の中人生に疲れてじっとたたずむ女性、そんな心象風景にはアカシアの白い花がよく似合う。
『アカシア』という響きにロマンと哀愁を感じるのは歌の文句に毒されている証拠か?
ニセアカシアの樹がいっせいに花をつけ、わが散歩路も、白川の両岸も、川向こうの愛宕山の斜面も真っ白な花におおわれている。ものすごい量だ。
歌の文句も、野川にかかる橋の名前もニセアカシアでは興ざめだが、由来はこのニセアカシアの白い花にあることは間違いない。
『アカシアのはちみつ』も同様で、今の時期ミツバチたちがこの花から集めるものだそうだ。
このニセアカシア、生長が速く、やせた土地でもよく育つのが特徴。逆にその強い生命力が在来植生を乱す外来植物として問題になっているそうだが、すずしげで清楚なこの花の一つひとつは好ましい。
尚、アフリカのサバンナの写真などで、だるそうに寝そべっているライオンのバックにポツンポツンと単独で立っているのがアカシアで黄色い花をつけるそうだ。
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