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▼PSP-GPS>PSP本体時刻の正確性と初期捕捉時間

1.はじめに
 PSP本体の時計を正確に合わせると衛星を捕捉し易いと言われているが本当だろうか。
 そこでPSPの時刻をわざと狂わせた状態での捕捉動作を確認する実験を行ってみた。

2.結論
 PSP本体の時刻を狂わせた状態からスタートしても位置がFIXするまで35秒程であり、衛星から情報を得る為に30秒要する事から考えてもPSP本体の時刻の影響はほとんど受けていないものと思われる。
 PSP本体の時刻が狂っていたとしても、衛星の電波が受信できた時点(数秒レベル)で衛星側の時刻が反映されるようであり、捕捉時間の大幅短縮に効くとは思えなかった。


3.実験の詳細

3−1.実験機材
 本体:PSP-2000
 ソフト:MAPLUS2
 自作USB延長ケーブル使用(先の項で紹介しているVersion2ケーブルで、GPSレシーバへの電源はPSPからではなく、別に供給する構造となっている。)

3−2.実験場所
 山形県南部の屋外(北向きに駐車した車のダッシュボード上にPSP-290を設置)

3−3.実験方法(手順)
 以下の手順で実験を行った。
 なお、前日使用した後使用していないので、衛星の位置情報は「期限切れ」状態であり、「コールドスタート」になるはず。

1)PSPを起動し時刻を1年戻す。(実際には日時変更操作時、時刻表示が止まるので、その分の遅れも加算されます。)

2)自作USB延長ケーブルを介しPSP-290を接続
 (但しこの時点ではPSP-290には電源を供給しない。)

3)MAPLUS2を起動し、「あしあと」の記録を設定する。
(「あしあと」記録設定前に、「設定」メニューにある「あしあと記録間隔」を「短」(1秒毎)に設定しておく)
・・・PSP-290が動作するまでは「あしあと」本体のファイル容量が0から増加しない事を別の実験で確認済。(つまり、記録されたデータはPSP-290起動以降)

4)PSP-290に電源を供給し、衛星を捕捉させる。
 捕捉後しばらくログを継続。

5)「あしあと」記録の設定を解除し、MAPLUS2を終了する。

6)PSP本体の日付をあわせなおす。


 以上の手順でログした「あしあと」データをPCで読み込ませ(USB経由でも
MS経由でも可)データを解析した。


注1.PSPの日付を1年戻した関係でフォルダ名も1年戻った日付となっている。
注2.衛星を捕捉する前は約3秒毎,捕捉後は約1秒毎に「あしあと」が記録されている。   (ここで言う「捕捉」は2D以上のモードで位置算出された状態。)


4.「あしあと」データから見る捕捉までの動作
 出力された「あしあと」データより、衛星が捕捉されるまでの動作を追った。
 (「あしあと」データはGPSで標準的なNMEAフォーマットに準拠。以下の説明で"GPxxxセンテンス"という記述は、NMEAフォーマットの文を示す。)

1)2009年8月20日185000(JST)頃から実験開始(PSP-290に電源供給)した。
  (時刻は、別のGPSレシーバの時刻表示による。ただし手動で電源を入れているので秒単位での狂いが含まれます。)

2)PSP-290に電源を供給後、6秒後位からあしあとデータが記録
 (PSP-290自身の起動に若干時間を要するものと思われ、それが数秒。)
 (この時点のGPRMCセンテンスに出力される日付は080820で、PSP本体のクロックが反映されているものと思われる。)

3)9秒後時点で5基の衛星をキャッチ
 (GPGSVセンテンスに出力される受信可能衛星数が5基)

4)18秒後時点でGPGGAセンテンスに出力される時刻が合う。(日付は何故か080821)

5)24秒後時点でGPRMCセンテンスに出力される日付が090820に合う)

6)35秒後位から3DでFIX(GPGGAセンテンスに出力される位置算出に有効な衛星数は5基)
 データロガーGT-730F(L)の書き込みの「A-GPS」の項で説明しているように、位置を特定する為の衛星の位置・軌道情報を得るのに30秒要しますので、30秒台で捕捉できるのはA-GPS機能のないレシーバとしては優秀だと思います。

7)その後、36秒後時点でGPGSVセンテンスに出力される受信可能衛星数が9基,37秒後に10基,39秒後に11基,50秒後に12基にまで増加し、その後11〜12基の間となった。
  またGPGGAセンテンスに出力される位置算出に有効な衛星数は63秒後まで5基のままで推移し、64秒後から6基となった。
 なお74秒後から「DGPS」モードとなった。(GPGGAセンテンスに出力される受信ステータスが1から2に変わる。)


注)
 本実験は捕捉過程のログ(「あしあと」)を取る関係もあり、通常の使用方法とは異なる点がある。
 一番の相違点はGPSレシーバへの電源を供給するタイミングである。

 本実験ではGPSレシーバを別電源で動作させ、MAPLUS2が起動させ「あしあと」設定後レシーバに電源を供給している。

 通常の使用方法ではGPSレシーバはPSP直結であり、MAPLUS2起動中に電源が供給される。
(電源供給のタイミングでGPSレシーバに設定の為のコマンドが送られている可能性があるが、残念ながら確認のすべはない。)
 この使用方法の場合、(本体がPSP2000以降であれば)屋外の空が見渡せる場所であればMAPLUS2起動中に捕捉してくれる。

 本体がPSP1000の場合PSP本体からのノイズのより初期捕捉に時間がかかるが、ノイズ以外に要因がないかを確認する為の一つの実験が本実験の目的である。


●2009.08.21
●cwk
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