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▼ICレコーダ ICR-PS004M>プラグインパワー仕様調査

現在、民生用の機器に使用されているマイクのほとんどは「エレクトレット・コンデンサ・マイク」と呼ばれるタイプ。

このマイクは、マイクエレメント内にアンプが内蔵されている為に、そのアンプを動作させる為に電源が必要である。

その電源を信号ケーブルを利用し、録音機材側から供給する仕掛けが「プラグインパワー」である。


「プラグインパワー」の録音機材側の基本回路は以下の通り。

入力端子には以下の2つの回路が接続されている。
・録音回路の入力回路と、コンデンサを介して接続。(プラグインパワー用の直流電圧と、入力回路側の直流電圧の違いをカットさせる為。)
・数ボルト程度のマイク用電源から抵抗を介して接続。(これがマイクに対する電源になる。抵抗は信号の負荷にもなるのであまり小さな値の抵抗は使用できない。)
 このような回路にする事で、信号とマイク電源を分離する事が出来る。
(マイク側は逆の方法で分離。もっともマイク側が「2端子」のマイクが使用されていれば、マイク側では分離不要)


「プラグインパワー」だが、実はメーカーや機器によって仕様が異なり、基本的には同一メーカーのものしか対応しないと言われる。

今回ICレコーダ ICR-PS004Mに接続して試したのが、SONYのカセットウォークマンWM-GX622に付属していたもの。
一応接続して音が拾える事は確認してみたが、電気的に問題がないものか、検証を行う為の電気的な挙動を一応「測定」してみた。

その方法は・・・入力端子の電圧を、無負荷(OPEN)時と抵抗を接続した時を比較し、
・無負荷電圧(開放時電圧)
・電源間に接続される「負荷抵抗」
を測定・算出する
というもの。

実験に使用した抵抗は手持ちの中から選定した、5.6k,3.9k,2.2k,1.0kの4本。

3台の機材(WM-GX622,MZ-R90そして,ICR-PS004M)について、OPEN時と5.6k,3.9k,2.2k,1.0kの各抵抗を接続した時の電圧を測定、「抵抗分圧回路の電圧算出」の公式を変形して抵抗を求めてみた。

その結果が以下

WM-GX622(動作が怪しくなってきており正しく測定出来ていないかも)
・開放時電圧:2.14V
・負荷抵抗:約7.5kΩ(実装は7.5k?)

MZ-R90
・開放時電圧:2.46V
・負荷抵抗:約6.7kΩ(実装は6.8k?)


ICR-PS004M
・開放時電圧:2.56V
・負荷抵抗:約4.1kΩ(実装は3.9k or 4.3k?)

このような結果となり、この程度の違いは全く問題ないものと判断している。


さて・・・「プラグインパワー」で注意しなければ、パソコンのマイク入力端子。
「プラグインパワー」で同じ3極の3.5mmφプラグを使用しているが・・・
オーディオ系機器のように、L,R極が接続されているわけではなく、R極の部分が電源そのもの(一応、モノラルプラグ挿入時の事故防止を兼ねてか、抵抗は入っている)で、L極が信号ラインだけで電源が供給されないという「モノラル」使用の模様。
つまりオーディオ系機器の「プラグインパワー」とは全く互換性がない、という事。
(VersaPro VA10Jで確認したが、WEBを漁って調べてみると、基本的にPC関係(SB互換)はこのような回路らしい。)
→以前MS907をVA10Jに接続して「生録」試した事あったけど、Lchしか記録されていない、という事になる。
VA10JにはLINE入力もないので、別にオーディオ入力のインターフェース付けないとSTEREO録音は無理って事。

なお、PCのマイク入力(LINEもだけど)は、オーディオ系の機器と比べるとレベルが高めになっているようで、それによるレベル設定の不具合も出てくるみたい。

※PC関係ですが、最近は事情が異なるようで、STEREO対応のマイク入力を持つもの(オーディオ機器用マイクと互換性あり)があるようです。
「気の迷い」様サイトに以下のようなレポートがあります。
http://www.kansai-event.com/kinomayoi/post_denki_2010B.html#D20100817_1


●2011.08.21
●cwk
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