ハモコミ通信2017年5月号

  • ハモコミ通信2017年5月号

今月も、「まちネタ」(街で見つけたコラムに潜むコミュニケーションのネタ)をお楽しみください。


 

◎時間活用

 時間は、二度と取り戻せない資源です。

 借りることも、貸すこともできず、また、貯めようと思っても貯まらないものです。

 この大切な時間をいたずらに蝕(むしば)む生活をしている人がいます。

 その一つに、心配ごとで多くの時間を潰(つぶ)してしまうことがあります。また、後悔ばかりしていると、否定的な感情に時間を食い尽くされてしまいます。

 そのような時には、考え方を変えてみるとよいでしょう。例えば、「これまでのことは人生のリハーサルだ。今からが本番だ」と思い直すのです。

 人生は、山あり谷ありです。どん底まで落ちたら、あとは上を目指して少しずつでも上っていくのみです。

 人は生まれてから死ぬまで、時の刻みによって、一刻一刻と命が少なくなっていきます。時の刻みは、生命の刻みともいえるでしょう。

 時の刻みは無限に続きますが、私たちの生命の刻みは有限です。だからこそ、今を力いっぱい生きていきましょう。

 

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<コメント>

 一般的に時間を潰す、っていうと、ゲームなどにふけるっていうイメージですが、心配ごとや後悔にかられている状態も時間つぶしだ、という観点が面白いですね。

 確かに生産的じゃないし、パッと切り替えられるなら大きな時間の節約と言えるでしょう。

 何より健全な気持ちで時を刻むことによって、豊かな人生を過ごせるわけですものね。

 実は私もほぼこれと同じ言葉に39歳の時、出合いました。

 田中真澄氏(ヒューマンスキル研究所所長)の次の言葉です。

 「人生は今日が始まり。きのうまではリハーサルです」

 ものごとが思うようにいかず、自分の気持ちのコントロールがうまくできないときに非常に役立った言葉です。

 そういう先人の言葉も借りながら、ともすると浮かんでくる自分の中の負の感情と付き合っていきたいものですね。

 


 

◎三猿の教え

 「見ざる・聞かざる・言わざる」の三猿で有名な日光東照宮。

 その前後に、人間の一生を象徴した、合計八場面の猿の彫刻があることをご存知でしょうか。

 ①手をかざして遠くを見ている母猿
  (子どもの幸せな未来を願う)

 ②見ざる・聞かざる・言わざる
  (幼少期は悪いことを見たり、聞いたり、話したりせず、素直なまま育ってほしいという親の思い)

 ③座っている猿
  (独り立ち直前の様子)

 ④上を見上げている青年期の猿
  (青雲の志を抱く)

 ⑤下を覗き込む猿と背中に手を当てる猿
  (困難に直面するが、周囲の励ましで乗り越えていく)

 ⑥もの思いにふける様子の猿
  (恋愛の悩みを通して成長する)

 ⑦仲睦まじい二匹の猿
  (夫婦で荒波を乗り越えていく)

 ⑧お腹の大きい猿
  (子猿もやがて自分が親となり、やっと親の苦労がわかる)。

 これらの彫刻は、人間の生き方を示す手本でもあり、子を思う親の愛情の深さを教えてくれます。

 職場人として、家庭人として、親の思いに応えることができるよう、今を精一杯生きていきましょう。

 

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<コメント>

 まったく知りませんでした。調べてみたら、猿の表情だけでなく、周りの描写が猿の心境を表現しているようですね。

 修学旅行で見たときはそこまで思い至らず、三猿はちらりと見ただけで、陽明門の絢爛さに感動したのを覚えています。

 彫刻から何を読み取り、何を発信するか、というところにその人の芸術性が発揮されます。

 このコラムを書いた方は「親の思いに応えるためにも、仕事人として家庭人として精一杯生きよう」というまとめ方をされました。

 「親孝行したいときには親はなし」ということわざもありますが、子が精一杯生きている姿は、仮に亡くなった親でも天国で喜ぶことでしょうね。

2017.05.08:壱岐産業:[事務局ノート]