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ハモコミ通信2007年2月号

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「聞き出す」技術 その2        

      

 ビジネスコミュニケーションの中で、非常に重要な位置を占める「聞き出す」技術。
 
 しばらくはこのテーマに絞ってみたいと思います。
 
 数あるその技術の中で、一番大切なのは「ラポール」(お互いに信頼関係が築かれている状態)です。これについては、2005年5月号、6月号でも特集しましたのでご覧ください。
 
 「相手の状況をしっかり理解した上で、より良い提案をしたい」、と思っても、相手もこちらを信頼してくれないと深いところまでは教えてくれません。信頼は小手先で培えるものではありませんが、コミュニケーション技術がお互いの距離を縮める役割を果たすことに異論はないでしょう。
 
 今回は、「オウム返し」または「バックトラッキング」と呼ばれているものについてです。
 
 「先週釣りに行ってね、結構大物釣れたんだよ」「へぇ、大物が釣れたんですね。すごいですね」
 
 よくある会話ですね。このあと、「何cmくらいあったんですか?」とか「かなり重かったですか?」などと続いていくのでしょう。実はこのさりげないやり取りの中にちょっとした技術が入っていたんですよ。お気づきでしたか? 単に「へぇ、すごいですね」ではなく、「大物が釣れた」という相手の言葉を繰り返しています。
 
 このように、相手が発した言葉の一部を繰り返す効果は2つあると言われています。
 
 1つ目は、しっかり聞いてもらっているな、という安心感です。
 
 2つ目は、言葉には表れない「YES」が相手に蓄積していく効果です。わかりますか?

「大物が釣れたんですね」と言われた瞬間、「YES」が宿るのです。自分が言ったことが繰り返されているのですから、「NO」になるはずがありません。

 これは相手がコチラを批判しているときにも使えます。例えば「ずいぶん高いねぇ」に対して、「そんなことはありません」は、相手に「NO」を言っていることになります。一旦「高いと感じていらっしゃるのですね?」といえば、相手の無言の反応は「YES」です。そのあとで「実は・・・」と反論していけば相手も聞く耳を持ってくれるでしょう。

 バックトラッキング技術には、①相手の話した事実を繰り返す ②相手の気持ちを繰り返す③相手の話した内容を要約して返す の3通りがあります。これらを適度に織りまぜていけば、会話は心地よくなり、短時間で相手とのラポールを築けることでしょう。

2007.02.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2007年1月号

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「聞き出す」技術 その1        

      

 ビジネスコミュニケーションの中で、非常に重要な位置を占める「聞き出す」技術。

 しばらくはこのテーマに絞ってみたいと思います。

 数あるその技術の中で、一番大切なのは「ラポール」(お互いに信頼関係が築かれている状態)です。これについては、2005年5月号、6月号で特集しましたのでご覧ください。

 じゃあ、2番目は? これもこれまで何度か特集してきましたが、言葉以外のサインを見逃さないということです。コミュニケーションにおいて話の内容そのものが占める割合は、7%に過ぎないと言われているからです。

 今回はその中でも「沈黙」について考えてみましょう。

 沈黙には以下の7つの種類があるそうです。
  ①呆然(ボウゼン)の沈黙 ②不明の沈黙 ③一時停止の沈黙 ④嫌悪の沈黙 
  ⑤躊躇(チュウチョ)の沈黙 ⑥遠慮の沈黙 ⑦自明の沈黙

 質問に対して相手が沈黙したとき、この判断を誤らないことです。まずはしばし待ってみることですね。そして目線で「どうですか?」とやさしく催促しましょう。それでも話が切り出されない場合、どれかを想定して質問を投げかけるしかありません。

 例えば①の場合、これまで考えたこともなかった質問をされたということですから、 「普段あまりそのようなことを考えていらっしゃらないかもしれませんね。あえて考えてみるとすると、ああ、そう言えば・・・、なんていうことはありませんか?」

 ③は、相手が複数いて、誰が答えたほうが適当かお互いさぐっているような状態をさします。したがって何かそういうサインが見て取れるはずなので、「○○さん、いかがですか?」で話が続くと思います。

 ⑥の場合は、正直に答えたら失礼かも、っていう気持ちなわけですから、「いろいろなご意見があって当然だと思いますので、どうぞ否定的なご意見も含めて、遠慮なさらずにおっしゃってみていただけませんか? どんな意見もとても参考になりますので」

 いずれにしても、相手の心情に配慮したやり取りがなされれば、それ自体がラポール形成に役立ちますね。

2007.01.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2006.12

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FBI式ウソ発見器        
        

  「目は口ほどにものを言う」ってどんなことでしょう? 

 いろんな意味で使われているのでしょうが、2004年7月号の「目線の動き」についての記述はご記憶にありますか?

 右の図にあるように、過去の映像(イメージ)を思い出すとき、人は左上に目線をおくことが多いようです。未来のイメージは右上に目線が動きます。左は過去、右は未来です。そして、上方向はイメージ(視覚的要素)、横は音(聴覚的要素)、下は体感覚的要素といわれています。

 もちろん人によって違う場合もあるので実験が必要です。

 FBIの犯罪捜査官はまずさりげなくこういう質問をします。「夕べは何を食べた?」「おとといは?」

 この質問で目線が左上にあったら、この人のパターンが確定します。そこでズバリ「ところで事件当時のこの時間帯は何をやっていましたか?」です。

 左上に目線があったらその答えは信用度が高まりますね。反対に右上を見ながら答えたら・・・? そう、この人ちょっと怪しい、となるわけです。

 あなたならこのことを何に使いますか?

2006.12.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2006.11

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アンケートの落とし穴        
        
       
 しばしば目的そのものが???のアンケートを見かけます。

 例えば講演会の感想を尋ねるとき「本日の講演はいかがでしたか?」 よくある質問です。

 もちろん間違いとはいえませんが、目的にかなっているかどうかは疑問です。お客さまの感想を聞いて次回の企画に生かしたい? 確かにそれも目的の一つでしょう。しかし、もっと大きな目的があるはずです。来てくれたお客さんに「今日の講演はとても良かった。主催してくれた方々ありがとう」となってほしいんじゃないでしょうか?

 ただ感想を聞かれると「ユーモアが足りない」「○○のところがわかりにくかった」などマイナス面だけを書いたり、「エアコンの音がうるさかった」「駐車場が混んでいた」など、末節の感想で終わりという人もいます。じゃあ具体的にどうすればいい?

 『本日の講演のどのあたりが参考になりましたか?』『講演のどんなところに惹かれましたか?』『さっそく実践できそうな点はどんなところでしたか?』

 まずは本題の中でのプラス面にフォーカスしてもらうことを忘れてはいけません。その上で次のように聞けばいいと思います。

 『講演会をもっと良くするにはどういう点に気をつければいいでしょうか?』

 大命題は何か、をはっきりさせ(例:企業イメージのアップ、商品やサービスの認知度アップ等)、運営の改善は小命題である、という認識に立つということです。

 私が定宿にしているあるホテルは、小さいながら接客と朝食のおいしさが特徴です。あるとき、部屋に顧客満足アンケートハガキがおいてありました。

 『当ホテルの接客はいかがですか?』『当ホテルの朝食はいかがですか?』コレです。

 同時にスタッフの教育にもなっていますね。ココを特にがんばるんだよ、と。

2006.11.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2006.10

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コミュニケーションの本当の意味 その2        
         
                              
 コミュニケーションの本当の意味とは、どういう反応が実際に引き起こされたか、ということでしたね。

 ある催眠術師に男が言いました。「オレは絶対に催眠術になんかかからない」

 催眠術師は何かを紙に書きつけると、「よろしい。では始めましょう。あなたは少しずつ催眠術が効いてくる。だんだん体が重くなって立ち上がれなくなる・・・」 そこで、男は得意げな顔で立ち上がりました。催眠術師はニッコリとポケットから先程の紙を取り出し、会場のみんなに見せました。そこに書いてあったのは、「あなたは今、立っている」でした。

 これは催眠術というよりは心理学ですね。私もこれを中学生に実験してみたら、まさに引き起こしたい結果どおりになりました。反抗的な人にはわざと逆のことを言う、というワザもときに有効ですね。

 窓口の人が、おしゃべりしながらモタモタと書類を持ってきて、無愛想に「ここに名前と必要事項をお書きください」と言ったとします。そのコミュニケーションの本当の意味は?

 「必要事項を書いてください」ではなく、「お客様、怒ってください」というものである可能性が非常に高いというのはいうまでもありません。

 以下は、ずいぶん前のハモコミ通信に書かせていただいたことです。コミュニケーションにおいて、実際に話された内容が占める割合は7%ほど。38%はそのときの声の大きさ、高低、テンポなど。そして、残りの55%は顔の表情や目線の合わせ方、間の取り方、体の使い方など、いわゆる非言語表現が占めています。

 望む結果を考えると、ときには「沈黙は雄弁」も大いにありですね。

2006.10.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2006.9

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コミュニケーションの本当の意味 その1        
                             

 お母さんが子どもにこう言ったとします。「今から出かけてくるけど、留守中に冷蔵庫のアイスクリームは食べないでね。」 さて、結果はいかに? ご想像のとおり、多くの子どもは耐え切れなくて食べちゃうのです。お母さんは叱ります。「食べないで、って言ったでしょ!」 このような経験ありますよね。

 さて、実はこのお母さんの言い方にも問題があった、って言われたらどう思いますか?食べない自分をイメージするには、一旦食べるイメージを脳の中で作りあげなければならないのです。そのイメージが快感だとしたら? そう、実行されてしまうのです。脳の働きからして、この場合「食べなさい」というコミュニケーションだったと言えるのです。

 では、どのように言えばよかったのでしょうか? 「今から出かけてくるけど、冷蔵庫のアイスクリームはお母さんが帰ってくるまで待っててね」 似てますが、今度は「待つ自分」というものを素直にイメージできます。つまり肯定的な表現がいい、ということです。

 「事故にあわないようにね」っていう表現は、一旦事故にあうことをイメージするか(マイナス効果)、まったく何もイメージされないか(薄い効果)です。「安全運転で気をつけてね」って言われれば、いろいろなことに気をつける自分がイメージされ、実際そのような行動をとるっていうわけです。

 コミュニケーションの本当の意味とは、どういう反応が実際に引き起こされたか、です。肯定的なものしかイメージできないという脳のしくみを知っていると、効果の高い伝達が期待できるのです。相手にこちらの意図したとおりの行動をとってもらいたい場合、考えたい側面の一つですね。次号で別の側面のお話をしたいと思います。

2006.09.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2006.8

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『あなたの中の最良のものを』
  by マザー・テレサ
        
                             
                               
  人は不合理、非論理、利己的です。
  気にすることなく、人を愛しなさい。

  あなたが善を行うと、利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう。
  気にすることなく、善を行いなさい。

  目的を達しようとするとき、邪魔立てする人に出会うでしょう。
  気にすることなく、やり遂げなさい。

  善い行いをしても、おそらく次の日には忘れられるでしょう。
  気にすることなく、し続けなさい。

  あなたの正直さと誠実さとが、あなたを傷つけるでしょう。
  気にすることなく正直で、誠実であり続けなさい。

  あなたが作り上げたものが、壊されるでしょう。
  気にすることなく、作り続けなさい。

  助けた相手から、恩知らずの仕打ちを受けるでしょう。
  気にすることなく、助け続けなさい。

  あなたの中の最良のものを、世に与えなさい。けり返されるかもしれません。
  でも、気にすることなく、最良のものを与え続けなさい。

人生の秘訣は「与えること」と多くの成功者が語っています。与えれば与えるほど実は受け取るものが大きくなると。講演家吉野真由美さんによれば、プレゼンはプレゼント。

お客さまにとって最良の「時」をプレゼントできるよう心がけたいものです。

2006.08.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2006.7

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エニアグラム 9つの性格タイプ その2        
                            

 前号の続きです。「人間には生まれながらにして、その人を生かす力が与えられており、その力の特徴は9種類に分類できる」というエニアグラム。「世界中のすべての人は9つの性格タイプに均等に分かれる」というのです。お国柄や文化的背景よりも個人の特質に目を向けましょう、というわけです。日本人がみな勤勉でまじめじゃないように、ブラジル人だってサンバばっかり踊っているわけではありませんもの。

 各タイプにはそれぞれニックネームがあります。典型的な有名人と共にご紹介しますね。

タイプ1:完全でありたい人、改革者  星一徹、ガンジー、王貞治、イチロー

タイプ2:人の助けになりたい人    ドラえもん、黒柳徹子、アルプスの少女ハイジ

タイプ3:成功を追い求める人     峰不二子、シュワルツェネッガー

タイプ4:夢見る人、特別でありたい人 フーテンの寅さん、スナフキン、三谷幸喜

タイプ5:観察する人、調べる人    シャーロック・ホームズ、福田康夫

タイプ6:忠実な人、慎重に行動する人 マスオさん、小渕恵三、松井秀喜

タイプ7:楽しむ人、熱中する人    サザエさん、チェ・ジウ、明石家さんま

タイプ8:挑戦する人、統率する人   村田英雄、細木数子、美空ひばり、清原和博

タイプ9:調和と平和を望む人     ドカベン、西郷隆盛、マザー・テレサ

 どうでしょうか。このニックネームだけで判断してもらっては困るし、人を9タイプに当てはめることが目的になると、かえって人間関係を損ないます。上記はあくまでエニアグラムに興味を持ってもらおうという意図です。ぜひ本を読んでみてくださいね。
 
 鈴木秀子著 「鈴木秀子のエニアグラム活用術」  和泉育子著 「はじめての人間関係ノート」
 安村明史著「9タイプ・コーチング」  レニー・バロン他著「エニアグラムでパートナー探し」

2006.07.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2006.6

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エニアグラム 9つの性格タイプ その1        
                             


 「世界中のすべての人は9つの性格タイプに均等に分かれる」って言われたら「ホント?」って思いますよね。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、心理学では結構有名なエニアグラムという考え方です。表現を変えると「人間には生まれながらにして、その人を生かす力が与えられている。その力の特徴は9種類に分類できる」となります。

 例えば、ひき逃げ事件を目撃した場合、あなたならどう行動するでしょうか? ①車のナンバーをメモり、可能なら車を制止する ②「どうしよう」とドキドキし、「倒れた人を助けなきゃ」って思う ③冷静に生死を確認して救急車を呼ぶ ④衝撃を受けながらもまるで映画を観ているような気分になる ⑤状況をすべて観察し見極める ⑥逃げ出したい気持ちを押さえ通報する ⑦周囲に誰かいれば協力を要請し、冷静にスピーディーに行動する ⑧正義感に燃え、何としても犯人を捕まえようとする ⑨途方にくれボーっと立ちつくす

 どうでしょう? どれもありがちな反応ですよね。100人100様と言えばそれまでですが、エニアグラムの考え方では、大きく100人9様ととらえるのです。良い悪いではありません。人間関係や自身の性格で悩んでいる人にとっては、一筋の光明となること請け合いです。

 次号でもう少し詳しくお話しますが、とりあえず関連情報を提供させていただきます。

NPO法人日本エニアグラム学会:http://www.enneagram.ne.jp
本 鈴木秀子著「鈴木秀子のエニアグラム活用術」
  和泉育子著「はじめての人間関係ノート」
  安村明史著「9タイプ・コーチング」 
  レニー・バロン+エリザベス・ウェイゲル著「エニアグラムでパートナー探し」

2006.06.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2006.5

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「点」の出会いを、「線」から「面」へ        


 中村文昭さんをご存知でしょうか? 「お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ」等の著書も著している若手実業家(レストラン・ウェディング事業)であり、繁盛講演家でもあります。

 先日の仙台での講演会は40泊41日という全国連続講演会の30日目でした。笑いあり、涙ありのエピソードは “超” 盛りだくさん。要約すると味気なくなってしまいますが、キーワードは「本気」と「素直」だと感じました。

 氏のモットーは、①すぐに(0.2秒)返事をする ②人間関係は頼み頼まれるコト。頼まれゴトは試されゴト。頼まれゴトには相手の予想を超えビックリさせる ③できない理由を探さない ④「そのうち」は禁

 そして、表題の通り楽しみながらご縁を広げていっているのです。今ではいただく年賀状がみかん箱2箱半になるそうです。

 そんな氏の出会いづくりの一つが新幹線での小銭バラマキ作戦や足踏んづけ作戦です。人はきっかけもなく見知らぬ人と話し始めることはなかなかないものですね。氏はわざと小銭を落として隣の席の人に拾ってもらい、そこから会話を始め、駅を降りた直後にその人にハガキを書き、投函するのだそうです。この方法が出会いの点を線に変え、さらに新しい出会いを呼んで面につながり、現在に至っているということです。

 中村さんには遠く及びませんが、私もなるべくハガキや手紙を書くようにしています。電話やFAX、メールなど便利なコミュニケーションツールがいっぱいあるからこそ、思いを込めながら綴ることのできるこのスローな媒体の良さが生きると思うからです。

2006.05.01:壱岐産業:[事務局ノート]