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ハモコミ通信2008年10月号

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マンボウスイミングで学んだこと その1
    

私の水泳といえば…。クロールは50m泳ぐと息絶え絶え、平泳ぎも同様でした。それでも健康のため、たまにはプールに行って、細切れに休みながら泳いでいました。

 あるとき、ふと「クロールで1500mを連続でスイスイ泳げるようになりたいなぁ」という願望が天から降ってきました。そこで「そうだ!上手な人をモデリングしてみよう」と思い立ったのです。ずいぶん前に、このハモコミ通信でも書きましたが、モデリング(マネ学習)の基本はVAK。その人は何に焦点を当てて(視覚Visual)、どんな言葉を使い(聴覚Auditory)、どんな体の使い方をしているか(体感覚(Kinesthetic)。

 まずはじっくり上手な人の泳ぎ(体の使い方 K)をしばらく眺めてみました。すると面白い発見が。それまでの私と大きく違っていたのは、「思いっきり息を吸っている」ということ。確かに自分の息の吸い方はあまり思いっきりという感じではなく、むしろ慌てて吸うためにだんだん吸えなくなっていき、最後苦しくなって終了というパターンだったのです。

 「ヨシ、ゆっくりでいいんだ。力を抜いて、息さえたっぷり吸えれば、長い距離だっていけるはず(焦点の合わせ方 V)」

 やってみて自分でもビックリ。本当に本当にゆっくりゆっくり、力を入れず、ただ息を思いっきり吸うことだけに集中して泳いでみたら…。なんと、いきなり400m泳げたぞ~!(マンボウのようなのろさでしたが)その遅さたるや、隣のコースでダサい平泳ぎ(2回かいて1回息継ぎというやつ)をしている年配の女性にも抜かれちゃうほど。でもいいのです。まずは長い距離を泳げるようになることが目的なのだから。

 この新しい焦点を得たおかげで、俄然ヤル気がでてきました。「ヨシ!毎週100mずつ距離を伸ばしていこう。そうすればやがて1500mに達するわけだ」

 こうして毎週のマンボウスイミングが始まったのですが、結果から言えば、紆余曲折しながらも、何とか1500m連続で泳ぐことができました。そして今、もう1つの目標、「スイスイ」に挑戦中です。その過程で多くのことを学んだので、それをお知らせしますね。

 まず1つ目は、ガチガチの目標設定は人を苦しめてしまう、ということ。
 毎週100mずつ増やして、という目標を決めましたが、人というのは体調のいいときばかりではありませんね。精神的に乗ってないと、それが即泳ぎに影響してきました。700mまでは順調に伸ばしていけたのですが、今日は800mというとき、苦しくて200mでストップ。メンタル的なダウンでした。

 元来自分に甘い性格ゆえ、まぁこういう日もあるだろう、気にせずやっていこう、と自分を慰めつつ続けました。水前寺清子の歌♪三歩進んで二歩さがる♪ってやつです。結果してそれだから続いたのだと思います。もし絶対目標から外れてはいけない、という風に考えていたら、水泳が嫌いになり、リタイアしていたでしょう。これって仕事も同じだな、って気づいたわけです。おっと、続きはまた来月号で。

2008.10.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2008年9月号

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私の夢
     

 先日、渋沢栄一氏の夢七訓というのを久しぶりに聞きました。そして改めて自分の夢について考えました。私の大きな夢はとりあえずおいておいて、手近に叶えたいものをお伝えしようと思います。手近とはいいながら、すでに10年間あたためてきたものです。

 それは、母校(黒松小学校)に“象”を呼んでくること。

 ゾウさんが自分の母校の校庭を自由に歩き回っている様子を想像してみてください。こんな愉快なこと、ないでしょう?  
 
 10年前、とあるイベントを企画していたときのこと。人集めをどうしようか、という話し合いの中で、冗談でゾウさんでも連れてこようか? となぜか口から出てきたのです。そのときは笑われて終わったのですが、自分の中では面白いと思い、いろいろ調べました。

 CMやテレビ出演用の飼い慣らされたゾウさんを飼っているところが千葉県市原市にあること(映画『星になった少年』に出てくるナンディという象もここの所属)、1日のレンタル料、運搬費等で250万くらいかかること、宮城県の危険動物には指定されていないこと。

 ゾウさんとできること。人を背中に乗せて歩いたり、子ども50人と綱引きをしたり、鼻にぶら下がったり、サッカーをしたり・・・。もちろん餌をあげたり、記念撮影もできる。うんちを肥料にしてゾウの花壇を作るのも面白いなぁ・・・。背中に乗るための抽選券は、地元商店街で買い物をしたときに補助券がもらえるようにすれば、商店街の活性化にもなるぞ。これを仕切るためには多くの地元の人たちの協力が必要だから、おやじの会をつくっちゃおう! 夢は広がるばかりでした。

 ちょうど翌年が小学校の30周年というタイミングだったこともあり、PTA会長に直訴して記念事業検討委員会でこの企画を熱っぽく語りました。結果は?

 「おおっ、それは面白いね。ぜひやりましょう!」という顔が半分、「そんなのをやることになったら大変だから、やめてくれ」という顔が半分。PTAは有志ではなく、半分義務的に集まった集団なので、無理もありません。ということで、10年前は有志のおやじの会をつくっただけで終わりました。

 10年前が30周年ということは、来年40周年です。弊社も25周年。いいタイミングです! 今回は、うちの小学校だけじゃなく、12校分のスポンサーを募って午前・午後1日2回 『1週間のゾウさん巡業』 という計画を練っています。来年、仙台にゾウさん旋風が巻き起こるか、乞うご期待!!

 せっかくなので、渋沢栄一氏の夢七訓を記します。

 夢なき者は 理想なし 理想なき者は 信念なし 信念なき者は 計画なし 計画なき者は 実行なし 実行なき者は 成果なし 成果なき者は 幸福なし 故に 幸福を求める者は 夢なかるべからず

2008.09.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2008年8月号

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エコロジーについて思うこと その2


 先月号で、コミュニケーションをよくすることが、弊社としての地球環境問題に対する対策である、ということをお話ししました。

 無駄なこと① : 不良品を作ってしまうこと (=製造側とのコミュニケーション不足、確認不足)
 無駄なこと② : 売れない商品を作ってしまうこと (=お客様とのコミュニケーション不足)
 無駄なこと③ : 使われない商品を売ってしまうこと (=時代とのコミュニケーション不足)

 この中で一番むずかしいのは時代とのコミュニケーションでしょうね。
 松井証券の松井道夫社長の言葉、「経営者の時代感覚こそが最大のコスト」、という言葉がしびれます。
一般的には、人件費が最大のコスト、などと言われますが、松井社長のほうが的を得ていると思います。

 では、私の持っている時代感覚は何か?
 時代のキーワードを挙げていけばキリがないですが、私としては、「スピードと心」をクローズアップした時代感覚でやっているつもりです。

 「スピード」は、好むと好まざるとに関わらず、もうそういう時代になってしまっていますよね。我が家のマスコットハムスターのチョリッチョくんを見ているとマウスイヤーなるものが実感としてわかります。
何しろちょこまかと動きが速い! ドッグイヤーからマウスイヤーの時代へ、などと言われている昨今、これに背を向けては商売はできませんね。

 もう一つの「心」。
 むずかしい分野ではありますが、いつの時代も重要ですね。人間が本来持っているスピード以上のものが要求されてくるとなると、必ずどこかで歪(ひずみ)がでてくると思います。人が求めて止まない、「自己重要感」への配慮や、「つながり」を求めている心にも注目しています。

 先日、徳島県上勝町の「おばあちゃん達の葉っぱビジネス」で有名な横石知二さんの講演をお聞きしました。氏は「出番を創る」という表現を使っておられました。
 それぞれの人が、仕事上イキイキと活躍できる場を創るためにどうすればいいか? 今、何がその人に必要なんだろうか? を求め続けると答えがでてくるのではないかと、感じています。

 弊社はコミュニケーションツール、安全ツールといった道具の販売が生業(なりわい)です。道具は使われてナンボ。有効にお使いいただける=エコロジー、を肝に銘じ、「スピードと心」を念頭に、今後も精進していきたいと思っております。

2008.08.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2008年7月号

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エコロジーについて思うこと
    

 2008北海道洞爺湖サミットも無事閉幕。成果については今後の各国の動きに注目したいところです。
我々一市民としては、国がしてくれることを座して待つのではなく、自分はどうするか、という視点を大切にしたいものですね。個人としても企業人としても。

 弊社では様々なエコグッズを販売しているので、常々感じることがあります。それは、本当のエコって何だろう? という素朴な疑問です。リサイクルにばかり目が行き過ぎていることに対する“?”です。

 例えばボールペン。巷にはボールペンはいっぱい溢れています。あなたの机の引き出しにも何本も入っていることでしょう。

 さて、デスクワークをするときの、自分の行動をフォーカスしてみましょう。ペンがいっぱいあるのなら、少しでも書き味のいいペンを探しませんか? それは人によって、インクのすべり具合だったり、あるいは持った感じだったり、重さや長さなどのバランスだったり。ペン本体に名前が入っているかどうかはお構いなしで、書き味を追究すると思うのです。
 
 では、上着のポケットに挿したいペンはどうでしょうか? やはり他人にみられて恥ずかしくないような、ちょっと高級感があったり、個性的だったり、といったペンを選びたくなりませんか? もちろん、機能性を重視して赤・黒・シャープが一体となったものや、 4色ペンなどを好む人もいるでしょう。

 展示会に行くと、様々なエコボールペンなるものが次々産まれてくるのがわかります。再生紙を固めてできた軸を使っていたり、とうもろこし粉を固めていたり・・・。アイデアはいいのですが、実際手にとって書いてみると、書き味も持った感じもお世辞にもイイとは言い難いのが大半でがっかりするのです。これじゃちっともエコじゃない! だって使われないもの!

 ボールペンは使われてナンボでしょ。使われずに捨てられるペンはムダなのです。ということで、弊社では、書き味や見栄えなどもエコ要素と捉えています。

 会社としての環境対策は、コミュニケーションスキルを高めること、です。

 無駄なこと① : 不良品を作ってしまうこと。
 無駄なこと② : 売れない商品を作ってしまうこと。
 無駄なこと③ : 使われない商品を売ってしまうこと

 いずれも、確認が徹底していない、本当のニーズに迫ってない、使用者の実態を把握していない、など、お客さまや社会とのコミュニケーション不足、がその主な原因です。

 エコ社会を築くためにも、お互いの関係性をもうちょっと高め、風通しのいいコミュニケーションを心がけたいものですね。

2008.07.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2008年6月号

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みんなが座れるように、という発想
    

 仙台市の地下鉄は7人掛です。あなたなら、誰も座っていないこの7人掛の座席のどこに座りますか?

 たいていの人は一番端を選ぶのではないでしょうか?
 或いはど真ん中? ど真ん中じゃちょっとあつかましいと思われるかもしれない、と、少し脇にズレるでしょうか?
 
 もちろん、どう座ってもいいのですが、Uさんから教えられ、私も実践している地下鉄7人掛作戦というおもしろい方法をお伝えします。実践してみるとその有効性がわかります。

 理想形は右図一番上の7人掛、6人掛は普通形で、5人掛は最悪形と心得ることがファーストステップです。

 さて、Uさんは3番目の位置に座るといいます。その心は?

 次に来る人が1人だとすると反対端が埋まり(A)、その次に来る人が1人だとすると、もう一方の端が埋まります(B)。そして次はCのようになり、ちょうど均等に1人ずつ座れるスペースが空くのです。Cで④が2人連れだと6人掛となります。
 
 では、最初に来る人が2人連れだとどうか?A→B→Cのような展開が予想されます。この場合、Cで④のほうへにじり寄って、④をもう少し右へ動いてもらうようプレッシャーをかけるという手もあります。悪くても6人は座れますよね。Cで④が2人連れだと、見事7人掛が達成されるわけです。

 一方、最初に一番端に座った場合、両端と中央、そしてその間、という展開(最悪形)になりやすいのです。2人連れがきたり、気の利いた人がいたとしても普通形まででしょう。

 江戸しぐさ、っていうのはご存知でしょうか? 大都市江戸の町で暮らす町人たちが円満に共生する術として知られており、他人を思いやる気持ちがその真髄です。しぐさは「仕草」ではなく「思草」と書くそうです。
 江戸しぐさの中に、「こぶし腰浮かせ」というのがあります。渡し舟に少しでも多くの人が座れるよう、こぶしで腰を上げて席を詰めるしぐさを言うそうです。詰めない人は、船頭さんから促されたそうですが、言われて初めて気がつくのは江戸っ子にとっては恥だったとか。 
 
 Uさんはもちろん現代人ですが、江戸っ子のたしなみを、知らずと身につけてきたのでしょうね。

2008.06.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2008年5月号

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言い切るチカラ
    
 
 世の中わからないことだらけ。あふれる情報の渦の中で、右往左往してしまいがちですね。

 自分の中に芯を持っている人は、行動にブレが少ないのでしょう。でも私達の日常は、多種多様です。
例えば見通しのきかない道路で、前方を走っている車が次々と右に車線変更したら、理由は分からなくてもそれに従うに違いありません。

 実は、専門的には「社会的証明」と呼ばれている、ある法則が存在するのです。
 『自分があることについて不確かなとき、より権威を持った人、自分とより似た属性を持った人たち、より多くの人たちの行動や言動に従う』、という法則です。自分にとってあまり重要ではない事柄において一番あてはまります。

 ①権威を持った人 : 専門家・大学の先生・その道のプロのコメント、社長・店長のおススメなど
  居酒屋で何を選んだらいいかわからないとき、店長のおススメでいいや、ってことになりませんか?

 ②自分と似た属性を持った人たち : サラリーマン同士、男同士、若者同士、子連れ同士など
   細い路地の信号が赤のとき、ヤンキー連の信号無視には同調しない人も、同じサラリーマンがやっていると、つい同調して渡っちゃう、ってことありませんか?

 ③より多くの人たち : 
   誰か1人が夜空を見上げていてもつられたりはしないでしょうが、10人が見上げていたら・・・?
   これを利用した古典的な営業手法に、テレビにおけ「人工的な笑い」というのがあります。特にアメリカのドラマ(例えば「奥様は魔女」←おおっ、懐かし~い)に多いですね。あれは実証試験もやっているようで、あきらかに「人工的な笑い」を入れたほうが、番組の評判がいいそうです。
  「ここは笑うところだろうか?」なんて思い悩む必要はないのです。人工笑いにつられて笑っちゃうのですから。

 さて、これらを総合して考えると、商売上の大切なヒントが見つかりますね。つまり、自分がその道の専門家となり(①)、情報過多の昨今、迷えるお客様の先生として「ズバリ、言い切ってしまう」というのが、喜ばれること、といって差し支えないでしょう。

 そして、あなたと同じような人も使ってますよ(②)、ということと、すでにたくさんの人に喜ばれています(③)、ということを示してやると、なるほどね、と安心して購入できるのです。

2008.05.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2008年4月号

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一貫性の力 その 3
     

 またまた今月も 「一貫性の力」 のお話にお付き合いくださいね。

 さっそくですが、『ローボール・テクニック』というのをご存知でしょうか? うちの会社ではそのような指導をしてはいませんが、一般的に営業部隊を強化しているところでは常識的な「承諾誘導テクニック」といわれているものです。

 例えば、車の下取り販売で、あなたの車を非常に高く見積ってくれたとします。それだけであなたはいい気分になって、それじゃ買おうか、って思いますよね。新車の乗り心地や新しい性能、外観の美しさなど、夢はどんどん膨らんでいきます。
 そして商談が進み、上司の最終チェックという段階で、マネージャーから、「この下取り価格は高すぎてダメだ」と却下されてしまうのです。
 営業マンはお客様に平謝り。BUT・・・。すでに買うことを決めこんで、その車での新しい生活をイメージした人にとって、もともと正当と思われる下取り価格が再提示されたところで、買う気は失せない、というわけです。
 すなわち、一旦自分で出した決定を補足する柱(新車の乗り心地、新しい性能、外観の美しさなど)がいっぱい建ってくると、そのうちの1本をはずしても、その決定に対する一貫性は崩れにくい、というわけなのです。

 ローボールテクニックの実例をもう少し見てみましょう。

 オハイオ州立大学では、学生に、朝7時から始まるある研究活動への参加を呼びかけました。
 第一のグループには、電話をしてすぐに開始時間が朝の7時であることを告げたところ、参加申込は24%でした。
 第二グループにはローボール・テクニックが使われたのです。つまり、電話の時点では、単に研究活動への参加だけが求められ、56%の人が同意しました。そして、その後、開始時間が朝の7時からであることを告げたのです。考えを変えた学生は・・・? なんとゼロだったそうです。 

 2月号( http://www.d1.dion.ne.jp/~iki_corp/hamokomitushin2008-2.html )でご紹介した、天然ガス節約キャンペーンでの新聞掲載中止、というのもまさにこの事例だったわけです。

 いかがですか? 思い当たる節はありませんか? 一貫性を保ちたいという、人としてあたり前のことが、あなたの不利益にならないよう、十分お気をつけくださいね。

 同時に、警戒しすぎて眉間に縦ジワがよらないようにも気をつけたいものです(*^_^*)。

2008.04.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2008年3月号

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一貫性の力 その 2
     
      
 さっそくですが、先月に引き続き 「一貫性の力」 について一緒にみてみましょう。

 アメリカの玩具会社の売上が最高になるのは何月かわかりますか? そう、クリスマスのある12月です。
そして、それに続く1月と2月は、急激に売上が落ち込むそうです。親の財布の紐が締まっちゃうのですから無理もありませんね。あなたが玩具会社の社長だったらどんな対策を講じますか?

 子ども達の「おもちゃが欲しい」気持ちを引き出すのは簡単です。問題は、クリスマス休暇でお金を使い果たした親たちを動かすことです。

 ある会社は、広告キャンペーンを大幅に増やしました。また別の会社は、この期間値下げをしてみました。
結果はいずれもほとんど効果なし。

 ここである会社が、「一貫性の力」を利用した巧妙な作戦を立て、成功したそうです。それは・・・。

 ① クリスマスの前から、ある特別なおもちゃの魅力的なCMをテレビで流し始めます。
 ② 当然、子ども達はソレを欲しくなり、親は「クリスマスにソレを買ってやる」と約束するわけです。
 ③ ところが、メーカーは、ソノおもちゃは少ししかお店に卸さないのです。
 ④ クリスマスにソレを買おうと思っても売り切れているので、別のおもちゃを買うことになります。
 ⑤ クリスマス終了後に、またソノおもちゃのCMを流し始めるのです。
 ⑥ 子ども達は、前より一層それを欲しがり、「コレを買ってくれるって約束したじゃない!」とねだります。
 ⑦ 親は、自分の言葉を裏切りたくない(一貫性を保ちたい)ので、ソレを買う破目になるというわけです。

 どうですか? 同じような経験をした人はいませんか?
 自分の言葉の一貫性を守りたい、というだけでなく、子どもに対して、約束を守ることは大切だ、という教育をしたい、という気持ちも働くことでしょうね。実にうまい作戦ですね。

 ついでにもう一つ、 “おもちゃネタ”。

 「ロボット遊び禁止」について、小学3年生の男の子に「脅し」と「諭し」のどちらが効果があるかどうか、という実験結果です。

 22名のAグループには、ロボットで遊ぶとひどく怒ると脅しました。
 同じ人数のBグループには、ロボットで遊ぶことは悪いことだ、と教え諭しました。先生が離れていたとき、何人の子ども達がそのことを守ったか、というのが右表。時とともに脅しの効果は薄れます。

 「悪いこと」というのは外から教えられたことですが、それを「守る」のは自分で決めたこと。決めたことを守る、という自分に対する「一貫性の力」を育むことが教育上も大切なポイントのようですね。

2008.03.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2008年2月号

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一貫性の力 その 1
         

 昨年12月、エコプロダクツ2007というイベントに行ってきました。企業やNPO団体がそれぞれ趣向を凝らして地球温暖化対策やリサイクル推進などを訴えていました。

 出展の企業の多くは、記念品と引き換えに「あなたが出来る環境にいいこと宣言」のようなものを、一人ひとりに書いてもらっていました。「エアコンの設定温度を1℃高く(低く)します」 「買い物袋はもらわないようにエコバッグを持ち歩きます」 「“急”のつく運転をしないエコ運転を心がけます」などなど。

 宣言(コミットメント)してもらうということは、今月号のテーマ「一貫性の力」に大いに関係があります。
すなわち、「宣言する」ことによって、人は自分の中にできた一つの軸を守ろうとして、一貫性を持って行動するようになる、というわけです。

 あの人の話と行動にはどうも一貫性が感じられない、なんて言われたら、こりゃまずいですね。信用を失いかねないし、自分自身の誇りも揺らいでしまいます。人はそもそも言行一致し、終始一貫性があると思っていたいし、人からも思われていたいものでしょう。「言ったからにはやらなくちゃ」といった自分の内なる声に、人は結構しばられるというわけです。

 では、宣言したことは必ず守られるか? 答えはNOですが、確率は高くなります。 紙に書く、署名をする、声に出して読み上げる、など、一貫性を保つための “強化策”があると、その効果は増幅されます。
「観客がいる」ということも重要で、多ければ多いほど効果的です。

 以下は、アメリカの天然ガス節約キャンペーンで社会実験したときの実例です。

 Aグループ : 何も省エネの秘訣を伝授されていないグループ
 Bグループ : 単に省エネの秘訣を伝授されたグループ
 Cグループ : 省エネの秘訣を伝授され、結果が良かったら新聞に名前を掲載する、と言われた
          グループ

 1ヶ月後の節約結果はいかに?
 AとBはほとんど変わらなかったそうです。Cは? もちろんいい結果でした(観客効果) 。

 さて、ここでCに対して「新聞掲載を中止する」と予定変更が伝えられます。
 はたして翌月以降の結果は?

 なんと! Cはさらに節約を重ねていったというのです。それって、どういうこと? そう、これぞまさしく強化された一貫性の力のすごいところです。 『公共精神に溢れ、省エネを積極的に実施する市民』という自己イメージを一旦強烈につくりあげたおかげで、一貫性をもって行動していったのでしょう。

2008.02.01:壱岐産業:[事務局ノート]

ハモコミ通信2008年1月号

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ハーモニーのあるコミュニティ
            

 2008年がスタートしました ! 昨年はハモコミ通信のご愛読ありがとうございました。今年も張り切って書きますのでよろしくお願いしますね。
 
 さて、これまで何度か触れていますが、「ハーモニーのあるコミュニティづくりのお手伝い」、というのがこのハモコミ通信の目的です。何じゃそりゃ??? って思われたことでしょう。無理ありませんね。耳慣れない言葉ですから。
 
 人と人が出会う「場」っていうのは、日常無数にあります。ギスギスしているよりも、ほんわかはんなりしていてほしいものですよね。そして、それを相手によらず、TPOに応じて自分から積極的につくり出すことができれば、仕事が、そして日常生活が楽しいものになると思うのです。
 
 まして、繰り返し会う人との関係あれば、それは「場」づくりというよりは「コミュニティ」づくりです。
 
 ザイアンスの法則というのを聞いたことがありますか? 接触回数と好感度の研究をした心理学者です。
   ① 人は、知らない人の話を聞きたがらない
   ② 人は、会えば会うほど好きになる
   ③ 人は、その人の人間的な一面を知ると好意を持つ
 
 繰り返し会って人間的ないい付き合いができるようになれば、そこはもうハモコミであり、ビジネスでもプライベートでも、うまくいくこと間違いなしですね。
 
 そんなハモコミづくりをサポートするのが、この通信でご紹介するコミュニケーションスキルであり、弊社で取り扱っているコミュニケーションツールである、と信じ、また1年顔晴ります(*^_^*)。

2008.01.01:壱岐産業:[事務局ノート]